新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の懸念から、日本中で不織布(ふしょくふ)の使い捨てマスクの品切れ状態が続いています。
マスクをする効果は、罹患している人がさらに感染を広げないことにあるといわれますが、人混みなど飛沫(ひまつ)を浴びる危険性に対し「着けないより着けた方がいい」との思いや、その行為は決して間違いでないと思います。
不織布で作られたマスクは、本来「使い捨て」を前提に販売されているものですし、パッケージにも「衛生面・機能面から1日1枚のご使用をおすすめします」と書かれているように、本来は洗濯して再利用することは望ましくはありません。
しかし、どうしても買えないこの状況下では、
・不織布の使い捨てマスクは洗濯できる?
・洗って再利用できるのか?
そう考えることも、正直致し方ないレベルにあると思います。
会社からも「マスク着用」が義務付けされて、困っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、どうしても「マスクが買えない」「マスクの在庫がない」ときの非常手段として、不織布の使い捨てマスクの洗い方と再利用する際の注意点を紹介していきたいと思います。
もちろん、不織布で作られたバッグや衣類などにも応用できる情報です。
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目次
不織布とは?
「不織布の使い捨てマスクは洗濯できるのか?」を前に、不織布とはどういうものかを知る必要があります。
一般に布となるものは、細い繊維を織って作られているのに対して、不織布とは文字通り「織らずに作られた布」です。
繊維を一定方向またはランダムな形で集積させ、熱や機械的・化学的な作用で絡まさせたり接着することで布状になっています。
不織布は、細かな繊維をそのままシート状の素材にできるので糸を紡ぐ「紡糸」を必要としないので、織物や編み物と比較して低いコストで布に類似した製品を作ることができるのです。
不織布の使い捨てマスクは洗うと機能は低下する?!
不織布の使い捨てマスクは洗濯できるのか?、洗って再利用できるのか?、その答えのヒントが、「全国マスク工業会」から2020年3月4日に公開された「マスクの再利用について」という指針に現れています。
「洗って繰り返し使える表記の無いタイプは、洗うと機能が落ちるのでお勧めできません」
全国マスク業界として安全を重視すれば、当然このようになります。
その一方、「どうしても洗って再利用をご希望の場合」として洗い方が紹介されているように、決して「絶対ダメ」なわけではないのも事実です。
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不織布の使い捨てマスクの洗い方!
本来は望ましくない再利用も、現在の「どうしてもマスクが買えない」という方々の切実な思いを鑑みて、全国マスク工業会はあえて「使い捨てマスクの洗い方」を紹介しています。
➀中性洗剤で、もみ洗いでなく押し洗いしてください
➁十分なすすぎをしてください
➂熱に弱い材料が使われているマスクもあるので、型崩れを軽減させるためにも乾燥機は使わずに、十分に乾燥させてください
中性洗剤とは、食器用や衣類用など様々なタイプがありますが、洗剤のパッケージに「中性洗剤」と表記されていれば、不織布の使い捨てマスクを洗うことにそのタイプを選ぶ必要もありません。
実際、入浴時にお風呂洗い用の「バスマジックリン」で洗うのもアリだと思います。
大事なことは、この洗い方はあくまで「咳エチケット」や「濃厚接触」となる機会を少しでも減らすためであって、どうしても再利用する必要がある場合と割り切れるかにあります。
不織布の使い捨てマスクを台所用漂白剤を使って除菌する方法!
不織布の使い捨てマスクを再利用するなら、洗うだけでなく除菌することで安心感が少し高まるかもしれません。
準備するものは、キッチンにある「台所用漂白剤」だけ。
中性洗剤で洗って台所用漂白剤で除菌!
除菌の前の洗い方は、先の「不織布の使い捨てマスクの洗い方!」で紹介したとおり、中性洗剤を使ってやさしく押し洗いしてあげればOK。
洗剤が残らないように、一度よくすすぎます。
その後、台所用漂白剤を適量入れた容器に30分ほどマスクを浸けおきします。
完全にはキレイにはならないかもしれませんが、ファンデーションや口紅なども一緒に落としてくれる効果があります。
最後に、よくすすいで十分に乾燥させましょう。
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不織布の使い捨てマスクは洗濯機で洗える?
