辛い物が無性に食べたくなることってありませんか?
今や、辛いを通り越し、痛いほどの激辛が好まれている空前の「激辛ブーム」。
1986年の新語・流行語大賞に「激辛」が選ばれた第1次激辛ブームから、幾度も歴史は繰り返し、現在は第4次激辛ブームと呼ばれています。
テレビでは激辛料理を紹介する番組も多く、芸人・タレントさんたちが強烈な辛さにむせ返り、大汗をかきながら食べている光景を目にしますね。
私自身、普段はそれほどでなくても、辛いものが無性に食べたくなることは確かにあります。
インドや東南アジアのカレーや、蒙古タンメン中本に代表される激辛ラーメンなどを想像すると涎が出てくることも。
激辛料理を紹介するテレビ番組を見て、気持ちが刺激されることも原因の1つかもしれませんが、辛いものが無性に食べたくなるにはある心理状態が隠されているともいわれています。
求める辛さが、どんどんエスカレートすることにも理由があるのです。
辛いものを食べることの効果・効能とカラダの変化、辛いものを食べ過ぎることの注意点を含め、いざ探っていきましょう。
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辛い物が無性に食べたくなるときの心理状態とは?!
辛いものが無性に食べたくなるのは、気持ちのどこかで辛さから得られる強い「刺激」を求めているということ。
刺激への欲求は、溜まったストレスを解放させようとする心理状態が原因と考えられています。
ストレスが溜まると、私たちの脳は疲れ、精神的にもイライラしたり不安定な状態になります。
そんな気持ちのモヤモヤ、不快感を人は「強い刺激」でごまかそうとするのです。
この強い刺激を日常で得ようとするなら、それは食べ物の辛さです。
抑々この「辛さ」とは、基本五味(甘味・塩味・酸味・苦味・旨味)に含まれないように「味覚」ではありません。
これら味覚に対し、強烈な刺激として感じるものが辛さであり、その刺激の正体は舌が感じる痛み、「痛覚」の一種なのです。
確かに、テレビ番組で激辛料理にチャレンジするタレントたちは単に「辛い!」という場合もあれば、その刺激を「痛い!」と表現することもあります。
先日お昼休みに観ていたテレビ番組内で、激辛鍋で人気のチェーン店「赤から」で、究極の辛さ「10番」をリクエストされている某企業の女性管理職の方を特集していましたが、もしや相当ストレスが溜まっているのかなと…思わされました。
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食べたくなる辛さがエスカレートする理由!
激辛を売りにしているお店の看板やHPを覗くと、「辛さ○倍!」や「ハバネロ増量!」など辛さの度合いがますますエスカレートしているように思います。
実際、注文された人たちは、みなさん本当に美味しいと思って食べてるのでしょうか?。
ちゃんと完食されているのか…心配になってしまいます。
私自身も、軟弱な「辛いもの好き」ではありますが、本当に辛いものが好きな人って、求める辛さがどんどんエスカレートしているように思うんですよね。
前回は「辛さ3倍」だったけど、今日は「辛さ5倍」にしちゃおうかな!なんて感じで。
そんな、辛いもの好きな人がどんどん求める辛さがエスカレートしてしまうことにも、「なるほど」な理由があるのです。
辛いものを食べることで分泌される脳内物質!
