とろ~り濃厚な味わいが魅力のアボカド。サラダやサンドイッチ、丼物の具材のほか、色々な料理にアレンジを加えるアボガドディップにしたりと調理法もさまざまですね。
空前のアボカドブームは、日本だけでなくアメリカ・カナダへも広がり、中国では大幅な市場拡大が予想されています。
ちなみに、アボガドではなく「アボカド」が正しい呼び方です。
いや正直、私も長らく「アボガド」と間違って呼んでいたものですから(苦笑)。
ところで、アボカドは果物か野菜か、どちらだと思いますか?。
実はこの質問、本家「知恵袋」では14万人以上の方が閲覧されていたりします。
たしかにアボカドには、デザートやスイーツに繋がる果物のイメージはないのですが、逆にイチゴやメロン、スイカが果物のイメージに反して実は野菜であることと同じように、イメージとのギャップが、アボカドは果物か野菜か?という質問に繋がるようです。
ということで、今回は世界中で人気が高まるアボカドをテーマに「アボカドは果物か野菜か」を中心に、わかりやすく探っていきましょう。
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アボカドは果物か野菜か?!
冒頭で紹介したように、本家知恵袋では「アボカドは果物か野菜かどっちですか?」の質問に対し、
・果物です
・フルーツですよ
など、簡潔な回答がずら~っと並んでいます。
アボカドはわさび醤油で食べるとお刺身のトロのようだと寿司ネタに使われたり、特有のトロリとした濃厚な味わいは、サラダの具やディップにするなど様々なスタイルで楽しめる食材なことから、アボカドにはオールマイティに使える野菜をイメージされる人も多いのでしょう。
しかし、アボカドは果物に分類されます。
アボカドの和名は、皮の部分がワニ皮に似ているとして「ワニナシ(鰐梨)」ですし、そもそも梨というなら果物なわけです。
しかし、それだけでは説得力に欠けるかもしれませんね。
アボカドが果物に分類される、確固たる理由は農林水産省Webサイトにあります。
果物と野菜の違いは何?
アボカドは果物であること、野菜でないことの決定的な理由は農林水産省Webサイトや農畜産業振興機構Webサイトから探ることができます。
まず、果物とは?
概ね2年以上栽培する草本植物及び木本植物であって、果実を食用とするものを「果樹」として取り扱っています。
従って、一般的には果物とは呼ばれていないと思われる栗や梅などを果樹としている一方で、果物と呼ばれることのあるメロンやイチゴ、スイカ(いずれも一年生草本植物)などは野菜として取り扱っています。
引用:農林水産省|果樹とは
ここでは「果樹とは」として紹介されていますが、つまり分類上「木になる実」は果物ということです。
続いて、野菜とは?
・田畑に栽培されること(栽培されていない山菜などは野菜と区別することが多い)
・副食物であること
・加工を前提としないこと(こんにゃくのような加工を前提とするものは野菜としていない。漬物のように原料形質がはっきり残っているものや家庭における簡易加工は加工に含まない)
・草本性であること
・スイカ、メロン及びいちごは、栽培方法が苗を植えて1年で収穫する点で一般的な野菜と同じなため、野菜としての取扱
いとなっている。
簡単にいえば、畑で作られる草や草になる実は野菜に分類されます。
この果物と野菜に分類する定義から、10mほどの落葉樹で5月頃に花を咲かせ、翌年の11月から12月頃に果実が収穫されるアボカドは間違いなく果物であり、苗を植え1年で収穫するイチゴやメロンは野菜となるわけです。
とはいえ、アボカドを果物として買っている人は少ないでしょう。
イチゴやメロンは分類上は野菜なのに、スーパーでは果物コーナーに並んでいます。パフェやケーキに使うときは、完全に果物の扱いですよね。
有名な果物専門店「新宿高野」では、野菜のはずのメロンと果物のアボカドが同じギフトセットに詰め合わせになっているケースがあります。
出典:新宿高野|マスクメロン&トロピカルフルーツセット #11280
例えば写真の「新宿高野 マスクメロン&トロピカルフルーツセット」では、マスクメロンとアボカドが同じ箱に詰め合わされているように。
アボカドは野菜的果実とも呼ばれている
甘さや見た目の華やかさから、果物をイメージするのに分類上は「野菜」となるものに対し、農林水産省でも果物や野菜に分類する際の逃げ道が用意されていました。
なお、いちご、メロン、すいかなどは野菜に分類されますが、果実的な利用をすることから果実的野菜として扱っています。
素晴らしく、わかりやすい逃げ道ですよね!。
逆に、アボカドのように甘くもなく野菜をイメージする果物については、野菜的果実と呼んでいいようです。
正しくは野菜に分類されるアボカドですが、これからは野菜的果実・野菜的果物とグレーな感じで呼ぶといいかもしれません。
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アボカドが食べごろに熟した見極め方とは?!
