味覚の秋といいますが、イチョウの実「銀杏(ぎんなん)」も楽しみの1つ。
関東では、およそ9月~11月下旬が収穫時期で、紅葉の時期と合わせるように11月半ばがピークとなります。
風が強かった翌日にイチョウ並木を歩くと、銀杏が沢山落ちていますよね。
銀杏(ぎんなん)というと、茶碗蒸しの底にワンポイント的に入っているのがお馴染みですが、私としては、居酒屋で焼き鳥と一緒に銀杏の串焼きがメニューにあったら必ず注文してしまうほど大好きな一品です。
香ばしくて、モチモチっとした食感が堪りません!。
そんな秋の味覚の楽しみとなる銀杏も、食べ過ぎると中毒症状で、最悪は命に関わる危険性もあるなんてご存知でしょうか?。
今回お届けするテーマは「銀杏の食べ過ぎで危険な中毒症状!何個までなら大丈夫?対処方法は?」。
銀杏は何個までなら大丈夫か?、また、万一のときの対処方法についても詳しく紹介していきたいと思います。
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銀杏(ぎんなん)に含まれる豊富な栄養素!
いきなり「銀杏の食べ過ぎで危険な中毒症状!」なんて聞いたら、思わず怖くなってしまうかもしれませんが、銀杏は昔から民間療法の1つとして、薬のかわりに食べられてきたように、カラダにいい栄養素が豊富に含まれています。
銀杏に「滋養強壮や勢力増進」をイメージされる方が多いように、良質な植物性たんぱく質やビタミン群、鉄分やカリウムの他、カラダの骨格を作るミネラルなど豊富な栄養素が含まれています。
民間療法として銀杏には、頻尿や夜尿症に効くとされたり、「青酸配糖体」という成分に肺を潤す働きがあることから、咳止めやたんを切る効果が期待されています。
銀杏(ぎんなん)を食べ過ぎたときの危険な中毒症状とは?
銀杏(ぎんなん)を食べ過ぎたときに現れる中毒症状は、食べた量が大きく関与しますが、およそ食後「1~12時間」で現れます。
軽症場合
・腹痛
・吐き気(嘔吐)
・めまい(ふらつき)
重症の場合
・呼吸困難
・意識不明
・痙攣(カラダのこわ張り)
・ショック症状
最悪の場合、命に関わるほど危険な状態になります。
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銀杏(ぎんなん)の食べ過ぎで中毒になる原因とは?!
銀杏(ぎんなん)には、メチルピロドキシン(MPN)と呼ばれる中毒症状を起こす原因となる物質が含まれています。
メチルピロドキシン(MPN)には、抗ビタミンB6の作用があるので、銀杏の食べ過ぎで多量のMPNがカラダに入ると、カラダの代謝に欠かせない「酵素」の働きを補助する「ビタミンB6」を欠乏させてしまうのです。
ビタミンB6が欠乏した状態は、脳の興奮を抑える成分「GABA(ギャバ)」の活動が停滞し、神経伝達が上手くいかず「痙攣」や「呼吸困難」など中毒症状を引き起こしてしまう原因となり得るのです。
最悪の場合、対処方法を間違えれば、命に関わる危険な状態となりかねません。
銀杏中毒!とくに子供は要注意!
銀杏(ぎんなん)の食べ過ぎによる中毒症状で命を失われた事例は、実際、戦後の食糧難の時代に多くありました。
食べるものに困る時代、イチョウの木の下の落ちた沢山の銀杏の実を見つけたなら、当然せっせと拾って帰り、食材として使いたくなるのは無理もありません。
近年は、銀杏の食べ過ぎが原因の中毒症状が報告されることは少なくなりましたが、2010年に40代の女性が一度に銀杏を60個食べた結果、4時間後から嘔吐・下痢・めまいの症状が現れ、両腕の震えや悪寒を起こした報告がありました。
しかし、銀杏の食べ過ぎによる中毒症状に気をつけるべきは、とくに小さな子供です。
銀杏中毒を発症された人のうち、7割以上が10歳未満の子供だというのです。
大人は銀杏に含まれるMPN(メチルピロドキシン)を解毒する働きをもつ酵素を肝臓に蓄えていることから、ある程度の量の銀杏であれば中毒症状が出ることはないとされています。
逆に成長途上の子供の肝臓では、MPNを効率よく解毒できないことから、食べ過ぎると銀杏中毒に罹るリスクが大きいのです。
銀杏には「大人の楽しみ」的なイメージがありますが、「ぎんなん美味しい!」と思う子供がいたって不思議じゃないですから、まわりの大人が「食べ過ぎ」にならないよう食べる量など注意する必要があるでしょう。
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銀杏(ぎんなん)の食べ過ぎ!何個までなら大丈夫?!
