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卵焼きは甘い派?しょっぱい派?卵焼きとだし巻き卵との違いは?

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卵焼き

卵焼きは、毎日の食事やお弁当のおかず、はては「お酒の肴」にも人気の一品。

子供から大人まで大人気な「卵焼き」は、まさに日本人のソウルフードといえますよね。

ところで、一口に「卵焼き」といってもその味付けは色々で、私的には大きく「3つ」に分かれると考えています。

・甘い味付けの卵焼きを好む「甘い派」
・しょっぱい味付けを好む「しょっぱい派」
・出汁が入ったのを好む「だし巻き卵派」

今回は、今どきの日本人の「卵焼きの味付け」について、甘い派・しょっぱい派・だし巻き卵派の割合、さらに、卵焼きとだし巻き卵の違いなどを探っていきたいと思います。

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日本の卵焼きの歴史!

鶏はおよそ2000年前に朝鮮半島から日本に渡ってきたようですが、その当時に鶏の卵を食べたような記録はありません。

西暦675年には当時の天武天皇から、「人間も動物も平等」とする仏教の戒律を理由に、牛・馬・犬・猿と合わせ、鶏についても食べることの禁止令が出されています。

鶏の卵までは禁止令に含まれていなかったのですが、「食べると恐ろしい報いを受ける」という因果応報の考えや、「神の使い」として崇められたことで、いわば禁断の果実ならぬ「禁断の卵」だったわけです。

このように日本では長らく、鶏だけでなく卵でさえも食べることを避けてきた歴史があります。

私たち日本人が、その卵を「卵焼き」として食べるようになったのは、じつに江戸時代頃になってから。

ポルトガルなど南蛮由来の菓子に、罪の意識もなく卵が使われている姿を見て「食べても大丈夫なんだ!?」と思うようになったのが、きっかけのようです。

江戸の町には「たまご売り」なる商いも現れます。とはいえ、当時の卵は大変高価なものであり、まだまだ庶民が口にするのは難しく、卵は「特別な栄養食」でした。

江戸時代に広く飼育された鶏は「尾長鶏」など17品種で、その卵は茶色の卵殻です。

明治時代に欧米から白い卵殻の卵を産む「卵肉兼用鶏」の品種が輸入されると、徐々に「採卵用鶏」の利用が盛んになるにつれ、大正時代にはオムレツなどの洋風料理が広まっていきます。

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昭和の時代、鶏卵が量産され安全・安価な食品となるにつれ、いよいよ「卵焼き」は子供~大人まで、庶民の食卓のおかずの人気の一品となっていっていきます。

一方「だし巻き卵」とはいうと、意外にも明治時代には既に販売されていたという記事があります。

たしかに、現在「だし巻き卵」を販売するお店も「明治創業」を看板にうたっていることが多いことから、「だし巻き卵」は江戸時代末期~明治時代に生まれた卵料理といえるでしょう。

 

卵焼きは甘い派?しょっぱい派? 友人18人に聞いてみた!

「卵焼きは甘い派?しょっぱい派?」

私が通う体操教室の14人と古くからの友人4人、あわせて18人に聞いてみた結果は以下のとおり。

・甘い派   :15人
・しょっぱい派: 2人
・甘い派+だし巻き卵派:14人

なんだか数字が合いませんが、「甘い派」と答えた15人のほとんどから、

子供のころは甘い派だったけど、大人になってだし巻き卵の美味しさを知り、両方のいいとこ取りの味付けが好きになった。

というお話でした。

ちなみに、私の住まいは「関東」です。

 

全国調査でも「卵焼きは甘い」が多数派!

「卵焼きは甘い派?しょっぱい派?」

同様に、全国調査した有名サイトの結果を見ていきましょう。

 

全体的には「卵焼きは甘い派」が多い!

まず紹介するのが、@niftyニュース編集部が行った「たまご焼きの味つけが、甘い派かしょっぱい派」についての調査結果。

全体的に卵焼きの味付けは、

・甘い派   :54.3%
・しょっぱい派:36.5%

地域ごとに仕分けると、関東地区では全体的な結果同様に「甘い派」が圧倒的に多いのに対し、関西地区では甘い派が42.1%、しょっぱい派が47.1%と、しょっぱい派が多いという結果となります。

参照:@niftyニュース編集部

 

関西エリアでは「しょっぱい派」が優勢!

