最近、あぐらがかけない方が増えているといいます。
よく長い時間正座をしたあと「足が痺れて」急に立ち上がれなくなることがありますが、あぐらを長い時間かいたあとは「腰が痛くて」立ち上がれないというケースも多いようです。
日本の住環境も、昔の畳中心のスタイルから椅子やソファーに座るような西洋スタイルへと変わり、家のなかに畳の部屋いわゆる「和室」が少なくなってきたということも、あぐらがかけないことの一因になっているかもしれませんね。
とはいえ、あぐらがかけないままでは、畳のお座敷での会食や、冠婚葬祭など長くあぐらをかいて座らなければならない機会は辛いもの。
女性の場合は人前で、あぐらをかくことは多くないかもしれませんが、それでも流行りのヨガでは「あぐら」は基本のポーズ。
あぐらがかけないままでは、これからヨガにチャレンジすること自体、むずかしくなってしまいかねません。
今回は、あぐらがかけない原因や、対策として股関節の筋肉を伸ばす簡単なストレッチなどを、わかりやすく見ていきましょう。
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あぐらがかけない原因とは?
あぐらがかけない原因としては、
・股関節でつながる「骨の変形」
・股関節周辺の「筋肉の硬さ」
これら、2つに起因するものが代表的です。
股関節とは、お尻の骨「骨盤」と太ももの骨「大腿骨」が繋がっている部分で、それぞれの骨に変形などが生じていると、股関節を大きく開くような姿勢となる「あぐら」は、股関節に痛みが出ることがあるのです。
「あぐらがかけない」代表的なもう1つの原因は、股関節周辺の「筋肉」の柔軟性が低下するなどして可動域が狭くなる「拘縮(こうしゅく)」によって、股関節を思うように開くことができずに「あぐらがかけない」状態になるものです。
あぐらがかけけない色々な原因!
あぐらがかけない原因を深掘りすると、真の原因となりえる色々なものが見えてきます。
・カラダに掛る荷重のバランスの片寄り
・慢性的な腰痛
・肥満による体重増加で股関節への負荷が大きい
・スポーツで股関節を痛めた経験がある
・出産や妊娠中の骨盤が広がり
これらが見えない「真の原因」となって、骨盤や大腿骨の変形や股関節周辺の筋肉が柔軟性を低下することに繋がり、それがあぐらがかけない原因となってしまうのです。
サッカーをはじめスポーツ界では、股関節を痛めることでリタイヤに追い込まれる事例を多々見掛けます。
現役時代、イタリアを中心に欧州サッカーで活躍し、2006年にドイツW杯を最後に若くして引退した中田英寿選手が「グロインペイン症候群」という股関節の内側(鼠径部)の筋肉を傷めていたことは有名です。
フリーキックの名手・中村俊輔選手や元日本代表キャプテンの長谷部誠選手も、股関節の痛みを抱えながらプレーしていたと聞きます。
特に股関節の内側の筋肉「内転筋」を痛めると、股関節を開くだけで痛むのですから、あぐらをかくのはさぞ辛いものであったでしょう。
あぐらがかけない!まずは「股関節の可動域」をチェック!
「あぐらがかけない」悩みの代表的な原因となるのが、股関節の骨盤や大腿骨の変形や、股関節周辺の筋肉の問題ですが、それぞれ動かすことができる範囲「可動域」を広げることが「あぐら」をかけるようになることへの近道になります。
まずは、自分の「股関節の可動域」の状態をチェックすることから始めましょう!。
股関節の可動域のチェック方法
1.背中を伸ばすように床に座り、足の裏側どうしがピタリとつくように膝を曲げます。
→ 股関節に硬さがある場合には、この時点で部分的に痛みを生じます。
2.1を痛みなくできた方は、そのまま両膝を床につくように手で押していきます。
→ 股関節に痛みがある場合には、その部分に硬さがあるということです。
両足の股関節が痛むこともありますが、左右・内側・外側、どこかに痛みがある場合はその部分に、筋肉の柔軟性が低下していたり、骨盤・大腿骨の変形など可動域を制限してているしまう原因があると考えられます。
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あぐらがかけない! 対策は股関節の筋肉を伸ばすストレッチ!
