日本ならではの食文化といえるお刺身やお寿司。
昔から「ハレの日」の御馳走はお刺身でしたし、いまや大人気の回転寿司チェーン店は、土日ともなれば家族連れで満席状態です。
とはいえ、お刺身はもちろん、お寿司のネタも生の魚介類が多いもの。
ちいさなお子さんに生の魚を食べさせることに不安を覚えたり、「お刺身は何歳から食べさせられるの?」と悩むパパ・ママも多いのではないでしょうか。
今回は、お刺身は何歳から食べさせられるのか、お刺身の種類ごとに食べても大丈夫な年齢、注意点について紹介していきます。
お子さんと一緒に家族そろって、早く回転寿司デビューしたいですものね。
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お刺身や生の魚は何歳から食べさせられる?
お刺身は何歳から食べさせて大丈夫なのか、お刺身を食べさせられる年齢の目安から見ていきましょう。
お刺身は離乳食期以降も控えるのが無難
お子さんが離乳食期を終える1歳ころになると、大人と同じ物が少しづつ食べられるようになることから、美味しいお刺身も食べさせてあげたいと思われるパパ・ママもいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、お刺身は魚や貝類を生で食べるものですから、アレルギーや寄生虫、細菌の感染など心配が尽きません。
小さなお子さんが食中毒になれば、大人より重症化するリスクが大きいのは明らかですから、たとえ新鮮なお刺身であっても離乳食期を終えた1歳~2歳の段階で食べさせるのは避けておくのが無難でしょう。
「もう1歳だから大丈夫」など、けして魚や貝類などお刺身のリスクを楽観視しないようにしましょう。
お刺身を食べさせられる目安は3歳以降
子供の消化器官が大人と同じように働きはじめるのは、およそ8歳~10歳頃といわれます。
とはいえ、お刺身やお寿司は日本ならではの食文化ですから、10歳頃になるまで食べさせることを避け続けるのは少々窮屈かもしれませんね。
桃の節句(ひな祭り)の御馳走にちらし寿司があげられるように、家族や親戚が集まるハレの日にはお刺身やお寿司が振舞われることも多いでしょう。
お刺身の種類や食べ方に注意しながら、3歳以降を目安に少しづつ食べさせてもいいのではないでしょうか。
お刺身を小さい子供に食べさせない方がいい理由
小さいお子さんに、早い段階から魚や貝類のお刺身を食べさせない方がいい理由としては、先に紹介したアレルギーや寄生虫、細菌の感染による食中毒の心配の他、喉に詰まるリスクや塩分が多いことなどがあげられます。
食中毒の心配
生の魚や貝類には、海水中に存在する腸内ビブリオ菌を原因とする食中毒や、アニサキスなど寄生虫による食中毒の心配があります。
小さな子供は大人と比べて抵抗力が弱いので、ひとたび食中毒に罹ると重症化しやすく命の危険性も否めません。
筆者もアニサキス食中毒の経験がありますが、その腹痛は大人でも七転八倒するほど我慢できないものです。
お子さんにお刺身を食べさせるのは、ある程度体力がつく3歳頃から、かつ元気なときに限定しておくといいでしょう。
嚙み切れず喉に詰まらせる心配
お刺身の種類では、イカやタコ、アワビなどの貝類は硬いのでうまく噛み切れずに、無理に飲み込めば喉に詰まらせる原因になり、食べ物をよく噛まずに丸飲みしてしまう癖がついてしまうことにも繋がります。
しっかりと咀嚼して食べる習慣をつけさせるために、子供の年齢に合わせた軟らかさ(硬さ)のお刺身を食べさせるようにしましょう。
塩分を摂りすぎる心配
お子さんが好きなイクラやタラコなど魚卵類や、お刺身に醤油をつけて食べることは塩分の摂りすぎが心配です。
日本人の食事摂取基準に照らし合わせると、1歳~2歳の子供の塩分摂取量の目安は1日およそ3gとされます。
たとえば、回転寿司のイクラの軍艦1皿(2貫)の塩分量はおよそ1gなので、醤油をつけて食べると1皿(2貫)で目安の3gを超えてしまうことも。
小さい子供の頃から塩味の強い味を好むようになると、後々生活習慣病にもつながります。
お子さんにお刺身を食べさせるときは、種類ごとの塩分量にも注意が必要です。
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お刺身デビュー!何から食べさせる?
お刺身を食べさせられる目安となる3歳以降、お刺身デビューはどんな感じで進めていくのがいいのでしょう。
お刺身デビューは3歳以降に白身魚から
離乳食期の後半に魚を取り入れるときの順番と同じく、お刺身デビューもまずは、鯛やカレイ、ヒラメなどの白身魚からはじめるのが無難です。
白身魚は比較的アレルギーが起きにくい種類なので、白身魚のお刺身を食べさせて大丈夫だったら、徐々にマグロやカツオ、サーモンなど赤身魚に進みましょう。
青魚のお刺身デビューは8歳頃まで待つのが無難
白身魚から赤身魚へと進めていくお刺身も、サバなどの青魚については、蕁麻疹を起こす心配があるので幼児期に無理に食べさせない方が無難です。
青魚のお刺身デビューは、8歳頃まで待ってもけして遅くないでしょう。
とくに食物アレルギーがない大人でも、体調が悪かったり疲れているときにサバを食べると蕁麻疹が出てしまうことがあるように、青魚のお刺身を食べるのは、お子さんの体調がいいときを選ぶようにしましょう。
貝類はNG!