また、携帯会社「ドコモ」が運営するアンケートサイト「みんなの声」で実施された調査でも、好きな卵焼きのアンケートで1位になったのは「甘い派」で全体の45%でした。

この結果は、およそ年代別や男女別で分けても変わりません。

しかし地域別に分けてみると、大阪・京都・奈良・兵庫・和歌山といった関西エリアの一部では、やはり「しょっぱい派」が1位になっています。

「しょっぱい派」とはいえ、関西エリアの方々からすれば、それは「塩味」ではなく「甘くない」ものであり、卵焼きは「出汁が利いてこそ」のものなわけです。

唯一沖縄県だけは、卵焼きの味付けは「塩だけ」が1位という結果になっています。

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関西圏の卵焼きは出汁を入れるのが主流!

卵焼きは、全国的に見れば「甘い派」が多いものの、しょっぱい派も負けてはいません。

沖縄県の卵焼きは塩だけで味付けされるようですが、先の2つの全国調査からも、関西圏(西日本)での卵焼きは「しょっぱい派」が多いという結果になっています。

とはいえ、関西圏の卵焼きの味付けは、しょっぱいだけでなく「出汁を入れる」というのがポイント。

この、出汁を入れてしょっぱ目にという味付けは、単に「しょっぱい」というわけでなく、出汁が利いた深い味わい。

そう、これこそが「だし巻き卵」であり、白いご飯だけでなく、お酒の肴にもバッチリ合うわけです!。

それを考えると、しょっぱい卵焼きもまったく負けてないと感じます。

 

卵を使う料理はどれも卵焼き!?

ここで、あらためて「卵焼き」って何なのか整理しておきましょう。

例えば「卵焼き」と聞いて、みなさんはどんな料理を思い浮かべますか?。

卵焼き、玉子焼き(たまごやき)は、溶いた鶏卵を食用油脂を引いた調理器具で焼き上げた日本の料理(和食)。
一般的には、四角い専用の鍋で厚みのある方形に巻き上げて整形する厚焼き卵を意味することが多い。

引用:Wikipedia|卵焼き

おそらく、卵焼きといえば「厚焼き卵」をイメージされると思うんですね。

しかし「卵焼き」というのは、卵料理全般を指すとの解釈もあるようで…

なお、地域や世代、業種などによっては、厚焼き卵と薄焼き卵の総称、あるいはもっぱら薄焼き卵を指す言葉として、また目玉焼きなども含む卵を用いた料理全般を指して「卵焼き」という表現を用いる場合もある。

引用:Wikipedia|卵焼き

まぁ、オムレツや蟹玉、目玉焼きでさえも、広い意味では「卵焼き」に含まれるというわけです。

「卵焼き」というのは、卵料理全般を指すとしても、関東・関西で甘さの違いがあるのも興味深い点。

例えば、お正月のおせち料理で定番の「伊達巻き」でさえも、卵焼きの1つだと思います。

ただし、関西の伊達巻きに比べると、関東風の伊達巻きは兎に角「甘い」

関東風の伊達巻きは、関西風のおよそ2倍の砂糖を使っているといいますから、そりゃ甘くなります。

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卵焼きとだし巻き卵の違い!

卵焼きとだし巻き卵、どちらも同じく「鶏の卵」を使った料理ですから、先のWikipediaの解説からすると、だし巻き卵も卵焼きの1つと解釈できます。

ただし、今回「卵焼きとだし巻き卵の違い」を紹介するにあたっては、多くの人が頭に浮かべるように「卵焼き=厚焼き卵」でいきましょう。

見た目も似ているので混同されがちですが、実際に卵焼きとだし巻き卵を食べ比べれば、れっきとした違いがあります。

レシピ・作り方にも違いがあるので、やはりまったく別の卵料理と思うべきかもしれません。

 

卵焼きとは?

卵焼き(厚焼き卵)は、鶏の卵を軽く溶いて、砂糖や塩、醤油などで味付けをし、「卵焼き器」と呼ばれる四角い鍋など使って、薄く焼きながら端から巻きながら筒状に形作っていきます。

卵焼き器

卵焼きの自由度は高く、味付けのバリエーションも、みりんや麺つゆ、胡椒やマヨネーズなど何でもあり。

具材にほうれん草や明太子、チーズやしらすなどを混ぜて焼いたりと、応用技が無限大に広がっていきます。

 

だし巻き卵とは?