強い刺激となる辛いものを食べることで、興奮や覚醒を促す「アドレナリン」や、それを追うように鎮静作用やリラックスを促す「エンドルフィン」といった脳内物質が分泌されます。
興奮物質「アドレナリン」
辛いものを食べることで、最初に分泌される脳内物質が興奮物質「アドレナリン」。
興奮と覚醒状態を促すことから、カラダが受ける感覚を麻痺させ痛みの感じ方を弱めます。
よく試合中にケガを負ったスポーツ選手が、試合後のインタビューで「アドレナリンが分泌していたので痛みを感じませんでした」と答えるのは、アドレナリンによる興奮作用と感覚の麻痺によるものです。
辛いものを食べたときの刺激は「舌が感じる痛み」ですから、まず脳は興奮物質の「アドレナリン」を分泌させ、痛みを麻痺させようとします。
アドレナリンがもたらす効用を挙げると、
・心肺機能の向上
・血管拡張による血流促進
・運動機能の向上
・集中力の向上
辛いものを食べると元気・活力が湧いてくる感じや、カラダが熱くなって汗が出てくるのはアドレナリンの興奮作用によるものです。
但し、注意しなければならないのが、先の「スポーツ選手のケガ」のシーンで紹介したように、アドレナリンが多量に分泌された興奮状態はカラダに無理を強いてしまうということです。
そこで、脳内麻薬ともいわれる幸せホルモン「エンドルフィン」の出番となります。
幸せホルモン「エンドルフィン」
辛いものを食べ、分泌されたアドレナリンによって興奮した脳やカラダのバランスを保つために分泌されるのが、脳内麻薬と呼ばれる幸せホルモン「エンドルフィン」です。
エンドルフィンの鎮静作用により、筋肉の緊張が和らぎリラックスするとともに、脳内では快感や多幸感で満たされていきます。
改めて、強い刺激となる辛いものを食べることで、興奮や覚醒を促す「アドレナリン」や、それを追うように鎮静作用やリラックスを促す「エンドルフィン」といった脳内物質が分泌される流れをまとめてみましょう。
辛いものを食べると…
↓
興奮物質「アドレナリン」が分泌され刺激となる痛みが麻痺する
↓
幸せホルモン「エンドルフィン」が分泌され快感を覚える
辛いものを食べれば「辛い!」と感じるのは当然で、刺激の強さによっては「痛い!」となっても、最終的に「快感」に変化することを脳は覚えていきます。
辛いものが無性に食べたくなる原因は、脳内麻薬「エンドルフィン」から得られる快感への欲求なのです。
さらに快感を知った脳は、快感を高めるためにより辛いものを求める。
それこそが、どんどん求める辛さがエスカレートしていく理由です。
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辛いものを食べ過ぎることの注意点は?
辛いものが無性に食べたくなる原因の1つに、心理的にストレスが溜まった状態であることを紹介しました。
ストレスによるイライラした気持ちや不安を打ち消そうと、「強い刺激」となる辛いものを食べることで、脳内には痛みを麻痺させる興奮物質「アドレナリン」が分泌され、続いて脳内麻薬と呼ばれる幸せ物質「エンドルフィン」が分泌され快感へと繋がっていく。
この連鎖が「辛いものが無性に食べたくなるメカニズム」とはいえ、心が欲するままに、辛いものを食べ過ぎることは要注意です!。
辛いものを食べ過ぎると?
辛いものを食べ過ぎる、つまり唐辛子由来の強い刺激がカラダに多量に入ると、
・胃痛
・下痢や便秘
・心臓へ負担がかかる
・炎症を悪化させる
・気管支が弱い人は咳き込んでしまう
など、直接カラダに影響を与えます。
また、
・食欲が湧きすぎて食べ過ぎにつながる
・舌が麻痺して味覚が鈍る
といったリスクにも繋がります。
そもそも、「ストレスで胃に穴が開く」といわれるように、ストレスを抱えているときの胃は「胃酸過多」な状態なので、心が欲するまま辛いものを食べ過ぎてしまうと、胃酸の分泌量はさらに多くなり、胃がどんどん荒れてしまいかねないのです。
また、辛いものを食べることで分泌される興奮物質アドレナリンは、カラダを熱く火照らす作用があります。
見た目は兎も角、体温が上がり汗だくになるのはけっして悪いことではありませんが、
・風邪をひいている
・喉が腫れて痛い
・切り傷などのケガ
・腰痛や膝痛
・にきびや吹き出もの
など、カラダの何処かしらに炎症がある場合には、症状を悪化させてしまうリスクが高くなります。
切り傷などを負った際、病院の先生から「今日はお酒は控えるように」といわれるのも、血流が促されることで傷口が悪化するリスクからで、刺激物である辛いものも食べることは控えた方が賢明なのです。
まとめ
今回は、辛いものが無性に食べたくなる原因として、ストレスが溜まっている心理状態にあることを取り上げ紹介してきました。
1986年の新語・流行語大賞に「激辛」が選ばれた第1次激辛ブームから数え、現在は第4次激辛ブームと呼ばれています。
辛いものが食べたい理由は、単に刺激的な味覚を求めているだけかもしれませんが、そこには自分でも気づかない心理状態が隠されているのかもしれません。
辛いものを食べることで、興奮物質「アドレナリン」続いて幸せ物質「エンドルフィン」が分泌されることで「快感」へと繋がる。
このメカニズムが、食べたくなる辛さがエスカレートする理由です。
但し、辛いものを食べ過ぎるのは要注意です。
辛いものが無性に食べたくなる原因がストレスなど心理状態にあるのなら、胃酸過多などで荒れた胃がさらに悪化してしまいかねません。
もしも、みなさんが求める辛さがどんどんエスカレートしている状況であるなら、ストレスの発散方法を別に探した方がいいかもしれませんね。
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