さて、ここまで「アボカドは果物か野菜か」について探ってきましたが、ここからは「アボカドを美味しく食べる」ことに話を移します。
まずは、よく熟し食べごろになったアボカドの見極め方から。
食べごろのアボカドの選び方!
日本で流通しているアボカドの9割はメキシコからの輸入品で、まだ青々とした状態で収穫されて日本へと運ばれてきます。
スーパーで並ぶアボカドの山から、よく熟している美味しい食べごろのアボカドの選び方としては、
・皮の色は黒々しているもの
・押してみて柔らかく弾力性があるもの
あまりグニュグニュと押して探すのはマナー的に問題ではありますが、押した感じが食べごろの見極め方の決め手ではあります。
弾力性がなくなるほどグニャグニャに柔らかいアボカドは、熟し過ぎかな…と。
もしも、わかりにくければ店員さんに「選んでもらえますか?」と聞いてしまうのも一手です。
アボカドは野菜ではないけれど、野菜コーナーの店員さんは喜んで教えて(選んで)くれるはずです。
固いアボカドはリンゴやバナナで柔らかく!?
アボカドは収穫された後、追熟によって甘さが増したり果肉が柔らかくなることで美味しくなっていきます。
先に紹介した「食べごろのアボカドの選び方」のように、皮が黒く柔らかいアボカドを見つけられればいいですが、スーパーの仕入れ状況によってはご家庭で追熟する必要があるでしょう。
アボカドの追熟を促す温度は、20℃~25℃の常温がベストです。夏だとちょっと涼しいと感じるくらいの温度ですね。
さらに、リンゴやバナナなどエチレンガスを多く発生させる果物と密閉容器に一緒に入れて保存することで、追熟が早くなることが期待できます。
アボカドの追熟をリンゴやバナナで加速させる方法!
1.ジップロックなど大きめの密閉容器を用意
2.密閉容器にアボカドとリンゴやバナナを一緒に入れて密閉
3.直射日光を避けた20℃~25℃の涼しい温度の場所で保存
簡単3ステップで、リンゴやバナナから発生するエチレンガスの働きで追熟が加速し、1日~3日ほどでアボカドが食べごろになります。
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アボカドは森のバター!アボカドの栄養素と効能は?
アボカドは、「世界一栄養価が高い食べ物」としてギネス記録に認定されています。
とろりとした食感のアボカドは「森のバター」と呼ばれますが、果実の約20%が脂肪でできているように、果物の中でも脂肪分の多さが特徴的です。
そんな高脂肪では太るのでは?
という心配も、アボカドに含まれる脂肪には無用なのだとか。
アボカドに含まれる脂肪は、不飽和脂肪酸でコレステロールが含まれていないだけでなく、血液をサラサラにしてくれたり、カラダのコレステロールを減らしてくれる作用も期待されるのです。
アボカドに含まれる栄養素に期待される効能!
世界一栄養価が高い食べ物として、ギネス記録にも認定されているアボカド。
特筆すべきは脂肪ではありますが、11種類のビタミンや14種類のミネラルなど様々な効能が期待される栄養素も豊富に含まれています。
なかでも、多く含まれているビタミンB2とビタミンEには「不飽和脂肪酸」同様、脂肪を分解する働きがあります。
その他、アボカドに含まれるグルタチオンの抗酸化作用は肝臓を保護し、食物繊維は便秘予防、葉酸は細胞増殖効果から妊婦に必要な要素として注目されています。
まとめ
今回は「アボカドは果物か野菜か?」を中心に、アボカドの食べごろの見極め方、アボカドの栄養効果などを探ってきました。
果物か野菜か?といわれれば、アボカドは果物に分類されます。
しかし、今回の記事を書き進めるにあたり諸々調べていく中、果物的なイメージなのに野菜、野菜的なイメージなのに果物というグレーゾーンなものには、農林水産省でも逃げ道が用意されていたことを知ったのは大きな収穫でした。
・イチゴやメロン、スイカのように果物的なイメージだけど野菜に分類されるものは「果実的野菜」
・今回のアボカドのように野菜的なイメージだけど果物(フルーツ)なものは「野菜的果実」
と呼んでもいいとされること。
加えて一緒に紹介した、
・アボカドが食べごろに熟した見極め方
・アボカドの栄養素と効能は?
などの情報が、みなさんのお役に立てれば幸いです。
果物専門店「新宿高野」のWebサイトで紹介される「マスクメロン&トロピカルフルーツセット」に、アボカドがトロピカルフルーツに入っていることからして、やはりアボカドは果物なんですね!。
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