ことわざ(諺)の中でも数多ある「〇〇は嫁に食わすな」シリーズ。おそらく最も有名なのが「秋茄子は嫁に食わすな」ではないでしょうか。
果肉が引き締まった秋茄子は、旨味がぎゅっと詰まってとても美味しい。
チーズとの相性は抜群で、茄子はイタリアンには欠かせない食材でもあります。
ことわざ「秋茄子は嫁に食わすな」の意味を問われたら、秋茄子は美味しいからこそ「嫁に食べさせてはもったいない!」という、昔の日本にありがちな、お姑さんの意地悪「嫁いびり」だろうと思われるのが普通。
しかし「秋茄子は嫁に食わすな」その由来を辿ると、逆に「お嫁さんを気遣う」意味から生まれたことわざという説にも、「なるほど」と頷けるものがあります。
また、秋茄子が一番美味しい「旬の時期」とはいつ頃でしょう。
秋茄子とはいいますが、本当に秋なのでしょうか。
スポンサーリンク
「秋茄子は嫁に食わすな」ことわざの由来となる3つの説!
和・洋・中、どんな料理にも茄子は欠かすことができない食材です。チーズとの相性も抜群なので、もちろん私が好きなイタリアンでも。
なかでも、果肉が引き締まり旨味がぎゅっと詰まった秋茄子は最高です。
「秋茄子は嫁に食わすな」の意味として、「嫁に食べさせてはもったいない!」を言い表したものとする説が最有力ではあります。
現代的には、○○ハラスメントで訴えられてしまいそうですが(苦笑)。
「秋茄子は嫁に食わすな」には、逆に「お嫁さんを気遣う」がゆえの説や、「悪い縁起を払拭する」ためのゲン担ぎ的な意味を含んだ説などがあるので、気持ちが救われたりもします。
みなさんは、どの説がお好みですか?。
お姑さんの意地悪「嫁いびり」説!?
おそらく多くの方が抱く、ことわざ「秋茄子は嫁に食わすな」のイメージはこれでしょう。
姑さんの意地悪「嫁いびり」
私自身も正直、その他の説は「後付け」で、真の由来は嫁に食べさせてはもったいないという姑の意地悪「嫁いびり」だったのだろうと思っています。
なぜなら、秋茄子以外にも数多ある「○○は嫁に食わすな」ということわざは、どれも旬の時期に美味しいものばかりですもの。
秋茄子は夜目に食わすな!
「秋茄子は夜目に食わすな」
実はこれが、「秋茄子は嫁に食わすな」の元となったことわざ(諺)ともいわれています。
「夜目」とはネズミのことで、その昔「嫁」を表す隠語として使われていました。
たとえば
鎌倉時代の和歌集「夫木和歌抄」にある、「秋なすび わささの粕につきまぜてよめにはくれじ 棚におくとも」が、ことわざ「秋茄子は嫁に食わすな」の語源ともいわれます。
「わささ」とは若酒と書き「新酒」のことで、酒粕に漬けた秋茄子を美味しくなるまで棚に置くのはいいが、「夜目(ネズミ=嫁)に食べられないように注意しろ!」という意味が含まれているのではないかとされています。
ならば、やっぱり「姑の嫁いびり」なのでしょうか?。
お嫁さんだって、美味しい秋茄子食べたいでしょうに。
私が夜な夜な冷蔵庫をあさっては、小腹を満たすものを物色するのと一緒ですよ(笑)。
スポンサーリンク
秋茄子はカラダを冷やす説!?
秋茄子だけではありません。「夏野菜」と称される野菜の多くは水分やカリウムが多く含まれ、その「利尿作用」からカラダを冷やすとされています。
暑い夏を涼しく過ごす上でカラダに嬉しい作用も、出産を控えるお嫁さんに冷えは禁物。
美味しい秋茄子を例にとり、夏野菜がカラダに障ってはいけないとの思いが「秋茄子は嫁に食わすな」の由来だったなら、お嫁さん思いの素晴らしいことわざですね!。
もう少し優しい表現だったら、なお良かったんでしょうけど。
秋茄子を食べると「子宝に恵まれない」という説!?
秋茄子の特徴の1つに、普通の茄子と比べて「種が少ない」ことがあげられ、「種が少ない=子宝に恵まれない」という悪い縁起を払拭する意味から「秋茄子は嫁に食わすな」となったとう説。
でも「種」にこだわるなら、お嫁さんじゃなくて旦那さん、つまりお姑さんの「息子さん」の問題だろうとは思いますが。
なんでも「お嫁さんに原因」を求める。昔の日本は、そう時代だったのでしょう。
ことわざ「秋茄子は嫁に食わすな」の由来となる3つの説を紹介してきましたが、如何でしたでしょうか。
お姑さんの意地悪「嫁いびり」以外の説の、一見お嫁さんのカラダを気遣ったり、子孫繁栄を願っての意味をもつ説。
どれが本当の意味だとしても、「嫁に食わせるな」とは言い方が厳しいんじゃ?と感じてしまいます。
きっとお嫁さんのいない所で、お姑さんが息子さんに言ったことわざだったのではないでしょうね。
スポンサーリンク
秋茄子が美味しい旬の時期は?
まずメインテーマである、ことわざ「秋茄子は嫁に食わすな」の意味について見てきましたが、「秋茄子とは」何なのか、もう少し探ってみたいと思います。
例えば、夏野菜の普通の茄子と秋茄子の違いや、秋茄子が美味しい旬の時期など。
秋茄子と普通の茄子の違い!
「秋茄子」と呼ばれていますが、とくべつ普通の茄子と「品種」に違いはなく、秋茄子と普通の茄子は同じ品種の茄子です。
というのも、秋茄子も普通の茄子と同じ株から収穫される茄子なんです。
夏野菜の代表格でもある普通の茄子は、水分が多くみずみずしいのが特徴で、実をつける7月頃に旬を迎えます。
一方の秋茄子とは、先に収穫された普通の茄子の株が、もう一度花を開き実がついたもの。
つまり、1つの茄子の株から、2回目に収穫された茄子こそが「秋茄子」だったのです。
秋茄子が美味しい旬の時期とは?
秋茄子が美味しくなる「旬の時期」とはいつ頃でしょう?。
「秋」とつくので、秋が旬であろうと思われると思いますが、ここに「旧暦と新暦」の違いが絡んできます。
旧暦の秋とは、現在の8月下旬~9月頃を指します。
近年の季節感からすると、まだまだ「暑さが残る」夏の終盤戦のような時期こそが、秋茄子が美味しい旬の時期なんです。
普通の茄子は、7月~8月に実をつけ収穫されます。一度収穫された茄子の株に、およそ1ヶ月~1ヶ月半をかけて「秋茄子」と呼ばれる大きな実をもう一度実らせるのです。
まとめ
今回は、数多の「○○は嫁に食わすな」のことわざ(諺)の中で最も有名であろう「秋茄子は嫁に食わすな」について、本当の意味を由来から探ってきました。
やはり最有力は、美味しい秋茄子を「嫁に食べさせてはもったいない」とするお姑さんの意地悪、お嫁さんいびりという説。
そこに、お嫁さんのカラダを思っての意味、悪い縁起を払拭する意味が由来に加わることは救いです。
厳しいたとえも、優しさの裏返しであって欲しいなと思いますね。
いずれにしても、今の時代に「秋茄子は嫁に食わすな」なんてお姑さんの言葉がお嫁さんの耳に入ったなら。
嗚呼、おぞましい・おぞましい(苦笑)。
スポンサーリンク