二枚貝は「貝毒」と呼ばれる自然毒を持っていて、強い食中毒の原因になることに加えて噛み切りにくいので、小さなお子さんに積極的に食べさせる必要はありません。
とくに牡蠣は新鮮なものでも、ノロウイルスやビブリオ菌が付着していれば激しい食中毒になるリスクが伴うもの。
生牡蠣にいたっては、大人になってから自己責任で食べるものというスタンスでいいと思います。
エビやカニなど甲殻類はアレルギーチェックを!
エビやカニなど甲殻類のお刺身は、お正月などハレの日に食べることが多くお子さんにも大人気ですが、アレルギーが心配の食材です。
乳児期のアレルギーTOP3は卵・乳製品・小麦ですが、甲殻類を食べはじめる幼児期後半になると甲殻類がTOP3に入ってきます。
エビやカニなど甲殻類アレルギーの症状は、蕁麻疹や呼吸困難、まぶたの腫れ、喉の痒みなどさまざまですが、重症なアナフィラキシーショックを起こす割合も他の食品と比較して高いので心配です。
食べさせる前にアレルギーチェックをしておくと安心です。掛かりつけの小児科で簡単に検査してもらえますよ。
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子供にお刺身を初めて食べさせるときの注意点!
小さなお子さんに初めてお刺身を食べさせるときには、いくつかの注意点があります。
お刺身デビューの参考にしてみてください。
はじめは少しづつ体調のいい日に!
初めてお刺身を食べさせるときは、アレルギーの有無を確認するためにも、少しづつ一口サイズまでにしておきましょう。
まだ消化器官が発達していない幼児は、一度に沢山のお刺身を食べると消化不良で下痢や嘔吐などを引き起こすことがあるからです。
お刺身など生ものは、大人でもカラダが疲れて元気がないときは免疫力が低下して食中毒に罹るリスクが高まるように、とくに子供は免疫力が低いので、お刺身は体調がいい日を選んで食べさせるようにしましょう。
風邪をひいていたりお腹の調子が悪いときは、もしもお子さんが欲しがっても食べさせるべきではありません。
新鮮なお刺身を!
鮮魚店やスーパーで買ったお刺身は、賞味期限の表示がなくてもその日のうちに食べることが原則です。
お刺身の種類によっては、数日食べられるものもありますが食中毒などのリスクもあります。お子さんに食べさせるお刺身は新鮮なものに限定すべきです。
平日の昼間、病院が開いている時間がベスト!
はじめてお子さんにお刺身を食べさせるときは、時間的に可能であれば「平日の昼間」が最適です。
お刺身を食べたことで、下痢や嘔吐、蕁麻疹などの体調不良が起こってしまった場合でも、すぐに病院に行くことができます。
また、お刺身を食べたことでアレルギー症状が出てしまったときに、その原因物質が特定しやすいように、食べさせる種類は一種類づつ増やしていくといいでしょう。
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回転寿司デビューは何歳から?
ハレてお子さんと回転寿司デビューとなるのは、ご自宅で白身魚からはじめ、赤身魚も含めて何度かお刺身を食べても大丈夫なことを確認してからが安心です。
お刺身を食べさせられる3歳以降が、回転すしデビューの1つの目安になるかと思います。
生の寿司ネタなら、やはり白身魚からはじめて、徐々に赤身魚などへと、年齢によって少しづつ増やしていくと安心です。
最初はお寿司の数は少なめにして、茶わん蒸しやうどんなどサイドメニューでお腹を満たすようなスタイルがいいのではないでしょうか。
テイクアウトしたお寿司も、消費期限にも気をつけてくださいね。
まとめ
今回は「お刺身は何歳から食べさせられる?」をメインテーマに紹介してきました。
日本ならでの食文化であるお刺身は、昔から「ハレの日」の御馳走ですし、大人気の回転寿司チェーン店は土日ともなれば家族連れで一杯です。
しかし、お子さんにはじめてお刺身やお寿司など生ものを食べさせるのは、お腹を下したり蕁麻疹などアレルギー症状がでたりするのではと心配ですよね。
お刺身を食べさせられるのは3歳以降と紹介しましたが、あくまで一般的な目安であり、当然お子さんの成長や体調、体質によって違ってきます。
・何から食べさせる
・食べさせるときの注意点
なども参考に、離乳食期を終えたから大丈夫、3歳だから大丈夫ではなく、お子さんへはお刺身は少しづつ、体調・体質を見極めながら食べさえるようにしてください。
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