近年、納豆に酢を混ぜ、いわゆる「酢納豆」にして食べる人が多くなっていることを受け、お酢のメーカーを代表するミツカンさんが、2021年6月1日より「金のつぶ 酢納豆」を新発売されました。
数種類のお酢に醤油、出汁、砂糖、梅酢、レモン果汁などを合わせたタレで食べる「すっぱ旨い納豆」といいます。
筆者も「酢納豆には血圧を下げる効果がある」と聞いてから、毎朝の朝食で食べる納豆にお酢を混ぜて食べているので、スーパーの納豆売り場で「金のつぶ 酢納豆」を初めて見たときは「まじ?、本当に効果あるの?!」と思った次第です。
例えば、「酢 納豆 効果 血圧 作り方」などのキーワードでググる(検索)すると、沢山のブログや健康系サイトで酢納豆の効果・効能が紹介されていますが、逆に「テレビで話題の酢納豆を勧める医師はデタラメ」という記事も上位表示されていたりします。
今回は、多くのブログや健康系サイトで謳われている酢納豆の効果・効能と、逆に「酢納豆には血圧を下げる効果はない」という意見、それぞれをピックアップしてみたいと思います。
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酢納豆が高血圧対策となる効果の仕組み
発酵食品の「納豆」と発酵調味料の「お酢」、どちらも健康にいいイメージがある食材ですよね。
まず、酢納豆がなぜ高血圧対策(血圧を下げる効果がある)といわれるか、その仕組みについて、納豆とお酢それぞれの栄養成分から探っていきましょう。
納豆に含まれるナットウキナーゼに血圧を下げる効果が期待される
まず、納豆に含まれる成分の中で血圧を下げる効果が期待されるのは「ナットウキナーゼ」です。
納豆菌によって作られるナットウキナーゼは、納豆特有のネバネバに多く含まれる成分で、血液をサラサラにする働きや、脳梗塞や心筋梗塞の原因となる血栓を溶かす働きがあります。
このナットウキナーゼは熱に弱い酵素なので、加熱することなくそのまま食べるのが効果的。
さらにナットウキナーゼの効果を高めるコツは、納豆を食べる20分ほど前から冷蔵庫から出して常温に近づけること。
殺菌されていない納豆菌は常温化で発酵が進むので、ナットウキナーゼがより活性化します。
また、納豆を加熱調理して食べる方は少ないかもしれませんが、熱々のご飯と合わせるとナットウキナーゼが減少してしまうといいます。
納豆は、炊飯ジャーからよそう炊き立てのご飯やレンジでチンした直後のご飯に合わせず、適度に冷ましたご飯と一緒に食べるのがベターです。
お酢に含まれる成分に血圧を抑制する働きがある
お酢にも、穀物酢・米酢・黒酢・りんご酢・バルサミコ酢など沢山の種類がありますが、共通していえることは「お酢は健康や美容をサポートしてくれるスーパーな食材」ということ。
お酢に含まれる酢酸という成分に、血圧の上昇を抑える働きがあるといわれ、血圧が高めな人が1日15ml以上のお酢を1ヶ月~2ヶ月間、継続的に摂取することで血圧が下がったという研究結果が発表されています。
お酢を摂るタイミングは、朝・昼・夜のいずれかの食事で、合わせて1日15mlを目安に摂るようにすればいいのだとか。
お酢をそのまま飲んでもいいし、料理の調味料に使うもいい、お酢を日常生活に摂り入れることで健康意識も高まります。
これら、納豆に含まれるナットウキナーゼに期待される血圧を下げる効果と、お酢に期待される血圧を下げる効果が相まって、毎日の食生活に手軽に取り入れられる酢納豆が注目されるようになったのでしょう。
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酢納豆を食べるタイミングは?
納豆は、どちらかというと朝食に食べる物というイメージが強いですよね。
まぐろ納豆など、夕食や晩酌のおつまみ系の料理ありますが、酢納豆を食べるといいタイミングは夕食(夜)がおすすめです。
脳梗塞や心筋梗塞の原因となる血栓は、深夜~早朝にできやすいので夕食に酢納豆を食べることで、血液をサラサラにする効果や、脳梗塞や心筋梗塞の原因となる血栓を溶かす効果など、納豆のナットウキナーゼがより効果的に働くことが期待されるからです。
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酢納豆は糖尿病にもいい!?
