梅雨空ながらも、確実に夏を実感できる日が多くなってきましたね。
そんな、暑い夏に欠かせない食べ物といえば、「スイカ」でしょう。
私などは、暑~い日にしっかり冷えたスイカを食べることに、この上ない喜びを感じるものですが…
この時期に、必ずと言っていいほど出てくる話題が「スイカとの食べ合わせ」。
みなさんも、ご両親から「スイカと〇〇の食べ合わせはダメよ」なんて、言われた覚えがある方が多いのではないでしょうか。
とはいえ、昔から言われるスイカの食べ合わせにも、「本当にダメなもの」もあれば、実は「意外と良い食べ物」もあるのでは?、なんて思いませんか。
そこで今回は、「スイカとの食べ合わせ!本当にダメなものと意外と良い食べ物!」をお題にまとめてみました。
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日本に古くから伝わる「合食禁」という考え方!
合食禁(がっしょくきん)とは、食事について古くから伝承されているものです。
これは、ある特定の食材を一緒に食べると、取り合わせが良くないことから体調が悪くなってしまうという考え方。
文字通り、「食べ合わせてはダメ」なことが伝わりますね。
よく、「食べ合わせが悪い」「食い合わせが悪い」などと言われることがありますが、まさにそのことです。
この「合食禁の掟」を破ると、胃腸などの消化活動に影響が出てくるということらしいんですね。
日本で伝えられている「合食禁」は、昔々に中国から伝えられたもの。
その考え方は、天皇に出す食事にも用いられてきたとされています。
何といっても有名なのが、江戸時代の本草学者で儒学者の「貝原益軒(かいばら えきけん)」が描いた「養生訓(ようじょうくん)」で、ここには多くの「合食禁」が書かれています。
スイカは何かと「食べ合わせ」に注意と言われますが…
この養生訓には、今では当たり前のようにスイカとの食べ合わせでダメなものとされる「スイカと天ぷら」については書かれていません。
なぜなら、天ぷらは江戸時代になってから食ベられるようになった料理だから。
つまり、このダメなもので有名な「スイカと天ぷら」の食べ合わせについては、貝原益軒以降の人々(研究者)によって、養生訓をもとに作り上げられたものなんです。
ところで、近年では栄養学面から見た「食べ合わせ」も考えられるようになってきました。
つまり、科学的な見地から、昔から伝わる「食べ合わせ」が本当にダメなものなのか?、その良し悪しにメスが入ったということです。
この情報は、個人的にもとても興味深い話だと思いました。
スイカとの食べ合わせで注意する点とは?
では、スイカを食べる時の食べ合わせで、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。
ここでは、最も有名な「スイカと天ぷら」の食べ合わせを例に考えていきたいと思います。
スイカと天ぷらは水と油?!
ご存じの様に、スイカのほとんどは水分ですよね。
一方の天ぷらは、油を吸っている食品。
食べ合わせれば、当然お腹の中では相反する「水と油」がまざった状態になります。
スイカの水分は消化に時間はかかりませんが、天ぷらの油は消化に時間がかかります。
ここで問題となるのが、スイカが持つ「カラダを冷やす作用」です。
このカラダを冷やす作用は、胃腸をも冷やしてしまいます。
冷えた胃腸は働きが悪くなってしまいますので、消化活動も悪くなる恐れがあります。
また、スイカを一度に沢山食べれば、胃液を薄めてしまうことにも繋がります。
そのため、水分が多く、食べ過ぎると消化機能を低下させてしまう恐れのあるスイカとの食べ合わせで、消化に負担の掛かる油を多く含む天ぷらは「ダメなもの」と判定が下されたのかもしれません。
スイカと天ぷらの食べ合わせは悪くはない!?
しかし、ちょっと待って欲しいのが、これまで食べ合わせで代表的な「ダメなもの」としてレッテルが張られきた「スイカと天ぷら」。
実はこの「スイカと天ぷら」を食べ合わせも、医学的に見ると「ダメなもの」とする根拠がないと言われるようになりました。
そう、昔から良くない食べ合わせとされていた「スイカと天ぷら」ですが、一緒に食べてもなんら問題はないということ。
ただ、元々胃腸が弱い人も含め、スイカが持つ「カラダを冷やす作用=胃腸を冷やす作用」も考えれば、スイカは「食べ過ぎ注意」ということでしょうか。
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スイカとの食べ合わせで本当にダメなものは?!