「あぐらがかけない」ということは、つまり股関節の可動域が狭くなっているということです。股関節周辺の筋肉を伸ばす「ストレッチ」が効果的です。
ストレッチで大事なことは「無理をしない」ということ。
次に、股関節の内側・外側・後ろ側の筋肉を伸ばすストレッチを紹介しますが、大事なことは焦って無理をしないこと。
焦って強く伸ばしてしまうと、逆に筋肉を傷めてしまって股関節が固くなってしまうことに繋がります。
股関節の内側の筋肉を伸ばすストレッチ
1.背中を伸ばして床に座り、両足の裏側がピタリとつくように膝を曲げます。
2.そのまま踵を体に引きつけます。
(両手を使って出来るだけ体へ近づけます)
3.そのまま上半身をゆっくり前へ倒していきます。
4.股関節の内側の筋肉が固いと、痛みから逃げるように膝が上へと上がってきますので、両肘で膝を下へ押さえるようにしましょう。
この姿勢をゆっくり30秒ほど続けることを数回繰り返すことで、股関節の動きがよくなり「可動域」が広がっていきます。
股関節の外側の筋肉を伸ばすストレッチ
1.床に仰向けに寝て、両膝を上へ90°くらいに曲げます。
2.右膝を左へ捻るように倒します。左膝も押されるように床につく形で捻っていきます。
(右の股関節の外側の筋肉が伸びていることを実感してください)
3.そのまま左の足首あたりを使って、右膝を床へ押しつけるようにしてさらに右の股関節の外側の筋肉を伸ばします。
股関節の外側の筋肉が、伸ばされていることを実感できているかがポイントです。
この姿勢を30秒ほど続け、逆の左足の股関節の外側も同じように伸ばしていきます。
股関節の後ろ側の筋肉を伸ばすストレッチ
1.床に仰向けに寝て、左足は伸ばし、右膝を90°くらいに曲げます。
2.曲げた右膝を左足を通り越すように捻り、床へ向かって倒していきます。
3.右の股関節の後ろ側を伸ばすことを意識して、左手で右膝を床へ押しつけるようにします。
4.上半身は傾くことなく上を向いた姿勢をキープしましょう。下半身だけが捻られているのが理想的な姿勢です。
まさに、下半身と上半身が逆方向へ捻られるストレッチ。けっこう厳しいかもしれませんが、30秒くらいキープしましょう。この下半身と上半身とが捻られることで、股関節の後ろ側の筋肉が伸ばされていきます。
まとめ
今回はあぐらがかけない原因や、効果的な対策として股関節の筋肉を伸ばす簡単なストレッチなどを紹介してみました。
「あぐらをかけない」といっても、そもそもあぐらをかくこと自体できない方から、長くあぐらをかいていると腰が痛くなってしまう方まで、様々な悩みがあるようです。
あぐらがかけない原因としては、股関節の「骨盤や大腿骨の変形」や「筋肉の柔軟性の低下」があげられます。
とくに骨盤周辺の筋肉の柔軟性の低下が原因で、軽い症状のものであれば、今回紹介した股関節の筋肉を伸ばすストレッチを繰り返すことで、「あぐらをかける」「あぐらをかいていても腰が痛くならない」ことへ、徐々に改善されていくことが期待されます。
ストレッチは、継続することが第一。
焦って無理をすると、かえって筋肉を傷める原因にもなりえるので、気持ちを抑え少しづつ繰り返していくことが大切です。
股関節を形成する骨盤や大腿骨に異常がある場合には、ストレッチだけでは改善されない場合もあります。
あぐらをかくことで痛みが続く場合には、整形外科や整骨院など医療機関で受診されることも必要かと思います。
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