彼岸花には毒がある!何があぶない?どこがあぶない?食べていた時代も! | 教えて!知恵袋

彼岸花には毒がある!何があぶない?どこがあぶない?食べていた時代も!

植物

私の家(栃木県宇都宮市)の近くに「彼岸花ロード」と呼ばれる街道があります。

8月の終わりの頃から9月にかけて、それは素晴らしい彼岸花の群生がみられるのですが、この彼岸花には毒があるってご存じですか?。

独特の花に似つかわしいというか、似合わないというかですけれども、ご近所の方々に話してみても、彼岸花には毒があることは意外と知られていませんでした。

そこで、今回は彼岸花の毒をテーマに

・何があぶない?
・どこがあぶない?
・食べていた時代も?

などを具体的に紹介していきたいと思います。

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美しい彼岸花には毒がある?

彼岸花はユリ科の多年草で、「リコリス」「曼珠沙華(マンジュシャゲ)」などとも呼ばれています。

しかし、冒頭でも紹介したように彼岸花には毒があります。

さらに彼岸花の毒は、煮る・焼く・炒めるなど、熱を加えても変わることはありません。

 

彼岸花の毒!何があぶない?

では、彼岸花が持つ毒性とはどのようなものがあるのでしょうか?

彼岸花は、学名をリコリス(Lycoris)と言います。

彼岸花の有毒成分はこの学名からとられた、アルカロイドの一種である「リコリン」が主となります。

その他、同じアルカロイド系の、ガランタミン、セキサニン、ホモリコリン等が含まれています。

 

彼岸花の毒「リコリン」の特徴は?

彼岸花が持つ有毒成分、リコリンの致死量についてですが、

ヒトに対する致死量は10gと、アルカロイドの中では比較的毒性は強いほうではありません。

彼岸花の中に含まれるリコリンの濃度は、

・生の鱗茎(りんけい)中には 0.5 mg/g
・生葉中には 0.3 mg/g
・ひとつの球根には15mg

これをヒトの致死量と比較すると、ヒトの致死量は10gですので、よほど一度に大量に摂取しない限りは死亡するような危険はありません。

※しかし、ネズミなどでは、球根ひとつで1500匹分の致死量になるといいます。

 

摂取してしまった場合の症状は?

もしも、彼岸花の毒を誤って摂取してしまったらどういう症状がでるのでしょうか。

万が一、彼岸花を間違って食べてしまっても、多くの場合、中毒症状を起こすまでに至りません。

しかし、中毒症状を起こしてしまった場合(例えば大人が球根1個以上を摂食した場合など)、消化器系症状を生じる場合があります。

その症状は、

・吐き気
・下痢
・ひどい場合には中枢神経の麻痺

などが起こる場合があるとされますから、侮れませんね。

持病がある方など、それが引き金となって死に至ることも無きにしも非ずです。

 

彼岸花のどこがあぶないの?

結論からいうと、彼岸花の毒は茎・花・葉等の全部にあります。

これを「全草有毒(ぜんそうゆうどく)」と言います。

この言葉は「植物のすべての部分に毒性物質が含まれている」ことを意味するのですが、彼岸花の場合は特に※鱗茎(りんけい・球根)に多く含まれ、鱗茎のなかでも特にその外側の鱗片部に多く含まれます。

ちなみに彼岸花は、花が終わった秋から春先にかけては葉っぱだけの姿になります。

この葉っぱの形が食用のノビルやアサツキに似ているため誤食してしまい中毒症状を起こしてしまうケースがあるといわれます。

※参考:鱗茎とは?

うろこ状の欠片が重なりあって球状になった根のことです(球根)。

彼岸花は、地上部の葉や茎が枯れてもこの鱗茎が土の下に残ります。そのため、何年も同じ場所で花を咲かせます。

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彼岸花の花や茎を触っただけでは危険はない!

彼岸花の毒は経口摂取(口から食べる)することで影響がでるものなので、ただ触るだけでは問題はありません。

しかし、小さなお子さんや犬は、葉や茎をかじったり、折って遊んだりすることも考えられますから要注意です。

お子さんや犬がいるご家庭の親御さん方に特にお願いしたいことは、

・彼岸花の実物をしっかり見せて、毒があること・触ってはいけないことを教えるなど、彼岸花はあぶないことを教える。

・犬の散歩のときは、彼岸花のある所には近づかない。

お子さんや犬は行動が予測できないので、注意を怠らないようにしましょう。

 

彼岸花を食べていた時代もあった?

ところで、彼岸花の鱗茎(球根)は一番あぶない部分である反面、デンプンに富んでおり、有毒成分のリコリンは水溶性なため、長時間水にひたすと無害にすることが可能ということから、第二次世界大戦中などは食用とされたこともあるようです。

あぶないので、おすすめできませんが…

また、鱗茎は石蒜(せきさん)という生薬になり、利尿や去痰作用があります。

さらに、彼岸花に含まれる毒の成分の一つである「ガランタミン」はアルツハイマー病の治療薬として利用されています。

これは意外、あぶない毒も薬なんですね!。

 

まとめ

いかがでしたか。

彼岸花は、ネズミ・モグラ・虫など、田を荒らす動物がその鱗茎の毒を嫌って避けることを利用し、作物を守るために植えられたとも聞きます。

特にモグラは、餌のミミズが彼岸花を嫌って少ないことから彼岸花の近くには寄り付きません。ミミズも「彼岸花があぶない」ことがわかっているんですね。

ということは、昔の人は彼岸花には毒性がありあぶないことを知っていたのでしょう。

ともあれ、これから秋にかけて彼岸花は見ごろを迎え、人々はこぞって見に出かけます。

「美しい花にはトゲがある」という言葉がありますが、「彼岸花には毒がある」と思いながら鑑賞するのも一興かもしれませんね。

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