朝顔は、日本でも古くから「夏の風物詩」のように親しまれている花。
朝顔が咲くと、いよいよ季節も夏本番を感じるようになりますね。
朝顔には、みなさんもいくつかの思い出があるのではないでしょうか。
私は、小学生時代に「朝顔の観察日記」という夏休みの宿題があったことを思い出しますが、現在も小学校の教材に使われているようですね。
7月の夏休み前、子供たちが小学校から宿題用に持ち帰った朝顔を見ては30年前を懐かしく思いました。
朝顔はその名前の通り、花は早朝に咲き、夕方にはしぼんでしまいます。
その姿に「儚さ」も感じさせられますが、ツルを伸ばし勢いよく育つ朝顔の姿は「夏の季節の花」をイメージする「逞しさ」も感じさせてくれます。
最近では夏の時期(7月~9月頃)を前に、省エネ対策で、窓から入る強い日差しを遮る「グリーンカーテン」として朝顔を育てる方も増えているようですね。
グリーンカーテンは日差しを遮るだけでなく、水分が蒸発する際の「気化熱」の効果で周囲の温度を下げてくれる効果もあるそうです。
今回の記事は、今年は「我が家も朝顔を育ててみようかな」と思っている方にピッタリ!。
朝顔は小学校低学年の教材となっているので、育て方はそれほど難しい花ではありません。
けれど、随分と昔のことすぎて、「種まきの時期」などすっかり忘れてしまっているのではないでしょうか。
グリーンカーテンとして朝顔を育てるなら、子供たちの「朝顔の観察日記」に負けない、ご近所でも評判の素敵な花を咲かせてみませんか?。
まずは朝顔について、
・朝顔の開花の季節は?
・朝顔は何月の花?
などをあらためて紹介しながら、お目当ての朝顔の種まきの時期や育て方のコツへと進めていきましょう!。
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朝顔が咲く季節は?朝顔は何月の花?
おそらく「朝顔の季節は?」と尋ねれば、誰もが「夏」と答えるでしょうね。
一般的に多く見かける、「日本朝顔」の開花は7月~8月頃。
だからこそ、夏休みの宿題にピッタリであり、その記憶からもイメージされる季節は「夏」となるのでしょう。
とはいえ、朝顔と一括りにいってもその種類は多く、
・早咲きの朝顔 : 7月~ 8月頃
・遅咲きの朝顔 : 10月~11月頃
と、それぞれ開花時期も大きく違ってきます。
朝顔は意外に長い時期、夏~秋まで楽しめる花だったんですね。
となると、朝顔の季節は夏?それとも秋なのでしょうか?。
朝顔の季語は?
朝顔の季語をご存知ですか?。
7月から開花しはじめるので「夏」と思われがちですが、俳句の世界では、朝顔の季語は「秋」というのが常識なのだとか。
でも、この夏と秋の季節のギャップには、現在の「新暦」と昔の「旧暦」との違いも大きく影響しているとも考えられます。
というのも、朝顔は奈良時代に「遣唐使」によって「薬」として伝えられた植物だったんですね。
それが、江戸時代頃になると、「観賞用」として朝顔を育てられるようになったそうです。
一般的に多く見られる「日本朝顔」も、現在の新暦8月下旬ころまで咲いています。そう、夏休みも終わりに近づく頃です。
夏休みも終わりに近づく頃には、どこからか「♪カナカナカナ…」と蝉のヒグラシの鳴き声が聞こえ、秋の訪れをも感じさせられます。
旧暦では9月下旬にあたる頃。そう思うと、朝顔の季語が秋であることも不思議ではありません。
朝顔は何月の花?
