ハロウィンが過ぎれば、いよいよ今年も残り僅か。いよいよ「年末」を意識し始める時期になりますね。
12月の冬至、さらにクリスマスが終わると、すぐに「大晦日」がやってきます。
昔から伝わる風習として、新しい年の「歳神様」を気持ちよく迎えるために、年末には家の大掃除をして「正月飾り」を飾ります。
ところで、大晦日ならではの風習の1つに「年越しそば」を食べることがあげられますが、なぜ私たち日本人は大晦日に年越しそばを食べるようになったのでしょうか?。
そもそも、なぜ蕎麦なのかも疑問です。
今回は年越しそばについて、
・大晦日になぜ蕎麦?
・年越しそばの具材は何がいい?
・年越しそばはいつ食べる?
・年越しうどんもOK?!
などを中心に、わかりやすく紹介していきたいと思います。
スポンサーリンク
年越しそば!なぜ大晦日に蕎麦を食べるのか?
大晦日に蕎麦を食べる風習は、江戸時代から続くものですが、そもそも、年越しとなる大晦日になぜ「年越しそば」と称し蕎麦を食べるようになったのでしょうか?。
風習であるが故に、その理由は諸説あるといわれます。
蕎麦は厄を断ち切る!?
蕎麦は食べると、ブツブツと切れやすいと思いませんか?。
小麦粉など「つなぎ」が入らない十割蕎麦などは、とくに切れやすいですよね。
「蕎麦は切れやすい」
それ故、その年の悪いもの「厄を断ち切る」という意味が込められ、年末最後の大晦日に蕎麦を「年越しそば」として食べるようになったという説。
長寿・長生きを願う蕎麦!?
年越しそばは、細く長い麺状の蕎麦の姿から「長寿や長生き」を願い食べるという説もよく聞かれます。
この蕎麦の姿「細く長く」のイメージは、引越しの際の「引越しそば」にも通ずるものとされています。
そばのように健康・丈夫であることを願う!?
蕎麦に使われる「そば」はとても丈夫な植物で、寒暖の差が激しい環境や、あまり肥沃でない土地でも元気に育ちます。
たとえ雨風に打たれ倒れ掛かっても、陽を浴びれば再び元気を取り戻す強さを持った植物です。
その姿から、そばからは「健康」や「丈夫」がイメージされ、健康で丈夫な体でいられるようにとの願いで蕎麦を食べるようになったという説があります。
蕎麦を食べて金運上昇!?
江戸時代には、金銀細工の職人たちが金箔を打つなどの細工中に飛び散らかった金粉を集めるのに、そば粉を練って団子状にしたものを使っていたことから、金を集める蕎麦を大晦日に食べ「金運上昇」を願ったという説です。
栄養素的に見ても、そばにはビタミンや植物性たんぱく質も豊富に含まれているので、蕎麦が健康にいい食べ物であるのは間違いありません。
厄を断ち切る・長寿・健康・金運などの説は、そばから受けるイメージから連想・ゲン担ぎ的な感じではありますが、結果として新年へ向け健康的な食べ物だったことは間違いなさそうです。
スポンサーリンク
年越しそばに合わせる具材は何がいい?
江戸時代から始まったとされる、大晦日に食べる「年越しそば」の風習ですが、年越しそばに「これが正しい」とされるスタイルはないようです。
つまり、蕎麦であれば冷たい「もり蕎麦・ざる蕎麦」でも「温かい蕎麦」でもいいわけです。
合わせる具材も「お好みでどうぞ」となるわけですが、人気はやはり「縁起物」なる具材です。
ここでは、年越しそばに合わせるといい代表的な具材を選んで紹介したいと思います。
海老(エビ)
海老(エビ)は、日本に於けるお祝いの席で「縁起物」として重宝される食材。
お節料理でも「腰が曲がるまで」と長寿を意味して使われますが、年越しそばに合わせるなら断然、見た目も豪華な「海老天」でしょう。
天つゆかわりに、温かい蕎麦の汁や、冷たい蕎麦のそばつゆを吸わせて食べても美味しいですよね。
ネギ
年越しそばのネギは、「労をねぎらう」という語呂合わせ的な意味をもつ具材です。
実際、ネギには食欲増進効果や風邪予防の効果もあるいいますから、大晦日に食べる年越しそばの具材にぴったりでしょう。
油揚げ
稲荷神社に油揚げを供えるように、「油揚げ」には神様の使いとされる狐(きつね)のイメージがあります。
「お稲荷さん」の愛称で親しまれる稲荷神社は農作物を守る神様ですが、同時に「商売繁盛」の神様でもあります。
油揚げを食べることで商売繁盛、つまり金運アップへ繋がる。となれば、シンプルに油揚げを具材とする「きつねそば」でしょうか。
ニシン
京都には「にしんそば」と呼ばれる名物そばがあります。
その歴史は1882年(明治15年)と古く、京都の芝居茶屋「松葉」の2代目松野与三吉が、京都の人々に貴重なたんぱく源となる「身欠きにしん」をなんとか蕎麦と合わせられないかと考え、試行錯誤を重ねて発案したもの。
ニシンはお正月のお節料理でも「ニシンの昆布巻き」や、その卵の「数の子」が定番であるように縁起物の食材ですね。
年越しそばに合わせるといい具材は、やはり縁起を担いだものが多くなります。
年越し大晦日に蕎麦を食べる理由が、抑々ゲン担ぎ的要素は多いのですから、合わせる具材も縁起物になるのは当然ですよね。
スポンサーリンク
年越しそばはいつ食べる?時間帯は?
