今、「ブロッコリースプラウト」について紹介しているCMをたくさん見かけます。
ブロッコリースプラウトとは、発芽してすぐのブロッコリーの幼い芽のことですが、とても栄養価が高く、今注目度№1の野菜と言っていいでしょう。
このスプラウトの親が「ブロッコリー」です。
親のブロッコリーは、昔から栄養素が豊富といわれていますので、とても人気がありますね。
でも、やはりそこはお野菜です。
調理方法によっては、豊富な栄養素を逃がしてしまい、その効果・効能を逃がしてしまうというとても残念なことに…。
今回お届けするテーマは、「ブロッコリーに含まれる豊富な栄養素とその効果・効能」。
さらに、「ブロッコリーの効果・効能を逃さない食べ方と調理方法」までご紹介いたします。
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ブロッコリーの豆知識!
ブロッコリーは、アブラナ科アブラナ属の緑黄色野菜です。
花を食用とするキャベツの一種が、イタリアで品種改良され現在の姿になったといわれています。
和名はメハナヤサイ(芽花野菜)、ミドリハナヤサイ(緑花野菜)と言われています。
ところで、カリフラワーとブロッコリーは同じキャベツの変種のため、生育初期の見分けは難しいらしいですね。
単位は「株」で数えます。
地中海沿岸が原産で、食用にしているのは、つぼみの状態の花序(かじょ)と茎の部分です。
ちなみに、ブロッコリーを収穫しないで放っておくと、巨大になった花序に多数の黄色やクリーム色の花が見られます。
ブロッコリーは多くの栄養素が含まれるスーパーフード!
ブロッコリーには、私たちの健康を支えるための手助けとなる、頼もしい栄養素がたっぷり含まれています。
そんな頼もしい栄養素には、
・ビタミンA
・ビタミンC
・葉酸(水溶性ビタミンの一種)
・食物繊維
・ミネラル
・タンパク質
・ポリフェノール
など、おなじみの栄養素があります。
しかし、近年はこれらに加え、
・スルフォラファン
・SMCS
など効果・効能が素晴らしい栄養素が発見されたことで、さらに注目が集まっているのです。
ここでは、これら栄養素1つ1つについて、その特徴と効果・効能について見ていきましょう。
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ブロッコリーの栄養素1:ビタミンAの特徴と効果効能
まず、ブロッコリーに含まれてる栄養素である「ビタミンA」は、特に「レチノール」が注目されています。
このレチノールは、抵抗力のアップやお肌にも必要とされています。
また、細菌からカラダを守ってくれる機能をアップさせる効果があるといわれており、私たちのカラダにはとてもありがたい成分と言えます。
しかし、ビタミンAは過剰に摂取するとカラダに害がでるという逆効果の面もありますので注意が必要です。
ブロッコリーの栄養素2:ビタミンCの特徴と効果効能
ブロッコリーに含まれている「ビタミンC」は、ブロッコリーの中でも代表的な栄養素です。
ビタミンCといえば、柑橘系のくだものを思い浮かべますが、ブロッコリーには、それに負けないくらいのビタミンCが含まれています。
ビタミンCは、免疫力をアップする効果や強い抗酸化作用があるため、抵抗力をアップして強いカラダを作るだけでなく、美肌に欠かせないコラーゲンを作ったり、むくみの解消や脂肪燃焼の働き、動脈硬化を防ぐというような重要な栄養素です。
ちなみにビタミンCは、成人男性・女性共に「1日100mg」摂取することが推奨されています。
ところで、ビタミンCは人間の体内では合成できない栄養素です。
そのため、意識して日頃から積極的に摂取することが求められます。
その点、ブロッコリーはピッタリの野菜といえるでしょう。
ブロッコリーの栄養素3:葉酸の特徴と効果効能
ブロッコリーに含まれている栄養素である「葉酸」は、水溶性ビタミンの1つです。
葉酸の主な働きは「核酸」を合成することで、赤血球の細胞を作るのに大きな役割を担っています。
つまり、葉酸は「造血のビタミン」なんですね。
特に、妊婦さんにとってはとても重要なビタミンです。