先にも紹介したように、早咲きの朝顔は7月~ 8月頃、遅咲きだと10月~11月頃までとなるように、種類によって開花時期や見ごろとなるピークが違うので、朝顔を「何月の花」と一概に紹介することはできません。
子供たちが教材に使う日本朝顔を例にとれば、7月~8月の花というのも1つでしょう。
たとえば、子供たちから「朝顔は何月の花?」と尋ねられれば、「7月~8月の花かな?」、「○○ちゃんも、夏休みに観察したでしょう?」でいいのではないでしょうか。
ここからは、現在日本で育てられている代表的な朝顔の種類を例に、それぞれの開花時期や見ごろのピークを見ていきましょう。
日本朝顔
私たちが最も見かける朝顔が「日本朝顔」。学校教材で用いられているのも、この日本朝顔です。
特徴としては、葉っぱの裏側が「ツルツル」している点。
花の直径が20㎝にもなる「巨大輪」など変化に富む種類でもあります。
開花時期は7月~10月頃、見ごろとなる開花のピークも7月~8月であることから、まさに夏休みの宿題「朝顔の観察日記」にピッタリなんですね。
早朝に開花して、午後にはしぼんでしまう。
日本朝顔は、朝顔に抱くイメージそのままです。
西洋朝顔
西洋朝顔の特徴は、日本朝顔のそれと違い、葉っぱの裏側に「毛」があること。
上の写真の「ヘブンリーブルー」の他、西洋朝顔の種類では、「ソライロアサガオ」や「アルバアサガオ」などが有名です。
遅咲きの種類が多く、開花時期は8月~11月頃、開花のピークも10月頃となります。
午前中に開花し、午後~夕方ころにしぼみます。
曜白朝顔
曜白朝顔の特徴は、花びらに白いすじ模様が入る点。
品種改良が繰り返されてきた朝顔のなかでも、曜白朝顔はとても人気が高い種類の1つです。
最後に交配された相手が日本朝顔ということもあり、開花時期は7月~10月頃、見ごろとなる開花の時期も7月~8月と日本朝顔のそれと同じです。
午前中に開花し、午後~夕方までにしぼんでしまうところも同じですね。
琉球(宿根)朝顔
日本朝顔に代表される一般的な朝顔は、その年かぎりの「一年草」なのですが、琉球朝顔は「多年草」。
開花時期は7月~11月頃で、開花のピークも9月~10月までととても長い期間楽しめることから、近年のグリーンカーテンではもっとも注目されている種類です。
「ノアサガオ」とも呼ばれ、突然変異種の「オーシャンブルー」が人気があります。
種ができませんが、冬に茎葉が枯れたあと地面に出た部分を切って「盛り土」をしておくことで冬越してくれます。
その他 朝顔の仲間たち
品種改良によって、ときに様々な朝顔の仲間があります。
例えば、
・夜顔 :夜に白い花を咲かせます。
・昼顔 :昼頃から夕方までに花を咲かせます。
・変化朝顔:自然の突然変異によって生まれ、花びら、葉っぱの形、色や大きさが元の朝顔と違うのが特徴的。
江戸時代に流行した朝顔の種類ですが、九州大学や朝顔愛好家の努力で現代にも受け継がれています。
・空心菜 :塩分を吸い上げるチカラが強いので、多くの植物が生息できない土地でも生き延びることができます。
ヒルガオ科サツマイモ属で、正しくは「ヨウサイ」。
中国野菜の1つとされ、茎の中が空洞なことが「空心菜」と呼ばれる由来。
葉っぱにはヌメリがあり、茎はシャキシャキとした歯ごたえがあります。
・薩摩芋 :みなさんが大好きな「さつま芋」も、じつは朝顔の仲間です。
というより、朝顔はヒルガオ科サツマイモ属の植物なので、言いかえれば、朝顔は薩摩芋の仲間という方が正しいのでしょうか?。
朝顔には、開花の時期が短いイメージがありましたが、品種改良によって様々な種類があり、代表的な朝顔の開花時期をその開花時期や見ごろもそれぞれ。
「朝顔は何月の花?」と尋ねられれば、子供のころの学習教材にも使われた「日本朝顔」の7月~8月と答えるのも1つの正解ではありますが、それ以外では11月頃まで咲いてる種類もあることから、「何月の花」については幅広く考えた方がいいのかもしれませんね。
11月ころまで咲いている朝顔もあるのですから、あらためて朝顔が「秋の季語」であることも納得ですね。
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朝顔の種まきの時期はいつ頃?
朝顔の種まきの時期は、いつ頃がいいのでしょうか。
初めての方はもちろん、久しぶりに朝顔を育てようと考えた場合、手元には朝顔の種がないので、まずは園芸店やホームセンターなどで扱われている市販の「種」を購入することがスタートになると思います。
実際の種まきの時期は、朝顔の種類によって異なりますが、市販の「朝顔の種」のパッケージには、その種類ならではの「種まきの時期」が紹介されています。基本的には、紹介されている時期を守って種まきをすればOKです。
種まきの時期の目安は?