だし巻き卵

一方、だし巻き卵は、その名のとおり、よく溶いた鶏の卵に「出汁」が加えられます。
「卵焼き器」と呼ばれる専用の四角い鍋などで、薄く巻き上げながら焼いていくのは卵焼きと一緒。

焼き上がったあとは、巻き簾で形を整えます。

加える出汁が多くなるほど、美味しくなる反面、巻いていく作業が難しくなります。

熟練した料理人が作るだし巻き卵は、とても柔らかく、箸で持ち上げると滴り落ちるほど出汁がたっぷり加えられています。

 

地域による卵焼きとだし巻き卵の違い

卵焼きとだし巻き卵の違い、先のアンケート結果からも見えるように、それは地域性による味付けの違いが表れたものといえるでしょう。

卵焼きとは、関東では一般的に「厚焼き卵」と呼ばれ、砂糖を加えた「甘い卵焼き」を指します。

一方、関西で卵焼きといえば「だし巻き卵」を指し、砂糖を加えず、出汁の旨味を利かせて焼き上げる「甘くない卵焼き」となるわけです。

そう、タイトル「卵焼きは甘い派・しょっぱい派」とは、卵焼き(厚焼き卵)における味付けを問うことになるようなんです。

なぜなら…

 

卵焼きとだし巻き卵の違いは「出汁」ではない!?

ここまで紹介した内容からも、卵焼きとだし巻き卵の違いは、「出汁」が入っている・いないと思われる人も多いと思いますが、実際のところ出汁の有無は違いの決め手になりません。

話が前後しますが、引用したWikipediaでの紹介にもあったように、「卵焼き」とは卵料理を幅広くカバーするものでしたよね。

卵焼き=厚焼き卵だとしても、味付けも入れる具も、かなり自由度が高いものです。

関東でも、卵焼き(厚焼き卵)に出汁を入れて作ることがありますが、いつもとおり砂糖を入れて甘くするのが定番です。

ホント、関東の卵焼きは「何でもあり」なんですね(苦笑)。

一方、だし巻き卵の本場「関西のだし巻き卵」は、シンプルに出汁を利かせて作るものであって、砂糖を入れてしまうとだし巻き卵とは呼ばれなくなってしまうのです。

自由度の高い「卵焼き」に対し、出汁の旨味にこだわる「だし巻き卵」といったところでしょう。

これまで、長々と寄り道しながら紹介してきましたが…

卵焼きとだし巻き卵の違いの決め手は、砂糖が入っているか・入っていないかでした。

 

だし巻き卵の巻き方が違う?大阪巻と京巻の違い!

だし巻き卵-巻き方の違い

だし巻き卵をさらに詳しく調べてみると、同じ関西エリアでも「大阪巻き」「京巻き」なる種類がある様子。

それは、卵焼き器で焼き上げる際の巻き上げ方の違い。

・卵焼き器の奥から手前に巻くのが「大阪巻き」
・卵焼き器の手前から奥に巻くのが「京巻き」

私的には、たいして違わないような気もしますけど…

それぞれ、強い思いをもって料理人がこだわる点なのでしょう。流石です!。

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卵焼き器「関東型」と「関西型」の違い!

卵焼きといえば、関東は甘い厚焼き卵、関西は甘くないだし巻き卵。

卵焼きとだし巻き卵の違いは、調理に使う「卵焼き器の形」にも表れます。

関東型の卵焼き器

関東型の卵焼き器はほぼ正方形。上の卵焼き器はおよそ15㎝角のものです。

関西型の卵焼き器

関西型は細長い長方形。上の卵焼き器はおよそ13.5㎝×18㎝角です。

 

関東型と関西型で卵焼き器の形が違う理由

卵焼き器の関東型と関西型の違いは、卵焼きと呼ぶものが、関東では「厚焼き卵」であって、関西では「だし巻き卵」という違いが影響しています。

関西の卵焼き=だし巻き卵は、出汁をたっぷり含み、ぷるぷる柔らかい食感も特徴です。

薄く焼きながら、関東風より多く何度も返しながら巻いていくので、細長い方が返しやすいのです。

ちなみに、私たち素人が厚焼き卵でもだし巻き卵でも「卵焼き」を作る場合は、細長い長方形の「関西型の卵焼き器」の方が使いやすいと思います。

 

まとめ

今回のテーマ「卵焼きは甘い派?しょっぱい派?だし巻き卵との違いは?」について、

・卵焼きは甘い派?しょっぱい派?
・卵焼きとだし巻き卵の違いは?

と大きく2つに分けて探り紹介してきました。

お弁当のおかずでは、今も昔も人気ナンバー1の卵焼きも、好きな味付けは「甘い派・しょっぱい派」にわかれます。

全国的なアンケート結果からは、卵焼きは「甘い派」が主流のようですが、それぞれの「家庭の味」が好みの基本になるのだろうと思います。

たとえば我が家の子供たちは、ママが作る砂糖たっぷりの「甘い卵焼き」が好きなようですが、成長するににつれて、いろいろな生活環境の中、家庭以外の味つけに遭遇することでしょう。

そこで「卵焼きは甘い派?しょっぱい派?」と改めて問われたなら、「基本は甘い派だったけど、だし巻き卵を食べたら嵌ってしまった」となるわけですよね。

ママとしては、ちょっと寂しいかな…。

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