豚肉はお買い得品で購入することが多い食材ですが、一度で使い切れずに気づけば「消費期限が切れてしまった」という経験ありますよね?。
賞味期限と消費期限の違いは、かなり消費者の間にも浸透されてきましたし、私たちもお買い得商品を選ぶときの、1つの判断材料になっていると思います。
ただ、昔から「豚肉はよく火を通して食べた方がいい」とか、「生焼けの豚肉はよくない」といわれていることもあって、豚肉の消費期限切れにはかなりシビアに感じていらっしゃると思います。
この記事では、豚肉の消費期限切れについて詳しく解説し、1日~2日過ぎた場合でも安全に食べられるかの見分け方と、長持ちさせる保存方法について詳しく解説します。
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消費期限切れの豚肉はいつまで食べられる?大丈夫?
豚肉の消費期限が切れたとき、「まだ食べられるのでは?」と考える方も多いでしょう。
しかし、消費期限は食品メーカーが安全に食べられる期間を設定したものであり、消費期限を過ぎた豚肉を食べることは基本的にはおすすめできません。
それでも、1日~2日程度過ぎた豚肉については、見た目や匂いを確認することで食べられるかどうかを判断することが可能です。
豚肉に表示される消費期限と賞味期限の違い
生の豚肉は生鮮食品として、消費期限や賞味期限を表示することが定められています。
> お肉の表示ハンドブック – 全国食肉事業協同組合連合会 <
生の豚肉は、通常「消費期限」で表示されますが、ブロック肉などの保存期間が比較的長いものは「賞味期限」で表示されることもあります。
賞味期限は美味しく食べられる期間を示し、消費期限は安全に食べられる期間を示します。これらの違いを理解することで、食品の管理がしやすくなります。
消費期限:安全に食べられる期限
消費期限切れの豚肉が食べられるかの見分け方
消費期限が1日~2日過ぎた豚肉でも、見た目や匂いをチェックすることで食べられるかどうかを判断できます。
見た目のチェックポイント
ドリップの量
新鮮な豚肉はドリップが少なく、パックを傾けてもほとんど出てきません。ドリップが多い場合は、鮮度が落ちている可能性が高いです。
色の変化
新鮮な豚肉は淡いピンク色ですが、時間が経つと灰色や黒っぽく変色します。あきらかに黒っぽく変色した豚肉は食べられません。
表面の状態
ネバネバして糸を引いている豚肉は間違いなく腐っているので、食べないようにしましょう。
匂いのチェックポイント
酸っぱい匂い
傷んだ豚肉は酸っぱい匂いやアンモニア臭がします。不快な匂いがする場合は、食べない方が安全です。
調理後の匂い
加熱調理した際にも、通常の甘い香りではなく異臭がする場合は、食べるのを避けましょう。
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消費期限切れの豚肉が腐りだすのはいつから?
食品メーカーが設定した消費期限が切れた豚肉。あくまで自己責任にはなりますが、実際にはすぐに食べられなくなるものではなさそうです。
ここからは、特段手を加えず冷蔵庫で保存した場合の豚肉の状態を、消費期限切れからの経過日数ごとに見ていきます。
段々と、食べられない状況になることがお分かりいただけると思います。
1日~2日後の豚肉の状態
消費期限が切れてから1日~2日後でも、冷蔵庫で保存されている場合はほぼ問題ありません。
ただし、見た目や匂いを確認することが重要です。
・色がピンク色を保っている
・異臭がしない
3日~4日後の豚肉の状態
消費期限が切れてから3日~4日過ぎた豚肉は、鮮度が大きく低下し、腐敗が始まることがあります。
・表面がヌメヌメしている
・匂いが変化している
1週間後の豚肉の状態
消費期限切れから1週間過ぎた豚肉は、食べずに捨てるべきです。
・色が灰色や緑色に変わる
・表面がネバネバして糸を引く
・アンモニア臭や酸っぱい匂いがする
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豚肉が原因で起こる食中毒
豚肉は栄養豊富で美味しい食材ですが、不適切な取り扱いや調理によって食中毒の原因になることがあります。
豚肉による食中毒の主な原因は以下の通りです。
サルモネラ菌
サルモネラ菌は腸内に存在する細菌で、感染すると腹痛、下痢、嘔吐、発熱などの症状が現れます。
特に生肉や加熱不足の肉に多く含まれることがあり、豚肉も例外ではありません。
【予防策】
豚肉を十分に加熱することが重要です。中心部が75℃以上になるように調理しましょう。
調理器具や手をこまめに洗い、交差汚染を防ぎます。
カンピロバクター菌
カンピロバクター菌は鶏肉によく見られますが、豚肉でも感染の可能性があります。
感染すると下痢、発熱、腹痛などの症状が現れます。
潜伏期間が2~5日と比較的長く、症状が重篤化することがあります。
【予防策】
豚肉を十分に加熱することが必要です。特に内臓肉はしっかりと火を通しましょう。
調理器具や手をこまめに洗い、他の食品への交差汚染を防ぎます。
エルシニア菌
エルシニア菌は冷蔵温度でも増殖することができる細菌で、豚肉や豚レバーなどが感染源となることがあります。
