夏の風物詩、スイカ(西瓜)。スーパーの野菜・果物売り場にスイカが並ぶと、夏の近づきを実感しますね。
ところで、みなさんはスイカを食べるとき「塩をかける派」ですか?。
私の頭には「スイカには塩」と完全に刷り込まれていますが、なぜスイカに塩をかけると甘く感じるのか?、その理由みなさんご存じですか?。
しょっぱい塩をかけて甘くなるって不思議ですけど、塩味と甘味では味覚の感じ方に違いがあるなど、その理由を知ると「なぜ」が「なるほど」に。
また、スイカ以外の果物に塩をかけた場合はどうでしょう?。
子供たちの質問「なぜスイカに塩をかけると甘くなるの?」にも、ドヤ顔で教えてあげられますよ。
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スイカに塩をかけると甘くなる理由!
スイカを食べるとき、甘味とは無縁のような「塩」をかけるのは少々不思議ではありますが、日本では定番の食べ方。
スイカにパラパラと塩をかけて食べると、確かにスイカが甘く感じられます。
スイカ以外では、トマトなども塩をかけると甘味がでて美味しくなりますよね。
スイカやトマトに塩をかけると甘くなるって、どんな効果からなのでしょう?。
スイカに塩をかける効果
人の味覚の「五基本味」となる甘味・酸味・塩味・苦味・うま味で、甘味より先に塩味を感じるようにできています。
とくに、しょっぱいと塩味を感じたあとの甘味は、普通よりも強く感じられます。
スイカと塩の「味の対比効果」
味の対比効果とは、2種類以上の違う味が混ぜ合わさったときに、一方のもしくは双方の味覚が強まることで、多くの場合どちか一方の味覚が強く、他の味覚が弱いときに起こりやすい現象です。
その最たる組み合わせが「スイカと塩」。
そもそも水分が多く甘味が弱いスイカに、強い塩味(しょっぱい)の塩をかけることで、スイカの僅かな甘味を引き立たせるというわけです。
トマトに塩をかけると甘く美味しいのも同じ理由。
よく熟したトマトはほんのり甘味がありますが、塩を少々かけることで「味の対比効果」から、トマトの甘味がぐっと引き立ち美味しくなるのです。
例えば、あんこやお汁粉など和の甘味の「隠し味」的に塩が使われるのも、味の対比効果が得られることにあります。
昔から続く、日本人の味覚センスってホント凄いと思います。
スイカに塩をかけると本当に甘くなっている!?
スイカを食べるときに塩をかけると甘く感じるのは、味の対比効果で舌が「勘違い」してのことですが、驚くことに「味覚センサーレオ」で測定した結果、スイカに塩をかけると実際に甘味の数値が上がっているということ。
味の対比効果で甘く感じるのは、口の中、舌で感じるものですが、味覚センサーの測定結果からも、スイカに塩をかけると甘くなるのは本当だったのだとわかります。
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スイカ以外の果物に塩をかけると?
スイカに塩をかけると甘くなる理由「味の対比効果」は、他の果物にかけてもその効果が期待できるのでしょうか?。
いくつか例をあげて見ていきましょう。
リンゴに塩をかけると?
リンゴには、そもそも変色しないように皮を剥いたら塩水に漬けるといいとされています。
塩水のナトリウムイオンが、リンゴに含まれるポリフェノール類の周囲に膜を作り、酵素の働きを抑えることで変色を防いでくれる。
このことから、リンゴに塩をかけることに違和感はありまんが、スイカほどの味の対比効果は得られず、甘くなる感じはないようです。
グレープフルーツに塩をかけると?
カクテルの「ソルティドッグ」とは、ウォッカをベースにグレープジュースを合わせ、グラスのふちに塩をつけて味わいますが、グレープフルーツに塩をかけた味わいは正にこれ。
スイカのように甘味が強調されることはなく、よりサッパリとした味わいに。
グレープフルーツは、もともと酸味が強い果物ですしね。我が家では砂糖をかけて食べてますが、みなさんのご家庭では?。
桃に塩をかけると?
先に紹介した通り、スイカに塩をかけると本当に甘味が増すことは、「味覚センサーレオ」での測定結果から実証されました。
そこで、甘い果物を代表する桃に、塩をかけるとかけると甘味が倍増するのか?と試してみた結果、ほとんど変化なし。
逆に、しょっぱくなっただけ。
スイカのように元々それほど甘くない果物に、塩味を加えることで甘味を引き立たせるのが「味の対比効果」。
桃のように元々それだけで十分に甘い果物に、塩をかけても無駄ということ。果物本来の甘さを楽しみましょうということですね。
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スイカに塩をかけると夏バテ予防にも効果が!?
暑い夏の時期は汗をかき、カラダは水分と同時に塩分も失われていくことから、水分に加え塩分を補給する必要があります。
スイカは水分が多く夏の水分補給に効果的であり、昔から「暑気を冷ます」食べ物として重宝されてきました。
水分が多いスイカは、冷やして食べることでカラダの熱を冷ます効果が期待されますが、成分的にもカリウムなどのミネラル類、果糖など糖質もバランスよく含まれていることから「天然のスポーツドリンク」と称されるほど。
そこへ甘味を引き立たせる塩をかければ、塩分補給にも役立つというわけです。
夏の時期たくさんの汗をかくと、カラダはナトリウム(塩分)濃度が低下しないように水分の吸収を抑えてしまいます。
対して「水分を効果的に吸収できるように」と考えられた飲料が、塩分を含むスポーツ飲料「ポカリスエット」や「アクエリアス」なわけです。
スイカに塩をかけて食べることは、甘さを引き立たせる「味の対比効果」だけでなく、水分やミネラル類、糖質などの吸収をよくすることで「夏バテ予防」にも効果的。
まとめ
今回は、「スイカに塩をかけると甘くなる理由!塩による味の対比効果は他の果物でも?」と題し紹介してきました。
スイカに塩をかけると甘くなる理由は?
・味の対比効果で、塩がスイカの甘味を引き立たせてくれる
・塩をかけると味覚センサーでも本当に甘くなっている
その上、スイカに塩をかけると夏バテ予防にも効果的なことがわかりました。先人からの知恵なのでしょう。
ただし、塩による「味の対比効果」とはいえ、塩のかけ過ぎには注意です。しょっぱいだけでなく塩分摂り過ぎになってしまいかねません。
最後に、中国ではスイカに砂糖をかけてデザートとして食べるのだとか。
我が家でグレープフルーツを食べるときに、砂糖をかけるのと同じような感じでしょうか。
スイカに砂糖、この夏一度試してみたいと思います。
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