日本酒ブームの昨今、気軽に入れる居酒屋さんで、全国各地の有名な日本酒を楽しめることは、お酒好きにはホントに嬉しい!。
キリッと辛口からフルーティな口当たりなど、銘柄ごとの違い、肴との相性など感じながら選べるようになると増々楽しめることでしょう。
ところで、その日本酒。
居酒屋でオーダーすると、升やお皿に入れたコップにわざと溢れるほど注がれて提供されたり、目の前で一升瓶から注いでもらえることがあります。
「盛りこぼし」や「もっきりと呼ばれる、日本酒好きには堪らない「お得感満点」のサービスではありますが、逆に日本酒「初心者」だと、飲み方に戸惑ってしまうかもしれませんね。
コップの日本酒は「表面張力」でいっぱいだし、コップは升やお皿に溢れた日本酒に浸かってますしね…(笑)。
ということで、今回は日本酒の「盛りこぼし」で、升やお皿に溢れた日本酒の粋な飲み方を見ていきたいと思います。
「盛りこぼし」のサービスをありがたく、粋にさらりと飲めたなら、この日本酒ブームをさらに楽しむことができそうです!。
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日本酒の「盛りこぼし」「もっきり」とは?
日本酒は、もともとコップに目一杯注がれ提供されるのが居酒屋の主流なスタイルでした。
ウイスキーの「ワンフィンガー」など杓子定規なものと違い、なみなみと注がれるだけでも嬉しい日本酒。
そのうち、コップを升や皿に入れ「溢れるほど」注ぐことで、「たくさん飲んでください」というお店側の「心意気」の表れとして、「盛りこぼし」は下町を中心に流行りはじめました。
「盛りこぼし」とはその言葉とおり、コップを升やお皿に置き、わざと溢すように日本酒を注ぐスタイルです。
目の前で一升瓶から注ぎ、升へと溢す姿はとくにインパクトがあり、そのお得感は半端ありません!。
「もっきり」の言葉の由来も、コップ目一杯に盛り切るという「盛り切り」からくるものです。
日本酒を量り売りしていた時代に、その計量に使われていたのが「升」。升になみなみ目一杯、日本酒を注ぐこと、それが「もっきり」の由縁です。
居酒屋では1合(180ml)単位で提供されることが多いですが、小さなコップだけでは入りきらないことから、升やお皿の上にコップを置き、日本酒1合の帳尻を合わせたのが始まりとされています。
升やお皿に溢す姿は「盛りこぼし」と同じく、まったく盛り切ってないですけどね(笑)。
「盛りこぼし」も「もっきり」も、お店の「心意気」。「おもてなし」の心の表れです。
ありがたく、そして粋に頂戴しましょう!。
「盛りこぼし」は気軽な飲み会や居酒屋さん限定?!
これは決して、「盛りこぼし」がマナー違反だからというわけではありません。
盛りこぼしは、居酒屋さんの「心意気」を感じるものであり、日本酒好きの多くが好むもの。
しかし、慣れない方では升やお皿に溢れた日本酒の飲み方に戸惑ったり、升が衛生的ではないと感じる方もいるでしょう。
ということもあって、ややフォーマルな場面では「盛りこぼし」や「もっきり」と呼ばれる注ぎ方は滅多に見ることはありません。
居酒屋さんのサービス、気の置けない仲間内での気軽な飲み会限定と考え、フォーマルな場面では自らすすんでの「盛りこぼし」はしない方が無難かもしれませんね。
時の首相が、外交接待で「ジャパニーズ・おもてなし」だと紹介するのは、それはそれで「アリ」な気もしますが…(笑)。
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盛りこぼしで、升に溢れた日本酒の粋な飲み方!
居酒屋さんで、日本酒の「盛りこぼし」を初めて見たら、誰もがその飲み方に戸惑うと思います。
もしくは、自分の飲み方であってるのかな…?と思う方もいるでしょう。
しかし、ご安心あれ。
そもそも「盛りこぼし」じたい、下町を中心とした居酒屋さんの心意気で広まったサービスです。
その飲み方に、「正しい」スタイルなんてありません。
今回紹介する飲み方も、こんな感じが「定番」であり、「粋」な感じに見える飲み方だと思ってもらえれば、それでOK!。
升まで目一杯に盛りこぼしてもらう!