朝顔の発芽温度は、20℃~25℃。
安定してこの気温になるのは、温暖な地方でも5月に入ってからになるのではないでしょうか。
朝顔は、種まき~開花までの期間を長くするほど「大きな花」を咲かせるというメリットがあるので、4月頃に種まきをするケースもあります。
その反面、発芽温度以下となる早い時期に種まきをすると、発芽までに時間がかかって種が腐ってしまうことや、発芽した苗が弱いモノとなるデメリットも生じます。
やや高めの気温「25℃」となるのを待って種まきをし、一気に発芽~ツルを成長させた方が、その後元気に育つといわれています。
その年の気候にもよりますが、朝顔の種まきの時期は、5月のゴールデンウィーク明け頃が1つの目安となるでしょう。
種まきの時期が遅れたときの朝顔は?
7月頃から開花し始める日本朝顔など「早咲き」の朝顔は、6月の中旬以降、二十四節気でいう「夏至」の頃からつぼみを作るようになります。
ゴールデンウィーク明け頃に種まきをすることで、種まき~開花までの時間を長くとることができ、大きな花の朝顔が期待されます。
逆に、小ぢんまりと咲く小さな花が好みなら、わざと種まきの時期を遅らせることも1つです。
種まきが7月頃まで遅れてしまった時は?
日本朝顔に代表される「早咲き」の朝顔でも、7月頃までに種まきをすれば、気温が高いことも手伝って発芽~開花まで一気に育つことはできます。
それでも、1つ1つの花はイメージよりずっと小さな花となり、その数も少なくなってしまうでしょう。
もしも、種まきが7月頃まで遅れてしまった時は、「西洋朝顔」や開花のピークも9月~10月までととても長い「琉球朝顔」など遅咲きの朝顔を選ぶ方がいいのかもしれませんね。
朝顔が発芽しやすくなる「種まきの前準備」のコツとは?
朝顔の種は、その表面が非常に固いことから、そのままでは芽をだすこと(発芽)しにくいことがあります。
「種まきの前準備」として、まずは「芽切り処理」や「吸水処理」を行いましょう。
まずは、種まきの前準備となる「芽切り処理」と「吸水処理」のコツを見ていきましょう。
種まき前の「芽切り処理」とは?
朝顔の種は、十分に吸水させることで発芽しやすい状態になります。
しかし、前の年に完熟して採れた種は、表面が固く厚い表皮に覆われていて、そのままでは上手く吸水してくれません。
そこで、種まきの前準備として、まず「芽切り処理」や「確実処理」と呼ばれるものを行います。
芽切り処理(確実処理)とは、発芽しやすくさせるために、カッターやカミソリで朝顔の種の丸くなっている側の表皮を薄く削って、種の中の「白い部分」が少しだけ見えるようにしてあげること。
その反対側には白い部分がありますが、そこは成長したのち「根」となる部分です。間違って削ってしまわないように注意しましょう。
市販の種のパッケージには、「芽切り処理済」や「確実処理済」など表記されているものもあるので確認してみて下さい。
ズバリ「発芽処理済」と表されていることもあるようです。
種まき前の「吸水処理」とは?
朝顔の種まきの前準備として、先の芽切り処理に続いて「吸水処理」を行います。
吸水処理とは、芽切り処理・確実処理をおこなった種を一晩「水」に浸け、十分に吸水させることなのですが、もしも水に浮く種があったら「まかない種」として、この時点で取り除いてしまうといいとされています。
決して「水に浮く種=発芽しない種」というわけではないのですが、より確実に発芽させることを考えるならば、水に沈んでいる種だけを選んで種まきするのも、種まきのコツの1つといえるでしょう。
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朝顔の種まき~育て方のコツ!
ここまで少々長くなりましたが、ここからは朝顔を育てるにあたって、「朝顔に適した土作り」や「種まき」、さらに「水やりタイミング」など、それぞれ段階ごとのコツを紹介していきたいと思います。
朝顔に適した土作り
朝顔の種を庭の花壇へ直接まくことや、植木鉢やプランターなどへまくことを「直まき」といいます。
ここでは、3号鉢に直まきする方法を例に紹介していきますが、植木鉢やプランターなど大きさが違っても考え方は同じと思って下さい。
用意するもの
□赤玉土(小):5
□腐葉土 :4
□籾殻燻炭 :1
□軽石
籾殻燻炭(もみがらくんたん)を含め、すべてホームセンターの園芸コーナーで用意できます。
①3号鉢の底に軽石を敷くのがコツ!