不織布の使い捨てマスクも、洗濯機で洗うことはできます。
みなさんは、洋服のポケットに使い捨てマスクを入れ忘れたまま、洗濯機で洗ってしまった経験ありませんか?。
気づかずに干されて乾いたマスクは、どんな状態だったでしょう?。
くしゃくしゃになっても、とりあえず破けることなく原形をとどめていたと思います。
そう、使い捨てマスクに使われる不織布は、結構丈夫な素材なので十分洗濯機で洗えるのです。
間違えてティッシュを入れたまま洗ってしまったときのような、悲惨な状態にはなりません。
型崩れを防ぐなら、洗濯ネットに入れて洗うことをおすすめします。
不織布の使い捨てマスクを洗濯する注意点!
不織布は意外と丈夫な素材とはいえ、洗濯や乾燥にはいくつか注意点があります。
これは使い捨てマスクに限りません。不織布で作られたバッグや衣類などをきれいに長持ちさせるための注意点になります。
不織布の洗濯は基本「手洗い」がベスト!
たしかに「間違って」洋服と一緒にマスクを洗濯してしまった経験からも、不織布は洗濯機で洗うこともできるのですが、
・型崩れ
・不織布の表面が毛羽立つ
だけでなく、「一緒に洗濯した衣類の汚れが移るのでは?」といった不安もよぎります。
マスクだけでなく不織布で作られたバッグや衣類などを繰り返し洗濯するなら、やはり手洗いの方が安心ですし何より長持ちします。
干すときはシワを伸ばす!
不織布は、一度シワができると元に戻すは難しい素材です。
干すときは、まだ濡れている段階で「パンパン」叩いたり、ある程度シワを伸ばして干すことを意識しましょう。
もしも洗濯機で脱水するなら、短時間に調整するのがベターです。
なぜなら、不織布は水気が多い状態でシワを伸ばすなど形成して干した方がシワができにくいからです。
不織布は乾きやすい素材でもあります。まだ水分を感じる程度の状態からシワを伸ばして干すようにしましょう。
洗濯バサミは使わない!
不織布を洗濯ばさみで挟んで干すと、挟んだ部分の跡がくっきり残ってしまいます。
使い捨てマスクに限っていえば、跡など気にならないかもしれませんが、バッグや衣類の場合は注意したい点です。
不織布にアイロン掛けてはダメ!
不織布のマスクを洗濯したあと、シワをよく伸ばして干したとしてもパリッとした新品同様にはなりません。
不織布のマスクを洗って再利用する場合、その点は仕方ないと割り切りましょう。
シワを伸ばそうと、不織布にアイロンを掛けてはダメです。
なぜなら、細かな繊維と繊維を熱を使ってつなぎ合わせて作られた不織布は、再び高温に晒されると繊維がほどけるように溶けてしまうのです。
アイロンを「高温」に設定した場合の温度はMAX150℃にもなるといわれますが、不織布が耐えられる温度は100℃前後なのです。
もしも、不織布のシワをアイロンで伸ばす場合は、直接不織布に熱が伝わらないように布を1枚挟むか、70℃以下の低温度に設定するようにしましょう。
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まとめ
不織布のマスクは、そもそも使い捨てを前提に作られ販売されているもので、「衛生面・機能面から1日1枚のご使用をおすすめします」とパッケージに表示されているように、本来は洗濯して再利用することは望ましくありません。
しかし、「どうしてもマスクが買えない」現在の状況では、
・不織布の使い捨てマスクは洗濯できるのか?
・再利用するときの洗い方や注意点は?
など、真剣に考えてしまうのも当然だと思います。
結論としては、不織布の使い捨てマスクは洗濯できるし、再利用もできます。
これらは「マスク不足」の時世を鑑みて、全国マスク工業会からも「どうしても洗って再利用をご希望の場合」として、使い捨てマスクの洗い方が公表されていることからも明らかです。
ただし、それは「マスクが買えない」「マスクの在庫がない」ときの、
・着けないより着けた方がいい
・無いよりマシ
の非常手段であることをご理解いただければと思います。
1日も早く新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が収束に向かい、この記事が無意味なものになることを祈ります。
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