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夜の信号待ちでヘッドライトを消す理由!古い慣習も道交法違反にはならない?

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交差点ヘッドライト眩しい

夜間に信号待ちをしていると、時折ヘッドライト(前照灯)を消す車を見かけませんか?。

それは「思いやりライト」と呼ばれる古い慣習で、現役タクシードライバーである筆者(chiezon)も、信号待ちでは先頭だけでなく2台目以降の停車でもヘッドライトを消すようにしています。

信号待ちでヘッドライトを消す理由には諸説あるのですが、「思いやりライト」と呼ばれているように、反対車線に停車する対向車が眩しくないように配慮してというのが1つ。

また、最近流行りの車高の高いSUVやミニバンだと、前車のルームミラーへの映り込みが眩しいからというのも1つです。今の車のヘッドライトは、HIDやLEDでもの凄く明るいですからね。

一方「信号待ちとはいえ夜間にヘッドライトを消すことは道路交通法違反ではないのか?」という指摘や否定的な意見も見聞きします。

消す・消さない、どちらが正解というものではありませんが、道路交通法を含め信号待ちでヘッドライトを消すことについて、あらためて考えてみたいと思います。

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信号待ちでヘッドライトを消すのは昭和の慣習?

冒頭でも紹介したように、夜間の信号待ちでヘッドライト(前照灯)を消す主な理由は、主に反対車線に停車する対向車や前車のルームミラーへの映り込みが眩しくないようにというものですが、元々は昭和の時代にタクシー業界から生まれた慣習が一般に広まったものといわれています。

日本は交差点にやたらと信号が多いので、当然ながら信号待ちの回数も多くなります。

昔の車はアイドリング状態での発電性能が低くいことに加え、さまざまな機器を積んで走るタクシーはバッテリーが上がりやすかったそうです。

そこで、タクシードライバーは信号待ちでヘッドライトをこまめに消して、バッテリーの消耗を極力抑えるようにしていたといわれます。(先輩タクシードライバーから聞いた話)

もちろん現在の車はオルタネーターの発電能力やバッテリーの性能も向上しているので、交差点でいちいちヘッドライトを消さなくてもバッテリー上がりなんてことになりませんけどね。

 

信号待ちでヘッドライトを消すのは違法か?

夜間に信号待ちをしているときにヘッドライト(前照灯)を消す「思いやりライト」について「道路交通法上違反では?」という意見も確かにあるのですが、信号待ちで停車中にヘッドライトを消すことは違反になりません。

事実、現役タクシードライバーである筆者(chiezon)は、夜間に信号待ちで停車中にヘッドライトを消していても、遭遇するパトカーや白バイの警察官から注意を受けたことすらありません。

あらためて、道路交通法の第3章:車両及び路面電車の交通方法の第10節:灯火及び合図、第52条を確認してみましょう。

第52条
車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間をいう。以下この条及び第63条の9第2項において同じ。)、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあつても同様とする。

2 車両等が、夜間(前項後段の場合を含む。)、他の車両等と行き違う場合又は他の車両等の直後を進行する場合において、他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければならない。

引用:e-GOV 法令検索

夜間は前照灯の他、車幅灯や尾灯を点けなければならないことは当然のことです。

周囲を明るく照らして視界を確保することの他、自車の存在を周りに示すためにも必要ですからね。

夕暮れ時は事故防止のため、ヘッドライトは早め早めに点灯することをおすすめします。

 

違反にならない理由

先に紹介した第52条で定められた夜間のヘッドライトなど灯火類の点灯義務から、いくら思いやりとはいえヘッドライトを消すのは違反ではないのか?という意見に繋がっていると思うのですが、第52条には続きがあって、その2項ではヘッドライトを消してもいい理由ががしっかり明文化されています。

信号待ちで先頭に停車することは「他の車両等と行き違う場合」に該当しますし、2台目以降に停車することは「他の車両等の直後を進行する場合」に該当するでしょう。

そのような場面では「他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければならない」と定められているのです。

そうです、信号待ちでヘッドライトを消すことは道交法で認められている行為なのです。

信号待ちで自分の車のヘッドライトが対向車のフロントガラスに直撃しているような状況や、自分の車がSUVなど車高が高く前車のルームミラーへの映り込みが眩しいだろう場合には、思いやりでヘッドライトを消すのは間違いではありません。

ただし、信号が青に変わって発進するときにヘッドライトを再度点灯させることを忘れないようにしてくださいね。

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ヘッドライトを消すことで蒸発現象を防止する

道交法から見ても違反とならない「夜間に信号待ちでヘッドライトを消す」ことは、対向車のヘッドライトが眩しいときに起きる「蒸発現象」を防止することにも有効です。「グレア現象」とも呼ばれています。

 

蒸発現象(グレア現象)とは?