②赤玉土・腐葉土・籾殻燻炭を、「5:4:1」の割合で混ぜて植木鉢へ入れます
③植木鉢の底から水が流れるくらいに、しっかりと水を与え馴染ませておく
さぁ!朝顔の種をまきましょう
植木鉢に朝顔に適した土作りができたなら、朝顔の種をまく手順とコツを見ていきましょう!。
①植木鉢の土に深さ1cmほど指で穴を開ける
②種まきの基本は、1つの植木鉢に1つの種
③種をまく向きは、種の丸い方が上、根となる白い部分が下
種まきのコツ
①種を斜め45°程度に傾けてまく
②種に被せた土を軽く叩く
③もう一度しっかり土へ水を与える
種まきのコツ1 : 種を斜め45°程度に傾けてまく
種を斜め45°程度に傾けてまくことは、子葉が種の皮に邪魔されたまま発芽する「皮かむり」を防ぐことにつながります。
もしも、皮かむりの状態で発芽してしまったときは、水やり後に種の皮がふやけて柔らかくなったタイミングで取り除いてあげればOKです。
種まきのコツ2 : 種に被せた土を軽く叩く
種と種のまわりの土が密着することで、種が吸水しやすく発芽しやすくなります。
最後に、もう一度しっかり土へ水を与えましょう。
より元気な苗を選ぶ育て方「間引き」とは?
先の種まきのところで、「1つの鉢に1つの種」をまくのが基本と紹介しましたが、より元気な苗を選ぶ育て方に「間引き」という方法もあります。
間引きの方法
①植木鉢やプランターに間隔をあけて「3粒~5粒」ほどの種をまく
②発芽した苗の状態を見て、一番元気な苗を1つ残す
まさに、「選ばれし者(苗)」といったところでしょう。存分に花開いて欲しいですね。
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朝顔の種まき後の「水やり」のコツは?
朝顔の種まき後は、土から芽が出てくるのが「今か今か」と日々待ちわびてしまいます。
もしや、良かれと思って小まめに「水やり」してしまう気持ちもわかりますが、「水やりしすぎない」ことが、朝顔の種をまいた後の「水やり」のコツなのです。
というのも… 種まき~発芽までの間に水を与えすぎると、良かれと思う気持ちに反して「種が腐る」ことに繋がりかねません。
種まき時期の1つの目安となる、安定して20℃~25℃となるゴールデンウィーク明け頃の時期に種まきしたなら、「1日おき」くらいに「水やり」してあげれば十分です!。
種まきしてから1週間ほどで、植木鉢の土から芽が出てきますよ。
朝顔だけでなく、普段植物を育てられていない方だと、「発芽」を目にしただけでも大きな感動を覚えるかもしれませんね!。
発芽した後の「水やり」のコツ!
できれば朝のうちに1回、「土が乾いているか確認」してから水やりをします。
とくに気温が上がる夏に近づくほど、水やりの頻度は「毎日」となりますが、天候によって土の乾燥度合いは変わるので、土に湿り気があれば水やりする必要はありません。
水やりのコツ!
植木鉢の土が乾いたら、「植木鉢の底から水が流れ出るくらいまで」しっかり水やりするのが基本です。
ジョウロなどで、土の表面が濡れるだけぐらいの水やりでは、土の中の根までしっかり水が届きません。
「植木鉢の底から水が流れ出ている」ことを確認しながら、しっかり水やりすることが「水やりのコツ」です。
まとめ
今回は朝顔について、「開花の季節」や「何月の花」などに合わせ、種まきの時期や種まきと育て方のコツについて見てきました。
私自身も朝顔といえば、小学校の学習教材であり、夏休みの宿題「朝顔の観察日記」が大きな思い出です。
もしも、季節や何月の花なのかと尋ねられれば、「7月~8月」まさに「夏」の季節のイメージでしかありませんでした。
しかし、あらためて朝顔の種類やそれぞれの開花時期を探ると、開花時期や見ごろのピークは意外にも幅広いことがわかり、
朝顔の季語が「秋」であることにも納得がいきました。
お子さんは学校の夏休みの宿題「朝顔の観察日記」を、パパ・ママは、流行りの「グリーンカーテン」として、家の窓から入る日差しを遮る朝顔を育ててみるのは如何でしょう。
どうぞ、今回紹介した記事を参考に、素敵な大輪の花をつける朝顔を育ててみてください。
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