スカイとの食べ合わせで悪いのは「天ぷら」ではなく、本当にダメなものがもっと沢山あるんです。
ここでは、スイカとの食べ合わせで本当にダメなものとされる、代表的な6つの食べ物を見ていきましょう。
スイカとの食べ合わせがダメなもの➀ : ビール
スイカとビールは、両者ともほとんどが水分です。
どちらにも利尿作用があり、多く摂り過ぎると脱水症状を引き起こす心配があります。
また、ビールに含まれる「プリン体」の摂取と、スイカに含まれる「果糖」の過剰摂取が、尿酸値を上昇させます。
夏は、ビールもスイカも美味しい季節ではありますが、ビールを飲んだら「スイカはほどほどに」と意識して食べるようにしましょう。
スイカとの食べ合わせがダメなもの➁: コーヒー
コーヒーも、ビール同様に利尿作用がありますので注意が必要です。
とはいえ、コーヒーはビールほどガブ飲みすることも少ないでしょうから、スイカを食べる量がほどほどなら問題ありません。
スイカとの食べ合わせがダメなもの➂ : かき氷
スイカとかき氷は、どちらも「水」のかたまりです。
そう、当然食べ過ぎればご想像通り…、胃腸を壊す確率が高くなりますね。
スイカとかき氷の食べ合わせは、要注意です。
スイカとの食べ合わせがダメなもの➃ : 牛乳やアイスなど乳製品
牛乳やアイスなどの乳製品には「乳糖」が含まれていて、これをうまく分解できないことから「お腹がゴロゴロ」してしまう人がいます。
とくに牛乳を飲むとお腹がゆるくなりがちな人は、スイカと一緒に牛乳やアイスなどを食べるのは控えた方が無難です。
ゆるくなったお腹にスイカの水分を大量に入れると、より胃腸を悪くしてしまいます。
スイカとの食べ合わせがダメなもの➄ : トウモロコシ
夏の季節の訪問先で、トウモロコシとスイカが一緒に出されることってありませんか?。
どちらも夏が旬な食べ物ですので、一緒に食べることも多いかもしれませんが、トウモロコシは消化が悪い食べ物ですので注意が必要です。
とりあえず、食べ過ぎないようにいただくようにしましょう(苦笑)。
スイカとの食べ合わせがダメなもの➅ : 寒天
寒天とスイカの組み合わせは、「胃腸を冷やす」と言われています。
そのため、胃腸の働きが悪くなり体調不良になることが考えられます。
しかし、寒天とスイカの組合せも、食べ過ぎなければ大丈夫でしょう。
これら、スイカとの食べ合わせでダメなものとして紹介した中でも、とくに「かき氷・アイス・トウモロコシ」に何かピンっときませんか?。
そう、夏祭りや盆踊り、バーベキューなど夏のアウトドアレジャーで、スイカと一緒に食べることが多い食べ物なのです!。
スイカとの食べ合わせで本当にダメなもの、今年はチョッと意識してみませんか。
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スイカとの食べ合わせの良い食べ物とは?
では逆に、スイカと一緒に食べると良い食べ物ってどんなものがあるのでしょうか。
ここでは、スイカとの食べ合わせの良い食べ物を4つ、それぞれ期待できる効果を合わせて紹介します。
スイカと食べ合わせの良い食べ物➀ : バナナ・パイナップル
スイカと一緒に、パイナップルやバナナを食べると、「二日酔いの改善」に良い効果が期待できます。
スイカと食べ合わせの良い食べ物➁ : トマト・キウイフルーツ・レモン
スイカと一緒に、トマトやキウイフルーツ、レモンを一緒に食べると「高血圧や動脈硬化の予防」が期待できます。
スイカは、「果実的野菜」という曖昧な存在として扱われていますが、れっきとした夏野菜。
トマトやキウイフルーツと一緒に、夏サラダといきましょう!。
スイカと食べ合わせの良い食べ物➂ : あずき・とうがん・きゅうり
スイカと一緒に、あずきやとうがん、きゅうりを一緒に食べることで「腎臓病の予防」が期待できます。
スイカと食べ合せの良い食べ物➃ : ココナッツ・梅・メロン
スイカと一緒に、ココナッツや梅、メロンを一緒に食べると「暑気あたりや日射病など夏の不調の改善」に期待できます。
スイカとの食べ合わせを医学的に診てみると?
医師で医療ジャーナリストの森田豊氏も、「天ぷらとすいかは、貝原益軒の『養生訓』の食べ物の食べ合わせの良し悪しの発想をもとに考えられたものですが、医学的根拠のない迷信です」とおっしゃっています。
参考サイト:古来の「食べ合わせダブー」に科学的根拠なし…天ぷらとスイカ、うなぎと梅干etc.
私見ですが、いろいろな情報を見るにつれ「なるほど」と思う反面、食べ合わせに「確かな医学的根拠」は感じられませんね。
総合的にみて、「その人の体調(胃腸の強弱等を含む)によって食べ合わせの効果に変化が生じる」のではないかなと思いました。
まとめ
いろいろと「スイカの食べ合わせ」について見てきましたが、やはり何といっても、主役のスイカも食べ合わせる食べ物も「食べ過ぎない」ことが大切なのではないかと思いました(苦笑)。
夏は、特に水分の多いスイカの出番は多いです。
ついつい食べ過ぎて胃腸を壊さないように「食べ合わせる食べ物」に注意して、美味しい夏の味覚を存分に味わいたいものですね。
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