居酒屋さんでも、最初から升やお皿へ盛りこぼした日本酒が提供されるお店と、目の前で盛りこぼして注いでくれるお店とに分かれます。
もしも、目の前で盛りこぼして注いでもらえるお店だったら、日本酒好きには堪らなくラッキー!。
溢れた日本酒が、升やお皿も目一杯になるまで注いでもらいましょう。
どれだけ目一杯盛りこぼしてもらえるかは、みなさんの「腕」次第です!。
「そこからの~!」「まだまだ~!」「さらに~!」など、どれだけ店員さんを「おだて」られるかに掛かってます(笑)。
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まずはコップの日本酒を一口飲む!
コップならず升やお皿まで目一杯の「盛りこぼし」。
粋な飲み方として、まずは盛りこぼしの升からコップをゆっくり持ち上げ、日本酒を一口飲みましょう。
日本酒独特の味わいをキュッと味わったら、コップの底をおしぼりで拭き、テーブルやカウンターへ置きます。
男性なら、コップを升から持ち上げず、口から迎えにいくように飲むのも「アリ」。女性だと少し「はしたない」印象を受けがちなので、コップを持ち上げての飲み方の方がいいかもしれませんね。
BS-TBSの「酒場放浪記」の吉田類さんも毎回、「これホントは良くないとされてますけど…(苦笑)」と言いながら、コップに直接いっています。
盛りこぼしで溢れた升の日本酒をコップへ注ぐ!
さて、先の第一関門をクリアしたら一安心。あとは、ゆっくり味わいましょう。
テーブルやカウンターに置いたコップの日本酒を半分ほど飲んだなら、升やお皿に盛りこぼされた日本酒をコップへ注ぎます。
そう、徳利(とっくり)で出せれる日本酒のように、コップが減ったら注ぐ形でOKです!。
とくに女性は、このスタイルがいいかもしれません。
もちろん、升やお皿から直接飲むのもOKですが、お口の小さな女性だとチョッと難しいんです。
なぜなら、升酒ならではの「通な」飲み方があったりするから…。
升酒の「通な」飲み方ははなかなか難しい!?
ヒノキが使われた「升」は、ヒノキの香りが日本酒に移り独特の風味を味わえる楽しみもあります。
ただ、この升酒には「通な」飲み方があって、これがまた難しいんです。
升は、その形から角を使って飲むと思われがちですが、「通な」飲み方は、升の平らな部分(辺)を使って飲むものだとか…。
どうでしょう、升の平らな部分から飲めそうなイメージ湧きますか?(苦笑)。
角を使う飲み方でもOKなのですが、酔って口元が怪しくなると、これもまた難しくなりそうです。
やはり、升に盛りこぼされた日本酒は、コップへ注ぐ飲み方の方がスマートかもしれませんね。
まとめ
日本酒ブームの昨今、全国各地の銘柄の違いを気軽に楽しめるようになりましたが、とくに女性など、初めて日本酒の盛りこぼしを見たときは、その飲み方に戸惑うでしょう。
もしくは、いつもの自分の飲み方で合っているのか不安な方もいらっしゃるのではないかとの思いから、今回「日本酒の盛りこぼし!升に溢れた日本酒の粋な飲み方!」としてまとめてみました。
日本酒の「盛りこぼし」や「もっきり」とは、コップに注ぐ日本酒をわざと升やお皿に溢し「たくさん飲んでください」というお店側の「心意気」であり、私たちからすれば「お得感」に溢れたありがたいサービスです。
盛りこぼしに「正しい」飲み方があるわけではなく、難しく考える必要もありません。
第一関門は、最初になみなみ注がれたコップの日本酒の飲み方。
口から迎えにいくのか、コップを持ち上げ一口飲むのか。とくに女性には、コップを持ち上げて飲むことをオススメしましたが、ここさえクリアしたらもう安心。
あとは、升やお皿の日本酒を注ぎ足していけばOKです。
そんな盛りこぼしの日本酒、サラッと嗜む女性の姿は、かなり素敵に映るかもしれませんね。
2020年の東京オリンピック・パラリンピック招致の際、滝川クリステルさんのプレゼンで話題となった「おもてなし」。
東京オリンピック以降も、外国人観光客の方々には、是非とも日本の居酒屋さんのおもてなし「盛りこぼし」の心意気を感じて欲しいですね。
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