寒さが厳しくなり冬本番を迎えと、テレビのお天気お姉さんからも「いよいよ冬将軍が到来です」との言葉が聞かれるようになります。
この「冬将軍」とは誰を指すのでしょう。
「冬将軍」の言葉の由来・モデルとなる、冬に活躍した将軍が存在したのでしょうか?。
今回は「冬将軍が到来!?言葉の意味と由来は?冬将軍とは誰のこと?」をテーマに、
・冬将軍の意味とは?
・冬将軍が到来する時期は?
・冬将軍の言葉の由来は?
・冬将軍とは誰のこと?
これら「冬将軍」にまつわる謎を、わかりやすく紹介していきます。
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冬将軍の言葉の意味とは?
冬将軍とは、冬本番の厳しい寒さを「擬人化」した表現です。
ちなみに、テレビやラジオのお天気お姉さんから「いよいよ冬将軍の到来ですね」なんて紹介されるものの、気象庁が定義する気象用語に「冬将軍」は含まれていません。
冬将軍は一般的に、「シベリア寒気団」によってもたらされる冬の厳しい寒さを意味する言葉として使われています。
冬将軍が日本に与える影響は?
シベリア寒気団とは、秋から冬にかけてシベリア大陸に居座る冷たく乾燥した空気の塊となる高気圧。
「西高東低」と呼ばれる典型的な日本の冬型の気圧配置では、「西高」に位置するシベリア寒気団から‐30℃~-50℃の寒気が日本列島まで吹き出されることで寒さがより厳しくなります。
冬将軍となるシベリア寒気団から日本列島に向いて吹き出された風が、群馬・新潟県境の山岳地帯にぶつかることで上昇気流となり、日本海側の地域には大雪を降らせ、太平洋側へは下降気流となって「からっ風」と呼ばれる冷たい風が吹き下ろされることになります。
特に、群馬県でみられる冬の強い下降気流は「上州のからっ風」として有名で、群馬県の冬の名物「赤城おろし(赤城颪)」と呼ばれます。
冬将軍が到来する時期はいつからいつまで?
冬将軍が到来する時期は、シベリア寒気団による厳しい寒さが強まる11月下旬頃~2月上旬頃まで。
毎年10月中旬~11月末頃に吹く「木枯らし1号」が、いよいよ冬将軍が到来する時期、「西高東低」の冬型の気圧配置に入る合図となります。
木枯らし1号~2月上旬頃までの時期、冬将軍は一度到来すると短いときは1~2日間、長いときには1週間ほど厳しい寒さが続きます。
また、冬将軍はその年の冬シーズンで一度到来したら終わりではなく、何度も繰り返し到来します。
衣類の防寒対策はもちろんですが、自動車のタイヤを冬タイヤにするなど、早めの冬支度を心掛けたいですね。
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冬将軍の言葉の由来は?!
冬将軍という言葉は、シベリア寒気団からもたらされる日本の厳しい寒さをよく表した言葉ですが、じつは「冬将軍」の言葉の由来は日本にはありません。
冬将軍の言葉の由来を辿っていくと、超有名な歴史上の人物が関係していました。
その超有名人こそが「冬将軍」かと思いきや…
冬将軍の言葉の由来は歴史的な超有名人の敗北に!?
冬将軍の語源は、「General Frost」が直訳された「霜将軍」という言葉にあるとされます。
この「General Frost」や「霜将軍」という言葉の由来に関係するのが、フランスの皇帝ナポレオン。
ナポレオン・ボナパルト(1769年8月15日 – 1821年5月5日)または、省略して、ナポレオンは、革命期のフランスの軍人・政治家である。ナポレオン1世(在位:1804年 – 1814年、1815年)としてフランス第一帝政の皇帝にも即位した。
ナポレオンが率いたフランス軍は、海を挟むイギリス以外の欧州諸国を次々と制圧。
1812年6月、フランスと同盟国を合わせて総勢60万となる大軍勢となったナポレオン軍は、ついにロシア侵攻を進めました。
世界最強と謳われるナポレオン軍は、ロシアの主要な都市を次々と制圧し、9月には首都モスクワをも占領するに至ります。
ところが、その戦いが冬まで長引くことで戦況は一変していきます。
ロシア軍は、敗走しながら農作物がなる畑、食糧をすべて焼き払っていきます。
これでは、攻めるナポレオン軍も、勢いのまま侵攻した先々で食糧が補給されることが叶いません。
そこに、ロシアの厳しい寒さが追い打ちを掛けます。
圧倒的に優勢だったナポレオン軍も、―10℃以下の気温と凄まじい吹雪の中、食糧も底がつけば… 撤退せざるをえません。
世界最強と謳われた、ナポレオン軍が敗北。
総勢60万にも膨らんだ軍勢も、寒さと飢えに苦しめられたロシアから逃げ延び生還できたのは、5000人前後だったとされています。
この世界最強と謳われたナポレオン軍の敗北を、当時のイギリスの新聞社は「General Frost(霜将軍)にナポレオンが負けた!」と記事に取り上げました。
「General Frost」を直訳すれば「霜将軍」となりますが、日本では上手いこと言い換え「冬将軍」と翻訳され広まったことが、冬将軍の言葉の由来となるようです。
当時ナポレオン軍の敗北を「霜将軍」を用いて記事にした新聞記者も、ゆくゆく日本で「冬将軍」なる言葉の由来になるとは思いしなかったでしょうね。
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まとめ
今回は「冬将軍が到来!?言葉の意味と由来は?冬将軍とは誰のこと?」をテーマに、「冬将軍」にまつわる謎について探ってきました。
・冬将軍の意味とは?
・冬将軍が到来する時期は?
・冬将軍の言葉の由来は?
・冬将軍とは誰のこと?
それぞれ、もう一度振り返りまとめてみましょう。
・冬将軍とは、冬本番の厳しい寒さを「擬人化」した表現。
冬将軍は一般的に、「シベリア寒気団」によってもたらされる冬の厳しい寒さを意味する言葉として使われています。
・冬将軍が到来する時期は、毎年シベリア寒気団による厳しい寒さが強まる11月下旬頃~2月上旬頃まで。
冬将軍は一度到来したら終わりではなく、その年の冬シーズンに何度も繰り返し到来します。
・冬将軍の言葉の由来は、ロシアへ侵攻したナポレオン軍の敗北に。
当初は圧倒的優勢だったナポレオン軍も、戦いが冬へと長引くことで、―10℃以下の気温と凄まじい吹雪の中、食糧も底がつけば… 撤退せざるをえませんでした。
当時のイギリスの新聞社は「General Frost(霜将軍)にナポレオンが負けた!」と記事に取り上げ、日本では「冬将軍」と翻訳され広まったことが、冬将軍の言葉の由来となりました。
・冬将軍とは誰のこと?、冬将軍は誰を指しているのか?、結論としては「誰でもない」が正解です。
冬将軍とは、ナポレオン軍が敗北した要因といえる厳しい寒さ「霜将軍」を、日本風に「冬将軍」と擬人化して表現した言葉だったんですね。
冬将軍による厳しい寒さは、春先まで続きます。
どうぞ、寒さに負けないようにしっかり防寒対策をなされますように。
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