江戸時代末期の頃、夏に鰻がなかなか売れない鰻屋さんのお悩み相談を受けた万能学者・平賀源内は、土用の丑の日には夏バテ予防で「うのつく食べ物」を食べられてきた、昔から受け継がれる庶民の風習に着目。
本日 土用の丑の日!
なる貼り紙(現代でいうポスター)を鰻屋さんの店先に貼ってみたら、大盛況のホームラン!。それが、現代も土用の丑の日に鰻を食べることが定着した由来とされます。
今年は価格の高騰も一息ついたとはいえ、鰻専門店はややハードルが高い。そこで、比較的にお手頃価格で手に入るスーパーの鰻の蒲焼きを、自宅で楽しまれる方も多いのではないでしょうか。
スーパーの鰻の蒲焼きも温め方1つで、ふっくらとした鰻専門店の味わいに近づけ楽しむことができます。
手順も簡単、是非お試しください!。
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スーパーの鰻の蒲焼きの選び方!
スーパーの鰻の蒲焼きをご家庭で美味しく味わうために、まずは鰻の蒲焼きの選び方(見分け方)から見ていきましょう。
幅が太い鰻を選ぶ
スーパーの鰻の蒲焼きもよく見てみると、長さや太さもまちまちです。一見して長い鰻からはボリューム感を得られますが、ここはスーパー、重さ換算で値付けされています。
同じような重量で長く見えるということは、太っていないことの裏返し。
短く見えても、より幅が太い鰻を選ぶようにしましょう。栄養状態がよく成長した、美味しい鰻に当たりやすいです。
平べったい鰻を選ぶ
鰻の食感の好みは、人それぞれ違うものの、大抵の方は「ふっくらした食感」を求めていらっしゃるでしょう。
スーパーの鰻の蒲焼きを選ぶとき、身の中央が盛り上がって肉厚なものを選びがちですが、その食感はイメージとは異なり、まるでゴムのように硬くて残念な思いをされた方も多いのではないでしょうか?。
鰻の蒲焼きが硬くなる原因の1つに、皮の硬さがあげられます。
スーパーの鰻は専門店の焼き方とは異なり、同じ火力でどれも一律に焼かれています。皮が硬い鰻を焼くと、皮が縮み丸まることで身の中央が厚くなっているように見えるようになってしまうのです。
身が厚く、ふっくらしているように見えた鰻が逆に硬い食感だった理由はここにあります。
ふっくらした鰻の蒲焼きを求めるなら、見た目に反し、平べったい鰻を選ぶようにしましょう。
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スーパーの鰻の蒲焼きは余分なタレや焦げを一度洗い流す!
スーパーで買う鰻の蒲焼きって、タレがたっぷりかかっていて、食べてもタレの味しかしないことが多くありませんか?。
冷凍保存された状態で流通するスーパーの鰻の蒲焼きは、あえて粘度の高いタレをたっぷりかけコーティングされています。
温める前の下準備として、まずは、蒲焼きにかけられているこの余分なタレや焦げ目を落としてしまうことが、鰻本来の味わいを楽しむことに繋がります。
下準備➀:蒲焼きに熱湯を回しかけ洗い流す!
スーパーの鰻の蒲焼きをパックからキッチンバットやお皿に取り出して、身側・皮側両面に熱湯を回しかけて余分なタレや焦げ目を洗い流してしまいましょう。
身が崩れないように、水道水をかけながら両面を洗い流す方法でもOKです。
いずれも、洗い流したあとは蒲焼きをキッチンペーパーで挟むようにして水気を取っておきましょう。
下準備➁:お好みの蒲焼きのタレを作る!
下準備で余分なタレを洗い流しています。スーパーの鰻の蒲焼きにはおよそパックにタレが付属していますが、下準備で余分なタレを洗い流しているので、お好みで追加のタレを作っておきましょう。
鰻の蒲焼きのタレ材料(2人前)
醤油 :大さじ3
みりん:大さじ3
料理酒:大さじ1.5
砂糖 :大さじ1.5
材料を混ぜ合わせ、小さめのフライパンで中火で煮詰めます。
ふつふつとしてきたら弱火にして、焦げつかないように木べらでかき混ぜながら、半分量になるくらいに煮詰めれば完成。
是非、鰻の蒲焼きのパックに付属したタレも加えましょう。うなぎから抽出されたエキスが入っていることもあるので、より深い味わいのタレになります。
砂糖をザラメや三温糖にすると、コクがでます。
お好みのタレをハケを使って塗る
一度タレを洗い流した鰻に、お好みで作った蒲焼きのタレやパックに付属されたタレを塗り直します。
タレを塗り直すときのコツは、ハケを使うこと。
ハケは、ダイソーやセリアなど100均ショップで売っているもので十分。少し面倒でも、ハケを使って塗ると、タレが身の細かい部分まで染み込ませることができるのです。
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関東と関西の鰻の焼き方の違い
スーパーの鰻の蒲焼きも、温め方1つで食感や香ばしさに違いが表れます。
関東と関西など地域によって求める味わいの違いは、温め方の違い・選び方に大きく関係してきます。
鰻の蒲焼きの焼き方で、関東風と関西風の最たる違いは、仕上げの焼きの前に鰻を蒸す工程があるかないかにあります。
関東風の鰻は蒸してから焼く
関東風の鰻の蒲焼きの特徴は、素焼きにしたあと一度蒸し工程がある点があげられます。
鰻を一度素焼きにしたあと、ふっくら軟らかく蒸しあげておく。いざお客様から注文が入ったら、タレを塗ってさっと焼けば出来上がりという仕上げ方。
その昔、気の短い江戸っ子相手にはぴったりの調理スタイルで、素焼や蒸しで火がしっかり入っているので、タレを塗った仕上げでも余計な焦げ目がつかずに焼き上がります。
蒸すことで身がふっくらするので、心なしか鰻が大きく見えるという点は、江戸時代の見栄っ張りな武家社会にも好まれたといわれています。
関東風の鰻の蒲焼き
蒸し工程が入ることで、ふっくらとした食感が楽しめる。
関西風の鰻は蒸さない
関東風の鰻の蒲焼きは、素焼きのあとに蒸し工程があるのに対し、関西風の鰻の蒲焼きはうなぎを開いたら、ダイレクトに焼き上げことで、皮目がパリっとした食感を楽しめます。
また関西では、うな丼(鰻丼)を「まむし」とも呼ばれ、その語源はごはんで挟むよう鰻を蒸す意味の「まんまむし」にあるといわれ、単に鰻にごはんをまぶすことが転じて「まむし」となったという説もあります。
実際、関西のうな丼はごはんの間に鰻が入るスタイルもよく見られます。
関西風の鰻の蒲焼き
蒸し工程を入れずに焼き上げることで、皮目がパリっとした食感を楽しめます。
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スーパーの鰻の蒲焼きの美味しい温め方!