蒸発現象(グレア現象)とは、夜間に対向車とすれ違うときに、自分の車のライトと対向者のヘッドライトが交錯することで道路中央付近を横断する歩行者などが、あたかも蒸発したように突然見えなくなる現象のこと。

蒸発現象
出典:群馬県警察|蒸発現象

HIDやLEDなどヘッドライトの明るさが強くなることで、ドライバーはより眩しさを感じ、光が交差する部分にあるものが見えにくくなる原因になっています。

また、対向車のヘッドライトの光を直接受けると「眩惑(げんわく)」という何も見えない状態にもなりかねません。

眩惑

一度眩惑すると回復までに数秒を要し、その間は目を閉じて走るのと同じような危険な状態です。

蒸発現象(グレア現象)や眩惑については、筆者(chiezon)も、タクシー乗務に必要な普通二種免許取得の為の合宿教習中にであらためて学びました。

蒸発現象や眩惑をのリスクを避けるため、対向車のヘッドライトが眩しいと感じる場合は「視線を少し左に逸らす」といいとされます。

信号待ちではヘッドライトを消すことは、蒸発現象(グレア現象)や眩惑を防ぐ、道交法違反にもならない「思いやりライト」だと思うのです。

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今後の車はヘッドライトが簡単に消せなくなる!?

このように昭和から続く古い慣習や、HIDやLEDなど明るさが強いヘッドライトとなったことで前車のルームミラーへの映り込みなどを考慮して信号待ちでヘッドライトを消す「思いやりライト」も、残念ながら今後少なくなっていくかもしれません。

というのも、2020年4月以降の新型車(乗用車)は周囲の明るさが一定以下になるとロービーム(すれ違い用前照灯)が自動で点灯する「オートライト」の搭載が法律によって義務化され、ヘッドライトを簡単に消すことができない構造になってしまったからです。

オートライト機能そのものはそれ以前からあったのですが、現在販売されている新車では走行中に「手動で消せない」仕様になっています。

オートライト義務化前のヘッドライトのスイッチ

➀OFF(消灯)
➁スモール
➂ヘッドライト(前照灯)
➃AUTO(オート)

の4段階が一般的で、➀のOFF(消灯)がデフォルトなので、信号待ちでヘッドライト(前照灯)を消すことができました。

ただし、発進時や逆に点け忘れること、逆にトンネル出口で消し忘れることもありえます。

オートライト義務化後のヘッドライトのスイッチ

➀スモール/OFF(消灯)
➁AUTO(オート)
➂ヘッドライト(前照灯)

の3段階仕様。➁のAUTO(オート)がデフォルトとなり、たとえスイッチを手動でスモール/OFF(消灯)の位置に合わせても、クルッとAUTO(オート)に戻ってしまう車種が多くなりました。

「手動による解除ができないものでなければならない」という基準に合わせたもので、走行中もしくは停車中であっても意図的にヘッドライトを消すことが難しく、当初はパーキングブレーキをかける、もしくはPレンジに入れた状態でないと、スイッチをスモール/OFF(消灯)の位置に合わせてもヘッドライトを消すことができない仕様が多くの車種に見られました。

ただ、これも最近は「停車中にヘッドライトを消したい」ニーズに応えるように、スイッチをスモール/OFF(消灯)の位置に合わせればヘッドライト(前照灯)のみ消灯、走りだせば自動点灯するという仕様へシフトしています。

前途の「思いやりライト」だけでなく、駐車場内などでエンジンは掛かっていてもヘッドライトを消しておきたいといったシーンは様々あるでしょうからね。

 

まとめ

夜間の信号待ちでヘッドライトを消す「思いやりライト」は、元は昭和の時代にバッテリーの消耗を抑えるためにとタクシー業界から生まれた慣習が一般に広まったものといわれます。

反対車線に停車する対向車が眩しくないように、また前車のルームミラーへの映り込みが眩しくなようにとの「思いやり」は、蒸発現象(グレア現象)や眩惑(げんわく)の防止にも繋がります。

この「思いやりライト」の歴史も、2020年に施行された「オートライト義務化」によって幕を閉じてしまうのでは?と心配しましたが、各自動車メーカーも「停車中にヘッドライトを消したい」ニーズに応えるように、スイッチをスモール/OFF(消灯)の位置に合わせればヘッドライト(前照灯)のみ一旦消灯し、走りだせば再度自動点灯するという仕様へシフトしているとのこと。

ヘッドライトは前方を明るく照らすだけでなく、例えば交差点で道を譲る意思を表すのに消灯したりパッシングしたり、周囲の車と意思疎通を図るコミュニケーションツールの役割も担っていると思うので、ある程度自由度を残して欲しいと思います。

道交法にも「他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければならない」と定められているとおり、信号待ちでヘッドライトを消すことは違反になりません。

先日、交差点で対向したパトカーがヘッドライトを消す姿を見たとき、違反ではないことを確信しました。

筆者(chiezon)は自分の車の仕様が可能な限り、信号待ちでヘッドライトを消す「思いやりライト」を続けていこうと思います。

消すことも、再度点けることも忘れることが多いですけどね…(苦笑)

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