巷では今、ノンアルコール飲料のジャンルにも、数多くの種類が出まわるようになりました。
ビールテイストを中心に、酎ハイや日本酒テイストの商品まで、じつに様々な商品がありますものね。
お酒の飲めない人でも、宴会の席や個人的なドリンクタイムなどで大活躍です。
ところで、ノンアルコール飲料は当然アルコールが入っていないのだから、「子供でも買えるし飲める」ものと思っている方はいらっしゃいませんか?。
・昔よく見た子供ビールも同じようなモノでは?
・わたしも子供のころ子供ビール飲んでたよ!?
そんな言葉も聞こえてきそうですが、「ノンアルコール飲料」と呼ばれる商品となると、それはチョッと違ってくるんです。
そこで今回は、タイトル「ノンアルコールでも子供は飲めない?買えない理由は?」についてまとめてみたいと思います。
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ノンアルコール飲料には本当にアルコールは入っていない?
ノンアルコールでも子供は飲めない?買えない理由は?の話に入る前に、「ノンアルコール飲料には本当にアルコールは入っていない?」から見ていきましょう。
少し前(2000年代前半)までは、ノンアルコールという言われる商品でも、アルコール度数が0.5%含まれる商品が売られていたことがありました。
これは、法律では「1%未満ならノンアルコールと表記しても問題なし」というところからきており、そのため表記されて売られていたようですね。
しかし、現在では「ノンアルコール飲料=アルコール分が含まれないアルコールテイストの飲料」のことをいいます。
さらに現在、日本国内で生産されているノンアルコール飲料と呼ばれている商品には、アルコールはまったく含まれていません。
つまり現在では、アルコール度数が0.00%のものしか「ノンアルコール」という文字を使うことがなくなっているのです。
輸入品のノンアルコール飲料には注意!
しかし、ここで注意が必要なのは、「輸入品」のノンアルコール飲料です。
先に述べた「アルコール度数0.00%」、「ノンアルコール飲料=アルコール分が含まれないアルコールテイストの飲料」というのは、日本国内の業界が設けた自主基準であり、日本のメーカーのノンアルコール商品だけです。
輸入品のノンアルコール飲料の場合、国内の業界が設けた自主基準は適用されません。
そのため、輸入品の中では「ノンアルコール」と記載されているのに、アルコール度数が0.5%となっている商品もあるんですね。
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ノンアルコール飲料は子供は飲めない?
しかし、アルコール分が0.05%以下となれば、それは果物の天然果汁にごく微量含まれるアルコール分とほぼ同じになります。
そのことから考えると、子供も飲めるような感じがします。
また、ノンアルコール飲料は、日本の法律では「清涼飲料」「炭酸飲料」に分類されていますので、ますます「子供でも飲める」と感じてしまいますね。
繰り返しになりますが、日本で生産されているノンアルコール飲料にはアルコールがまったく入っていませんので、仮に子供が飲んでも健康上の問題はありません。
しかし、ノンアルコール飲料は「20歳以上の大人向け」に作られている飲料となってます。
ここが、たとえノンアルコールでも「子供は飲めない」とする点です。
このことは、酒造会社によって表現に違いはありますが、ノンアルコール飲料のパッケージにもしっかりと明記されています。
そして、「成人向け」であることも同様に明記するようになっています。
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子供はノンアルコール飲料を買えない?
子供がアルコール飲料を買えない根底には、「未成年者飲酒予防法」という法律が関係しています。
それは、アルコール飲料の販売に関しての文言が関係しています。
「營業者ニシテ其ノ業態上酒類ヲ販賣又ハ供與スル者ハ滿二十年ニ至ラザル者ノ飲酒ノ防止ニ資スル為年齢ノ確認其ノ他ノ必要ナル措置ヲ講ズルモノトス」
…これは難しい(苦笑)。
アルコール飲料を子供が買えない理由。
それは、成長過程にある子供のカラダには、アルコールの影響が健全な成長に害を及ぼすだけでなく、将来的に飲酒への誘因となってしまう可能性があるためなんです。
しかし上記の法律は、あくまでも「アルコール飲料」についての条文であり、ノンアルコール飲料については書かれていません。
これから考えると、法律的には子供がノンアルコール飲料を購入することは禁止されていませんので、「子供でも買うことができる」とも考えられます。
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子供がノンアルコール飲料を買う・飲むことを制限する「酒類の広告審査委員会による自主規制」とは?
こうしてみると、日本の「未成年者飲酒禁止法」では、ノンアルコール飲料は酒類販売業免許が不要で、20歳未満(未成年)への販売やの提供すること、20歳未満(未成年)が購入し飲むことを念頭に開発されており、また、子供の飲酒を助長するなどの問題を招きかねないため、実際は未成年者への販売は推奨されていません。
では、具体的に子供へノンアルコール飲料を販売することや、子供が飲むことを規制している理由はどこにあるのでしょう。
それは、「酒類の広告審査委員会による自主規制」によるものです。
酒類の広告審査委員会では「ノンアルコール飲料が未成年者の飲酒につながることを危惧する」として、業界全体として、子供がノンアルコールを買うことも飲むことも自主規制しています。
ちなみに、この自主規制は「酒類の広告審査委員会」の
酒類については小売業者に対する販売管理研修において区分陳列及び年齢確認の上、消費者に販売するよう指導されていることに鑑み、ノンアルコール飲料についても同様に対応するものとする。
という文言からきています。
そのためノンアルコール飲料は、スーパーやコンビニなどのお店でも現在、子供が購入しにくいようにお酒の売り場に陳列する場合が多くみられます。
さらに、購入するにあたっては酒やたばこと同様、支払い時にレジで「年齢確認」が必要になる場合が多くなっています。
まとめ
つい最近、バルト3国の1つである「リトアニア」という国が、酒に似せた子供向けのノンアルコール飲料の販売を法律で禁止する異例の措置に乗り出したというニュースを聞きました。
リトアニアは世界有数の酒の消費国で、アルコール依存症や健康被害に陥る成人の割合が11%に上り、深刻な社会問題となっています。
そのため、子供のうちから飲酒の習慣につながるきっかけを減らそうということで動いたようです。
その結果、リトアニアの議会では「酒に似せた子供向けのノンアルコール飲料やおもちゃなどの販売を一切禁止する法案」が賛成多数で可決されたとのことです。
その新しい法律は、早くも2019年の11月に施行され、クリスマスなどに飲まれる子供用のノンアルコールのシャンパンなども対象になるということです。
リトアニアにあるかはわかりませんが、子供ビールもダメってことですね。
このニュースは、世界中でも子供へのアルコールの害が広がっていることを物語っています。
ところで、日本の学校でも小学校から「薬物に関する教育」が導入され、その中で「飲酒の害」についての学習も実施されています。
それだけ、日本でもお酒の子供に与える影響が出ているということでしょう。
私は、たとえノンアル͡コールでも「子供は飲めない・買えない」とする日本の自主規制に賛同します。
また、できれば「未成年者飲酒予防法」にも、ノンアルコールに関する規制の文言を入れてほしいと願っています。
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