納豆に酢を入れて混ぜるだけの酢納豆は、糖尿病による合併症予防の効果も期待されます。
酢納豆のお酢に含まれる酢酸と、納豆(大豆)の食物繊維には血糖値の急上昇を抑える働きがあるからです。
酢納豆には、お酢の酢酸と納豆(大豆)の食物繊維の相乗効果による、血糖コントロール効果も期待されています。
酢納豆とキムチの組み合わせも
キムチに多く含まれる乳酸菌は、腸内環境を整える善玉菌の代表で、便秘の改善やコレステロール値を下げる働きがあるといわれます。
納豆とキムチを組み合わせて食べることで、納豆(大豆)やキムチ(白菜などの野菜)の食物繊維と乳酸菌の働きで、より腸内環境が整いやすくなるでしょう。
さらに酢納豆のお酢(酢酸)の働きで、血液をサラサラにする効果も相まり、糖尿病の合併症の1つである「動脈硬化」を予防する効果が期待される組み合わせとなります。
酢納豆の作り方!効果を高める食べ方とおすすめレシピ
通常の納豆を食べるとき、付属のタレやからしなどを入れて混ぜていると思いますが、そのタイミングでお酢を小さじ1(5ml)ほど加えて混ぜれば酢納豆の出来上がり。
ちなみに筆者が食べる毎朝の酢納豆の作り方は、お酢を大さじ1(15ml)ほど加えています。
そう、1日に摂るといいとされるお酢の量(15ml)を1度に摂っています。
酸っぱい味が苦手でなければ、お酢大さじ1でもいいと思います。
また、お酢を入れて納豆を混ぜると、いつもよりふんわりと口当たり柔らかに仕上がります。
酢納豆の効果・効能である血圧を下げる効果・効能を期待するなら、付属のタレの量を減らして減塩するといいですね。
お酢を入れることで納豆の風味が変わるので、タレや醤油の量を減らしても美味しく食べられると思います。
オリーブオイルやごま油を加えると食べやすくなる
納豆にお酢を入れるだけでは物足りない人やお酢が酸っぱくて食べにくい方は、オリーブオイルやごま油を加えると酸味がまろやかになって食べやすくなります。
先に紹介したキムチをはじめ、しらす・ちりめんじゃこや大根おろし、意外なところではチーズやトマトなどの食材を加えることで、美味しい一品料理に変身します。
酢納豆の食べ方!おすすめレシピ➀ 簡単手巻き寿司
家族でワイワイ楽しむ手巻き寿司では、納豆も定番の具の1つ。酢を加えた酢飯で食べることで、酢納豆の効果は少なからず得られるでしょう。
いや、ハナから今日は「納豆巻きオンリー!」なら、酢飯にせずとも酢納豆を巻いて食べれば普通のご飯でも美味しく食べられます。
納豆に含まれ、血圧を下げる効果が期待されるナットウキナーゼは、50℃以上で活性が弱まり、70℃をこえるとほぼ死滅してしまうことからも、ご飯を寿司飯台で少し冷ましてから作る手巻き寿司は、酢納豆を美味しく食べるにぴったりなメニューでしょう。
酢納豆の食べ方!おすすめレシピ➁ 酢納豆&とろろとオクラのネバネバ冷や出汁そうめん
1人で手軽に食べるランチにおすすめの、酢納豆・とろろ・オクラの3種のネバネバ食材で夏バテ予防にもぴったり!。
材料(2人分)
そうめん :4束(200g)
オクラ :6本
納豆 :2パック(タレ付き)
酢 :小さじ2~大さじ2(お好み)
おろし長芋:80g
温泉卵 :2個
ほんだし :大さじ1
水 :2カップ
刻みのり :適量
作り方
➀ 鍋でそうめんを茹でます
➁ ➀の湯から大さじ3(分量外)を別の容器にとって、ほんだし大さじ1を加えて溶かし、水2カップを加えて混ぜ合わせ、出汁を作り冷ましておきます
➂茹でたそうめんをザルに上げ、冷水にさらし水気を切ります
➃そうめんを茹でたお湯でオクラをサッと茹で、小口切にします
➄納豆に添付のタレ、お酢をお好みで小さじ2~大さじ2加えよく混ぜ酢納豆を作る
➅器に➂のそうめん、➄の酢納豆、オクラと長芋、温泉卵を盛り付け、➁の出汁を注ぎ、刻みのりを乗せたら出来上がり
ほんだしで作る出汁でなく、麺つゆで代用するなら、酢納豆を作るときに添付のタレを使わず、お酢だけ入れてかき混ぜてもいいでしょう。
酢納豆の食べ方!おすすめレシピ➂ 酢納豆&新玉とスプラウトのサラダ
出典:cookpad|リカちゃん♡酢納豆新たまスプラウトサラダ
ふわっふわの酢納豆に、塩・アマニ油で作るドレッシングで食べる、新玉ねぎとブロッコリースプラウトのサラダ。
水分が多く柔らかい新玉ねぎが入るとアクセントになって美味しく、ブロッコリースプラウトと納豆の相性も抜群!
オメガ3脂肪酸が多く含まれるアマニ油(亜麻仁油)には、血液を固まりにくくしたり、炎症を抑える働きが期待されます。
アマニ油には小腸を刺激し排便を促すという働きもあるので、便秘解消効果も期待されます。
作り方もいたって簡単!。
ブロッコリースプラウトを小鉢へ盛り付け、スライスした新玉ねぎをのせ、ふわっふわに混ぜた酢納豆をのせる。
最後に、血液サラサラ&腸活にアマニ油と、味付けに塩を適量まぶして出来上がり。
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俳優・嶋大輔さんの酢納豆体験談!