感染すると腹痛、下痢、発熱などの症状が現れ、特に子供や免疫力の低下した人が重篤化することがあります。
【予防策】
豚肉を十分に加熱することが必要です。
生肉を取り扱った後は手をしっかり洗い、調理器具や表面を消毒します。
E型肝炎ウイルス
E型肝炎ウイルスは豚肉やイノシシ肉を介して感染することが知られています。
感染すると急性肝炎を引き起こし、重症化することもあります。
特に生肉や加熱不足の内臓肉がリスクとなります。
【予防策】
豚肉、とくに内臓肉を十分に加熱することが重要です。中心部が85℃以上になるように調理しましょう。
内臓肉の取り扱いには特に注意し、手や調理器具をしっかり洗浄します。
トキソプラズマ(寄生虫)
トキソプラズマは寄生虫であり、感染するとトキソプラズマ症を引き起こします。
豚肉を介して人に感染することがあります。
感染症状は軽度な場合が多いですが、妊婦が感染すると胎児に影響を及ぼす可能性があります。
【予防策】
豚肉を十分に加熱することが必要です。
生肉を取り扱った後は手をしっかり洗い、調理器具や表面を消毒します。
ウエルシュ菌
ウエルシュ菌は酸素がない環境でも増殖できる細菌で、感染すると激しい腹痛や下痢を引き起こすことがあります。
調理後に温度管理が不十分な状態で放置された豚肉料理がリスクとなります。
【予防策】
調理後は速やかに冷蔵保存するか、再加熱して菌の増殖を防ぎます。
豚肉料理を適切な温度で保存し、食べる前には十分に再加熱します。
総合的な予防策
豚肉による食中毒を防ぐためには、以下のポイントに注意することが重要です。
●十分な加熱
豚肉は中心部までしっかりと加熱しましょう。特に内臓肉やひき肉は注意が必要です。
●交差汚染の防止
生肉を取り扱った後は、手や調理器具をしっかりと洗浄します。他の食品と分けて保存し調理します。
●適切な保存方法
調理後は速やかに冷蔵保存し、再加熱する際には十分に加熱します。
●新鮮な肉の使用
消費期限内の新鮮な豚肉を使用し、早めに調理・消費します。
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豚肉の消費期限を延ばせる上手な保存方法
スーパーなどで購入した豚肉も、当日調理に使わない場合や余ってしまった場合は、冷蔵庫の「チルド室」で保存するのがおすすめです。
チルド室は凍りきらない低温のスペースなので、加工食品をはじめ消費期限(日持ち)が短い食品全般の保存に適しています。
さらに、お買い得商品でまとめ買いした豚肉であれば冷凍保存で長持ちさせましょう。
豚肉を冷蔵庫のチルド室で保存する方法
➀水気を拭取る
豚肉をパックから取り出し、ペーパータオルで水気を拭き取ります。
➁ラップで包む
空気が入らないようにラップに包み、ジップロックなど保存袋や保存容器に入れます。
➂チルド室で保存
チルド室で保存することで、消費期限より2日~4日長持ちします。
豚肉を冷凍保存する方法
お買い得品の豚肉も上手に冷凍保存すれば、1ヶ月ほどならおいしく食べることができます。
➀小分けにしてラップ
挽き肉や薄切り肉は1回分ずつ小分けにしてラップします。
厚切り肉は1枚ずつラップします。
➁保存袋に入れる
ラップした豚肉を保存袋や保存容器に入れ、平らにします。
➂急速冷凍
アルミやステンレスのトレイの上に置いて冷凍庫に入れると、急速冷凍ができます。
このように、賞味期限切れになりそうな豚肉も冷凍保存することで、1ヶ月間ほどならおいしく食べることができます。
とはいえ、冷凍期間が長くなると冷凍焼けや臭い移りなどで味が損なわれてきますので、なるべく早めに食べるようにしたいですね。
また冷凍する前に冷凍保存する際、時間に余裕があるならば、調味料で下味をつけてから冷凍したり、とんかつやフライにする予定があるなら、パン粉までつけた状態までして冷凍しておくことは、解凍せずにそのまま揚げられるので調理の「時短」にも役立ちます。
冷凍保存した豚肉の解凍方法
冷凍保存した豚肉を解凍する主な方法は、
・電子レンジで時短解凍
・冷蔵庫でゆっくり解凍
●流水解凍
短時間で解凍できますが、ドリップが少し出ます。
●電子レンジで時短解凍
短時間で解凍したい場合は電子レンジが一番なのですが、ドリップの量も多く、肉の旨味やたんぱく質など栄養素が逃げてしまうデメリットも大きくなります。
●冷蔵庫でゆっくり解凍
最もおすすめの方法で、ドリップが少なく、肉の旨味を保ちながら解凍できます。
まとめ
今回は「豚肉の消費期限切れはいつまで食べられる?1日~2日は大丈夫?見分け方と保存方法」をお題に進めてきました。
豚肉は使い勝手がいいので、スーパーで特売になっていたら多めに買っておきたい食材です。上手に保存しながら使えば食費の節約にもつながりますものね。
豚肉のパックに表示されている賞味期限や消費期限は、あくまで食品メーカーが設定した目安です。冷凍など上手に保存することで、消費期限を過ぎても1か月ほどはおいしく食べることができます。
記事の中で紹介した「消費期限切れの豚肉が食べられるかの見分け方」も参考に、豚肉を賢く安全に、おいしく食べて下さればればと思います。
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