近年は貯蔵技術の進化で、ほぼ一年中食べられるりんごも、本来の旬は9月~12月。品種改良も進み、昔に比べて甘くおいしい魅力的なりんごの品種も多くなりました。
秋~冬、りんご好きには堪らない季節ですね。
りんごというと、まだ小さな子どもの頃に、風邪をひくと母親が「すりおろしりんご」をよく食べさせてくれた記憶がいまだ蘇ります。
同じように、りんごは風邪にいいとインプットされている方も多いのではないででしょうか。
「1日1個のりんごは医者を遠ざける」
これは、イギリスで古くから伝わる「ことわざ」ですが、りんごに含まれる豊富な栄養素をみれば、風邪にいいだけでなく、カラダに与える健康効果がとても高いことも頷けます。
今回は、なぜりんごは風邪にいいとされるのか、その理由を一緒に探っていきましょう。
風邪の時の、効果的なりんごの食べ方などもご紹介します。
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赤いりんごは医者が青くなる万能薬!?
日本ではりんごにまつわることわざに、「りんごが赤くなると医者が青くなる」というものがあります。
これは、赤く色づいたりんごを食べれば病気知らずでお医者様へかからずに済むという意味で使われています。
世界でも同じように、イギリスでは古くから「1日1個のりんごは医者を遠ざける」ということわざがありますし、スペインの「毎日のりんご1個は医者の費用を節約できる」は実にリアルに表現されたことわざでしょう。
しかし、これらはあくまで「ことわざ」ということで、りんごの健康効果はどれだけ高いものなのか、イギリスのオックスフォード大学の研究チームがりんごと一般的な薬の効能について比較する実験を行っています。
その実験から得られたものは、りんごの豊富な栄養素がカラダに与える健康効果は、一般的な薬と比べてもほとんど変わらないという結果でした。
特筆すべきは、りんごは薬と違い副作用の心配がないということでしょう。
強い効き目の薬には胃薬が一緒に処方されることが多いように、薬にはなんらかの副作用のリスクがあるのに対し、りんごは優しくカラダに効いてくれます。
りんごは世界中で古くから、カラダの不調に対する万能薬として重宝されてきたのでしょう。
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なぜ りんごは風邪にいいのか?
風邪をひくと、咳や鼻水、発熱や倦怠感など様々な症状が現れますよね。
大人でも同じですが、とくに子どもの場合は風邪をひくと体力が奪われ、食欲もなく、下痢などお腹の調子も崩れやすくなります。
万能薬とされる、豊富な栄養素を含むりんご。
風邪をひいたときにりんごを食べることで、どんな効果が期待されるのでしょう。
なぜりんごは風邪にいいのか、その理由を1つ1つ具体的にあげていきます。
白血球の働きを活性化
風邪をひいたとき、摂りたい栄養素No.1はビタミンC。
ビタミンCは、カラダに入ったウイルスや細菌を退治してくれる白血球やリンパ球の働きを活発にしてくれるので、積極的に摂り入れたい栄養素ですなのですが、意外にもりんご自体には然程ビタミンCは多く含まれていません。
しかし、りんごにはビタミンCの吸収を高める働きがあるので、りんごを食べることで、その他の食材から摂ったものも含めてビタミンCを増やすことに繋がっていくのです。
水分補給効果
風邪をひくと、発熱による発汗でカラダの水分が失われがちで、脱水症状に陥るリスクを伴います。
りんごの約85%は水分でできているように、豊富な水分が含まれているりんごには、効果的な水分補給が期待できます。
さらに、りんご1個には茶碗1杯のご飯の糖質(35gほど)が含まれ、150kcalのカロリーが得られます。
りんごには多くの果糖が含まれ、甘くおいしいことから、食欲が落ちているときにも摂り入れやすいという利点もあります。
風邪をひいて発熱しているときは、食欲も減退して低血糖状態にもなりやすいので、水分補給効果に合わせエネルギー補給の意味でも、りんごは風邪にいい食べ物なのです。
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整腸効果
風邪をひくと、下痢症状などお腹の調子が悪くなることがあります。