スーパーの鰻の蒲焼きの温め方の下準備として、蒲焼きにかけられた余分なタレや焦げ目を洗い流したなら、いざ鰻の美味しい温め方のコツを見ていきましょう。使う道具は、フライパン・魚焼きグリル・電子レンジの3択です。
どれも簡単な温め方ですが、料理酒を振って蒸し焼きにして、ふっくらやパリっとした食感などお好みの鰻の蒲焼きに仕上げます。
鰻をフライパンでふっくらと温めるコツ!
油を薄く引いたフライパンへ鰻を皮面を下にするように入れ、全体に料理酒を振ってから蓋をし、中弱火で3~5分蒸し焼きにします。
ふっくらと香ばしい、関東風の美味しい鰻の蒲焼きに仕上がります。
関西風にパリっとした食感に仕上げるなら、身の方を下にして入れ、全体に料理酒を振ってから焼いていき、香ばしく焼けたら裏返して皮面を焼いていきます。
フライパンに蓋はしません。
表面はさっくりと香ばしく、身もふわっと仕上がります。
鰻を魚焼きグリルで温めるコツ
魚焼きグリルもトースターも、およそ温め方の基本は一緒です。
魚焼きグリルやトースターのトレイにのる大きさに鰻をカットします。
油を薄く引いたアルミホイルに鰻をのせ、料理酒を振って包みます。魚焼きグリルに入れ3~4分加熱すれば、とろとろ・ふわふわな身に仕上がります。
料理酒を振ったあと、アルミホイルで鰻を覆うように包んで温めれば関東風に。包まずアルミホイルの上で温めれば関西風に仕上がります。
鰻を電子レンジで温めるコツ
さくさくした食感や香ばしさを再現するのは難しいですが、鰻の蒲焼きの温め方として一番簡単なのは、電子レンジを使う温め方。
クッキングシートに鰻の皮面を下にしてのせ、料理酒を振りかけて包みます。お皿に鰻をのせてラップをふんわり掛けて温めるスタイルもOKです。
電子レンジで温める場合、鰻の蒲焼き1尾につき500Wで1分ほどで十分。電子レンジで長い時間温めてしまうと、鰻の脂が抜けて味が落ちてしまいます。
鰻を電子レンジで温める場合、温めすぎには注意です。
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スーパーの鰻の蒲焼きも薬味でさらに美味しく味変!
スーパーの鰻の蒲焼きの選び方と、上手な温め方を参考に温め直した鰻を白いご飯にのせれば、美味しい鰻丼(うな丼)のでき上り。
このままでも十分美味しい鰻丼(うな丼)ではありますが、さらに薬味を加えて美味しく、味の変化を楽しみましょう。
鰻には山椒
一般的に、鰻の薬味といえば山椒。スーパーの鰻の蒲焼にも、パックにタレと山椒も一緒に付いていることでしょう。
おすすめは、香辛料で有名なGABAN(ギャバン)の「グルメミル 高知県産・仁淀川山椒入り」。
新鮮な苦みと刺すような強烈な山椒の風味が、鰻だけでなく、麻婆豆腐やサラダ、煮魚や煮物などをもさらに美味しくしてくれます。
ポイントは、鰻の上ではなく、鰻とご飯の間に振りかけること。
ご飯に山椒をかけた上に鰻を盛り付けることで、鰻本来の風味を損なわず味わいを楽しむことができます。
鰻だけではなく、麻婆豆腐やサラダ、煮魚・煮物なども香りと美味しさがアップしますよ!。
鰻と山葵(わさび)の相性も抜群
鰻の薬味として、山椒に次ぐものといえば山葵(わさび)でしょう。
一般的に、鰻の白焼きには山葵(わさび)が合うとされますが、こってりとした鰻の蒲焼きとの相性も抜群です。
清涼感のある辛さの山葵(わさび)でさっぱりといただけますし、鰻の臭みが苦手な方は山椒より山葵(わさび)の方がおすすめです。
まとめ
今回は「スーパーの鰻の蒲焼きを専門店の味わいに!美味しく食べられる温め方とは?」をお題に、まずは、スーパーの鰻の蒲焼きの選び方や、温める前の下準備として、余分なタレや焦げを一度洗い流すことから紹介しました。
ふっくら感を求めて身が厚い鰻は厚い皮が縮こまって硬いケースも多く、幅広の身で平べったい鰻を選ぶ方がいいとのこと。
また、関東と関西では鰻の焼き方に違いがありますが、お好みの食感に合わせた美味しい温め方、おすすめの薬味なども参考に、是非お手頃価格のスーパーの鰻の蒲焼きをお楽しみください。
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