建物にある定礎とは?読み方・意味は?定礎箱の中身はタイムカプセル?! | 教えて!知恵袋

建物にある定礎とは?読み方・意味は?定礎箱の中身はタイムカプセル?!

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今回は、建物にある「定礎」について。

唐突に「定礎」といわれても「何のこと?」と思われそうですが、ビルやマンションなど建物の玄関近くに見かける「定礎」と彫られた「石板」のことです。

おそらく、お勤め先のオフィスビルやデパートなど商業施設の玄関近くで目にしているはずの「定礎」ではありますが、その意味までは知らない人が多いのではないでしょうか。

石板に定礎と彫られた下には、なにやら日付が掘られていますね。

「竣工」など、その建物にとって記念日になる日付だと想像に容易いものの、実際に「定礎」の本当の意味を知っている人は少ないのではないでしょうか。

ところで、みなさんは「定礎」の読み方は大丈夫ですか?。もしや、「ジョウソ」や「ジョウセキ」と読んでいませんか?。

また定礎の奥にある箱、「定礎箱」の中身はタイムカプセルになってるって知ってましたか?。

今回は建物にある「定礎」について、石板の意味や、定礎と書かれた石板の奥の箱には何が入っているのかなど、探っていきましょう。

まずは、定礎の「読み方」からです。

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定礎の読み方は?

「定礎」の読み方、ここから始めることに、些か抵抗は感じました。

けれど、今回「定礎」をテーマとした記事を書くにあたって、同じ部署の若手社員に建物にある定礎を指さし「これ何か知ってる?」って聞いてみたところ、

「これは…、ジョ…、ジョウ…、ジョウソ?、ジョウセキで合ってますか?…」

なんてことがあったので。

無理もないと思います。日常の生活に、ほぼ無関係なものですから。

そう、定礎の読み方は「ていそ」で大丈夫!、正解ですよ!(笑)。

 

定礎の意味とは?

読み方はオマケのようなもの。ここからが「定礎」についての本題です。

定礎とは、文字どおり「礎(いすずえ)を定める」ことで、その昔の建物は「礎石(そせき)」と呼ばれる石を、まず土地に据えてから建て始められていたことに由来します。

礎石(そせき)とは、建造物の基礎にあって柱などを支える石。礎石を用いた建物を礎石建物といい、掘立柱建物や土台建物と区別される。

引用:Wikipedai|礎石

建物の柱を直接地面に立ててしまうと、湿気で腐るなど痛みが早まってしまうことに加え、虫(シロアリ?)や動物に食べられてしまうことから、土台(礎)となる石を敷いた上に柱を立てたというものです。

この礎(いしずえ)となる石こそが、「礎石(そせき)」です。

 

定礎とは?

定礎(ていそ)とは、建物を建てるときの柱の土台となる「礎石(そせき)」の位置を定めることと、同時に「建築工事のスタート」を意味しています。

古くは、建物を建てる上で礎石の位置を定める工程はとても重要なものでしたが、現在の特にビル建築では、地盤まで杭を打ち込む工法が採用されることから、礎石を用いられることはなく、もちろん定礎も行われていません。

それでも、昔からの「しきたり」を重んじて、建物を建てる工事の前に「定礎式」なる儀式が行われることがあります。

それは、事故なく建築を進められること、完成した建物が長く立派なものであるようにとの意味から。

例えば、大手ゼネコンが受注した大型工事のスタートで「定礎式」を行うのも、昔からの「しきたり」を受け継いだ呼び方であって、実際には「地鎮祭」の意味合いが強いことが多いようです。

神主さんが「かしこみかしこみ~」と祝詞をあげて、施工主や建築会社の偉い人たちが鍬(くわ)を持って、「エイッ!、エイッ!」と盛砂(砂山)を崩すような儀式は、正しくは「地鎮祭」の姿です。

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現代の定礎・定礎式の意味は?

現代では、ビルのような大きな建物を建てる工事の場合でも、建物を支える杭を強固な地盤の深さまで打つ技術が確立されていますので、昔のような建物の土台となる「礎石」を置くことも、礎石の位置を決める「定礎」の意味はなくなりました。

現在の定礎式は、先の「地鎮祭」の意味合いで行われるもの以外に、建物の「仕上げ」の段階で行われることが多くなっています。

これまで建築工事が無事に進められたことへの感謝や、このあと完成に至るまでの安全祈願、施工主・会社の発展を祈願する形の意味合いが強い式典になっています。

また、近年の定礎式では、建物の一部に「定礎」と彫られたプレート(定礎石)を嵌め込むと同時に、その奥に「定礎箱」と称される箱が一緒に入れられるようになりました。

 

定礎箱の中身はタイムカプセル?!

「定礎」と呼ばれる建物の壁にしっかり嵌め込まれた「定礎石」の奥には、腐食に耐え得る銅やステンレスなどの素材で作られた「定礎箱」が埋め込まれています。

一説には、明治末期ころから始まった慣習とされる定礎箱ですが、一般的に箱の中身は、建築当時の様子が窺いしえるような物なのだとか。

・氏神様のお札
・建築図面
・定礎式当日の新聞
・週刊誌
・流通している紙幣や硬貨
・流行しているグッズ
・施工主や関係者の名前が刻まれた銘板
・建築工事中の写真

などが主なものですが、何でもありの開けた時のお楽しみ「タイムカプセル」だと考えてもいいでしょう。

また、最近ではビルや工場など企業関係の建物だけでなく、個人向けの戸建て住宅に於いても「定礎石」と「定礎箱」を壁に埋め込むケースが増えてきているようです。

個人宅の定礎箱の中身も、

・家の建築図面
・家族写真
・時代を窺い知れる新聞・雑誌

などが中心のようです。

自宅の壁に「定礎」とは、さぞ富裕層的なイメージがありますけど、とても素敵なタイムカプセルになるのではないでしょうか。

現代の住宅は概ね30年で建て替えといわれているそうです。(我が家は既に築40年ですが…)

建て替えで取り壊される際に、タイムカプセルとなる定礎箱の中身を見るのも楽しみになりそうですね。

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まとめ

今回は建物の玄関口など壁にある「定礎(ていそ)」と書かれた石板についての意味や、石板の奥の箱に何が入っているのか?などにについて探ってきました。

定礎の本来の意味は、昔の建築技術に於ける柱の土台となる石「礎石(そせき)」を置く位置を定める工程のことでした。

しかし、とくに現在のビル建築では、固い地盤まで杭を打ち込む工法が採用されることから、「礎石」は用いられず、当然「定礎」の工程もありません。

現在の「定礎式」は、建物の完成や仕上げの段階で行われることが多く、工事が無事進めてこられたことへの感謝や、このあと完成まで続く工事の安全祈願、施工主の会社の発展を祈願する式典の意味合いが強いものとなっています。

現在のように定礎と彫られた「定礎石」が建物の壁に嵌め込まれるようになったり、その奥に「定礎箱」と呼ばれる箱に、建築当時を様子を窺いしれるものを「タイムカプセル」の如く入れる慣習は、明治末期ころから始まったことだとされています。

どうでしょう?。何やら勤め先のビルの入り口にある「定礎」の中身が気になってきませんか?。

試しに力づくで開けようとことがありますが、あれは絶対無理です…(苦笑)。

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