たしかに、銀杏は食べ過ぎると危険な中毒症状を起こすものですが、私も含めて「銀杏好き」としては「何個までなら大丈夫?」が気になるところ。
銀杏を食べても大丈夫な量としては、
・大人の場合は:40個まで
・子供の場合は: 7個まで
およそ、この辺りの数を目安にして頂ければと思います。
大人なら「300個まで大丈夫」と紹介する情報もありますが、あくまで健康で肝臓の解毒作用が活発な方のデータを含めたものでしょうから、最低ラインで止めておくのが賢明でしょう。
40個なら「銀杏の串焼き」で10本近いでしょうから、まぁこの辺で…という量でしょうし、やはり大人は心配が少ないです。
となると、銀杏の食べ過ぎの危険性は、やはり7個をボーダーラインとする子供の方が要注意。
大人と一緒に「銀杏の串焼き」を楽しむなら、7個だと2本が限界でしょう。美味しそうに食べる子供の顔を見ると、もう1本と思ってしまいますが、そこは心を鬼にしてストップを掛けるべきです。
万一のことを考えると、5歳以下の小さな子供に銀杏は食べさせない方がいいといわれるくらいです。
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銀杏(ぎんなん)の食べ過ぎで中毒症状が出たときの対処方法!
紹介してきたように、大人の方が「銀杏中毒」に罹るリスクは少ないですが、万一のことを考え、銀杏を食べ過ぎた場合に起きる中毒症状の対処方法について確認しておきましょう。
銀杏の食べ過ぎで中毒症状になったと思ったら?!
銀杏の食べ過ぎで中毒症状が起きるのは、およそ1時間~12時間です。
例えば、夕食や晩酌で銀杏をたくさん食べた数時間後に、吐き気や腹痛、痙攣(カラダのこわばり)などの症状が現れたら、銀杏中毒が疑われます。
吐き気があるからと、無理に吐かせたりするのは厳禁です。嘔吐のショックが、痙攣を起こす引き金になりかねません。
銀杏中毒が疑われる場合はすぐに病院へ!
銀杏中毒となれば、最悪の場合「命に関わる危険性」も考えられます。
銀杏を食べ過ぎによる銀杏中毒が疑われる場合、すぐに病院で診察を受けましょう。
すでにカラダを動かすことが難しくなっていたり、急を要する場合には救急車を要請することも考えるべきです。
・食べた銀杏の量
・銀杏を食べた時間
・具合が悪くなってきた時間
など、救急隊員や病院の医師からの質問に答えられるようメモしておくといいですね。
病院での対処や治療方法
病院での対処は、全身管理と症状に応じた対処療法が主体となり、銀杏中毒を引き起こす原因となったビタミンB6欠乏状態に対し、PLP(Pyridoxal 5’-phosphate)と呼ばれる物質を注射し補うことが有効とされています。
ほどなく中毒症状が治まったとしても、再び痙攣などが起こることも考えられることから、一晩くらいは入院して様子を見るのが一般的です。
最悪は命も危ぶまれる銀杏中毒も、病院でしっかりと対処・治療が施されれば、多くは1日~4日以内には回復するとされています。
やはり、銀杏の食べ過ぎによる中毒症状が疑われる場合、迷わず病院で診察を受けるべきと考えます。
まとめ
これから晩秋にかけて旬を迎える「銀杏(ぎんなん)」は、昔から民間療法で薬のかわりに食べられてきたように、カラダにいい栄養素が豊富に含まれた食材です。
銀杏の食べ過ぎによる中毒症状は、最悪「命に関わる危険性」があるなど怖い情報もお伝えしましたが、大人なら「ある程度」の量なら食べても問題なさそうでしたね。
・大人の場合は:40個まで
・子供の場合は: 7個まで
およそ40個までが目安ならば、大好きな「銀杏の串焼き」は、これまで通り食べても大丈夫そうなので安心しました(笑)。
但し、小さい子供が食べる場合は要注意です!。
目安も7個までと少ないですから、最初から「食べる数を決める」ことが必要かもしれません。5歳に満たない小さな子供の場合は、最初から食べさせないのが賢明です。
また、銀杏の食べ過ぎによる中毒症状が疑われる場合は、迷わず病院で診察を受けるべきです。
1日~数日入院することがあっても、しっかり対処・治療することで回復も早く安心です。
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