出典:株式会社ワイエムエヌ
株式会社マキノ出版さんが運営される「特選街web」というサイトで、俳優・嶋大輔さんが酢納豆を生活に摂り入れたことで、血圧の数値が改善したことや、オリーブオイルをプラスして食べられていることが紹介されています。
嶋大輔さんは、テレビ番組「名医のTHE太鼓判!」の企画をきっかけに酢納豆を食べはじめ、毎日1回は必ず食べているそうですが、その甲斐あって現在の血圧は98~100mmHgだといいます。
もともと、糖尿病と高血圧という2大生活習慣病を持っていたそうです。
テレビ番組「名医のTHE太鼓判!」の企画で、1日3回、2週間「酢納豆」を食べるプログラムに取り組んだ結果、降圧剤を飲んでも158㎜Hgあった血圧が、110㎜Hgに下がったという内容。
今回の記事の「酢納豆を食べるタイミングは?」のところでも紹介したとおり、嶋大輔さんも基本は夜に食べていて、会食や仕事が入るときは朝食で食べるようにしているのだとか。
嶋大輔さんの酢納豆の作り方は、納豆1パックにお酢とオリーブオイルを大さじ3杯づつ入れ、添付のタレは使わないという、かなりワイルドなスタイル。
50回かき混ぜた後、血液サラサラ成分が増えるとの理由で20分放置。人肌に冷ましたご飯にかけて食べていらっしゃるのだとか。
番組では、オリーブオイルは味がまろやかになるだけでなく、血管の老化を防止する健康効果も期待されることが紹介されています。
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酢納豆の様々な効果に臨床的な証拠はない!?
酢納豆はテレビやインターネットサイト・健康雑誌等々で、血圧を下げる効果や血糖値を下げる効果、ダイエットやアンチエイジング、視力回復など様々な効果があると紹介されています。
しかし、PRESIDENT Onlineの「テレビで話題「酢納豆」を勧める医師はデタラメ」という記事によると
酢納豆はテレビだけではなく、ムック本や健康雑誌などでもすすめられていました。
酢納豆には、高血圧に対する降圧だけでなく、視力回復や体重減少、アンチエイジング、血糖降下など、様々な効果があるとされています。
しかし、体験談はありましたが、臨床的な証拠、つまり≪酢納豆を摂取する群≫と≪酢納豆を摂取しない群≫を比較して血圧が下がったというような研究結果は見あたりませんでした。
引用:PRESIDENT Online|テレビで話題「酢納豆」を勧める医師はデタラメ
酢納豆を食べて得られる効果を主張はするのはフードダディズム?
PRESIDENT Onlineの「テレビで話題「酢納豆」を勧める医師はデタラメ」という記事では、今回紹介しているような、酢納豆を食べることで高血圧や糖尿病などが改善するという主張は、典型的なフードファディズム(食品や栄養が健康や病気に与える影響を課題に評価したり心奉すること ※1)だとされています。
※1:高橋久仁子著|「食べもの神話」の落とし穴:巷にはびこるフードファディズム|講談社
食品(安全が確認されている食べ物)が健康や病気に与える影響は、もしあったとしても、多くの人を長い年月をかけて観察した研究でやっと差が出るか出ないかの小さなものでしかないのが通常です。
ちなみにフードファディズムの「fad(ファッド)」とは、英語で「一時的な熱狂」という意味。
なんと的を射たネーミングであり、ご尤もとも思える内容です…。
まとめ
今回は、多くのブログや健康系サイトで紹介される酢納豆に期待される効果・効能にはじまり、酢納豆を食べるタイミング・酢納豆の作り方・効果を高める食べ方とおすすめレシピまで幅広く紹介いたしました。
最後に紹介した「酢納豆の様々な効果に臨床的な証拠はない!?」は衝撃の内容だったかもしれませんが、ミツカンさんのホームページ「高めの血圧低下」では、大さじ1杯(15ml)を目安に食酢を毎日摂ることで高めの血圧が低下することを比較検証した結果が紹介されていますし、そこに嘘はないと思います。
高血圧や糖尿病など自身の健康を気遣うこと、今回紹介した酢納豆のように少なくともけして体に悪い組み合わせである筈のない食品であれば、本人が美味しいと思って食べられているのであれば、それにすがってみることは否定されるものではないと思います。
みなさんは、如何思われますか…
ちなみに、記事中で「俳優・嶋大輔さんの酢納豆体験談!」を紹介しましたが、筆者は嶋大輔さんに対して個人的な思い出があります。
筆者は高校生時代ラグビー部に所属していたのですが、嶋大輔さんが主演されたスーパー戦隊シリーズ「超獣戦隊ライブマン(1988年~1989年・ANB)」の第36話:激突! 友情のタックルで(ほぼエキストラで)共演させていただいたのです。
Amazon prime video | 超獣戦隊ライブマン
ラグビーの試合中、頭脳獣ヨロイヅノーが高校の校庭を破壊しはじめるという設定で(笑)。
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