大晦日ならではの風習である年越そばは、いつ食べるのが正解なのでしょう。
いろいろ調べてみましたが、どうやら、年越しそばを食べるタイミングに「これが正解」といえる時間帯はないようです。
年末も大晦日まで仕事をされている方なら、ランチに食べる蕎麦を年越しそばとすることもあるでしょうし、NHK番組「紅白歌合戦」を前に少々豪華な具材を合わせた蕎麦を年越しそばとして食べるご家庭もあるでしょう。
テレビの大晦日特番を見ながら一杯やって、〆を年越しそばとされる方も多いのではないでしょうか。
つまり、どんな時間帯であれ、12月31日「大晦日」の間に食べる蕎麦は「年越しそば」となるようです。
年越しそばを「年をまたいで」食べるのはダメ!?
年越しそばの「年越し」から、年を越す時間帯、年をまたいで食べるものと思われている方も少なくないようですが、年越しそばを食べる理由から考えるとそれは間違い。
年越しそばを食べるタイミング・時間帯に「正解はない」のですが、年を越してからも蕎麦を食べているのは良くありません。
なぜなら、先にも紹介したように、年越しそばには「厄を断ち切る」という思いが込められているから。
その年にあった悪いことや厄は年内に断ち切り、新たな年に持ち越したくはありませんよね。さらに、年越しそばを年を越してからも食べることは、金運・健康運をも下げてしまうといわれているほどです。
そこで一番注意するべきは、大晦日の夜に紅白歌合戦や特番を見ながら一杯やって、〆の年越しそばを楽しみにされている方々。
ご近所のお寺から「除夜の鐘」が聞こえ始めるころに、年越しそばを食べ終えられていれば運を逃さず安心して新年を迎えられそうです。
年越しそばを大晦日の一杯の〆、その年の〆にするなら、蕎麦を茹で始める時間帯にも注意した方がいいかもしれませんね。
スポンサーリンク
年越しうどん・年越しパスタでもOK?!
十割蕎麦・二八蕎麦など、つなぎの少ない蕎麦が好きな方もいれば、当然「蕎麦が苦手」という方もいます。
そばアレルギーの問題もあることからも、年越しそばを「うどん」やスパゲッティなど「パスタ」など他の麺類で代用してはダメなのでしょうか?。
ここまで、年越しそばが「そば」である理由・意味を紹介してきましたが、そばアレルギーで蕎麦が食べられない方や蕎麦が好きでない方は、無理して年越し=蕎麦でなくてもOKです。
蕎麦の「細く長く」に長寿や長生きを願うなら、うどんやスパゲッティなど他の麺類にでも意味を込められます。
実際に、讃岐うどんの本場・香川県では、年越しそばより「年越しうどん」とされる方の割合が多いとされるほどです。
地域性が強く影響した文化ではありますが、年越しは蕎麦でなければダメというわけではない一例でしょう。
まとめ
年越しそばを食べることは、「厄を断ち切る」ことや、細く長く「長寿・長生き」の意味が込められた風習であることを改めて紹介してきましたが、合わせる具材のおすすめもお節料理にも通じるおめでたい「縁起物」。
大掃除を終え、正月飾りを飾り、新年の「歳神様」をお迎えする準備を済ませた大晦日。
年越しそばを食べるのは、ランチタイムでも、豪華な具材を合わせた夕食でも、一杯の後の〆も含め、いつ食べても良いようです。
年越しそばを食べることに正しい時間帯はありませんが、注意すべきは年を越して食べると金運や健康運を下げてしまうことででしたね。
また、讃岐うどんの本場・香川県で食べられている「年越しうどん」を例にすれば、スパゲッティなど他の麺類でも、細く長い姿は「長寿や長生き」を願う意味は同じということ。
「赤いきつね」や「緑のたぬき」でお馴染みの、インスタント麺でも全然いいじゃないですか。
大切なのは気持ち。年越しそばという風習を意識する気持ちだと思いますよ。
スポンサーリンク