食欲も減退しますが、無理に食べることはせずに、りんごで優しく水分補給&エネルギー補給してあげるのがベターです。
さらに、りんごに含まれる水溶性食物繊維「ペクチン」は腸内の状態を正常に戻そうとする働きや、毒に対する吸着力・排出力、ただれた腸管の内側の繊毛を包み込んで刺激から守るなど、腸内環境の向上に大きく働き、下痢症状の改善に効果が期待されます。
ポリフェノールで免疫力アップ
りんごには、100種類を超えるポリフェノールが含まれています。一般的に、1つの果物に3種類以上のポリフェノールが含まれることが稀とされるなか、多くのポリフェノールが含まれるりんごは、高い抗酸化作用が期待されます。
そんなりんごに含まれる豊富なポリフェノールのなかでも「エピカキテン」は、抗酸化作用が高く、また免疫力を高める効果もあることは、風邪をひいたときにとても有効なものとされています。
発汗で失われたカリウムを補う
カラダの水分と塩分量のバランスに、カラダの余分な塩分を排出するカリウムの働きが効いています。血流を促すことで高血圧の予防に欠かせない栄養素です。
りんごを食べることで、風邪による発熱・発汗で失われがちなカリウムも効果的に補うことができます。
このように、ウイルスや細菌を退治し、水分補給・エネルギー補給、整腸効果など「風邪にいい」とされるりんごは、皮ごと一緒に食べるとさらにいいようです。
実より多くの栄養素が凝縮されているという「りんごの皮」、剥いて捨ててしまっては勿体無いですよ!。
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風邪のときには皮ごとすりおろしたりんごがいい!
りんごの栄養素を余すところなく摂り入れるなら、りんごは皮ごと食べるのがいいのですが、風邪をひいてしまったときには皮ごとすりおろして食べるのがベターです。
健康なときの胃腸ならまったく問題ないのですが、風邪で調子が悪くなった胃腸には、りんごの皮はそのままだと消化の負担が大きくなってしまうためです。
また、すりおろして食べた方が免疫力アップにつながる「酵素」を多く摂り入れられるので、風邪をひいたときこそりんごは皮ごとすりおろして食べるといいのです。
りんごのすりおろしはプラスチックのおろし器で!
りんごに含まれる健康成分は、皮の部分や皮と実の間に凝縮されているので、りんごは皮ごと食べるのが一番いいのですが、問題はすりおろしに使う道具です。
りんごをすりおろすときに金属製のおろし器を使うと、せっかくのりんごの成分が変質してしまいます。
普段から金属製のおろし器を使われている方も、りんごをするときはプラスチック製や陶器製のおろし器を使いましょう。
りんごジュースも風邪にいい?
りんごジュースは、赤ちゃんにも与えられる優しい飲み物ですね。
風邪をひいたとき、りんごをそのまま食べたり、すりおろして食べることも難しければ、りんごジュースで代用するのもいいとされます。
ただし、その効果を十分に得るために大切なことは、同じ果汁100%のジュースでも、りんごの果汁で濁って見える「ストレートタイプ」を選ぶことです。
見た目に透明感のある「濃縮還元タイプ」は、製造過程の加熱処理で酵素が失われ、食物繊維もろ過されてしまっているのでペクチンの効果も期待できません。
本来は、すりおろしたりんごを口にできれば一番ですが、りんごジュースで代用するなら、やや高価にはなりますが「ストレートタイプ」を選ぶのが大切なポイントです。
まとめ
国産のりんごは、甘さと酸味のバランスが絶妙な品種がたくさんありますし、どれを食べてもハズレがありません。
今回の記事を紹介するにあたり、りんごに含まれる栄養素にはウイルス退治や水分補給、食物繊維による整腸作用などさまざまな効果が期待されることを知り、りんごは風邪にいいといわれる理由があらためてわかりました。
・りんごが赤くなると医者が青くなる
・1日1個のりんごは医者を遠ざける
・毎日のりんご1個は医者の費用を節約できる
これら、世界中で伝わることわざからも、りんごは健康を維持する万能薬であることがうかがえます。
風邪を予防するという意味からも、旬を迎えた美味しいりんごをたくさん食べましょう!。
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