妊娠初期にしっかり摂取することで、胎児の先天性の異常である「神経管閉鎖障害」のリスクを低下させることが期待できます。
そのため、妊婦さんにとっては、ブロッコリーはとても力強いみかたと言えるでしょう。
ブロッコリーの栄養素4:食物繊維の特徴と効果効能
ブロッコリーに含まれる栄養素に、「食物繊維」もかなり豊富に含まれています。
ご存じの通り食物繊維は、整腸作用、つまり便通をよくする働きがあります。
腸のぜん動運動を促進し、便秘の解消にとても効果的です。
じつは近年、大腸のコンディションをよくすることで、いろいろな病気を予防できることがわかってきました。
特に今、増加の一途をたどっている大腸がんの予防のためにも、食物繊維は必要な栄養素のひとつといわれています。
しかし、ブロッコリーに含まれる食物繊維は水に溶けない「不溶性食物繊維」です。
不溶性食物繊維を多く摂りすぎると、便秘気味の方はかえって悪化させてしまうことがあるため、ブロッコリーと一緒に「水溶性食物繊維」の多い食材、例えば、わかめやオクラなどを一緒に摂取することで、より大腸を元気にする効果・効能が期待できます。
ブロッコリーの栄養素5:ミネラルの特徴と効果効能
ブロッコリーに含まれている「ミネラル」の代表的な成分には、「カリウム」「クロム」「鉄分」「カルシウム」「亜鉛」等があります。
特にカリウムは、高血圧やむくみを予防したりする効果・効能があり、私たちのカラダの調子を整えるために必要不可欠です。
また、クロムは、脂肪を燃焼する役割があり、鉄分は貧血予防のために大切な栄養素です。
このように、ブロッコリーはさまざまなミネラルが、バランスよく含まれているといえるでしょう。
ブロッコリーの栄養素6:タンパク質の特徴と効果効能
意外に思われるかもしれませんが、ブロッコリーには「タンパク質」も含まれているんです。
ご存じのようにタンパク質は、炭水化物や脂質に並ぶ三大栄養素としても知られており、カラダを作る効果・効能があります。
それに加えてエネルギー源としても重要な栄養素ですので、それがブロッコリーに含まれているなんてうれしい限りですね。
ブロッコリーの栄養素7:ポリフェノールの特徴と効果効能
赤ワインやブルーベリーなどに多く含まれているといわれる「ポリフェノール」は、ブロッコリーにも含まれています。
ポリフェノールは、脂肪の消費効果や美白などの美容効果・効能も期待できる栄養素です。
そう、ブロッコリーは健康だけなく、美肌に関心のある方にも注目度の高い野菜となっているんです。
美味しくブロッコリーを食べることで、美しくなれるなんて…、嬉しいですよね。
ブロッコリーの栄養素8:スルフォラファンの特徴と効果効能
今、ブロッコリーの「スルフォラファン」が注目されています。
よくテレビ番組でも紹介されているので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
近年の研究の結果、ブロッコリーに多く含まれているスルフォラファンには、
・強い抗酸化作用と解毒作用
・胃がん・大腸がん発症を防ぐ効果
・肝臓機能改善機能
など、驚きの効能・効果が期待できるという結果が紹介されるようになりました。
そう、スルフォラファンが多く含まれているブロッコリーは、現代の「スーパーフード」といえるのです。
ブロッコリーの栄養素9:SMCSの特徴と効果効能
ちょっと聞き慣れませんが、ブロッコリーには「SMCS」という天然アミノ酸の一種が豊富に含まれています。
アミノ酸はカラダの基礎になる栄養素で、現在、自然界には約500種類のアミノ酸が存在すると言われています。
その中の「SMCS」とは、「S-メチルシステインスルホキシド」の頭文字をとった略称で、近年の研究の結果、肝臓内にある酵素の働きを活性化する働きがあり、胆汁酸の合成を促進し、排出されるコレステロールの量を増やすことがわかりました。
そのため、悪玉コレステロールと呼ばれる、LDLコレステロールを下げる成分として知られるようになってきました。
ブロッコリーの栄養素を逃がさない調理法を考えてみた!
では、このように栄養豊富なブロッコリーを、上手に栄養素を逃がさず調理するにはどのような方法がよいのでしょうか?
じつはブロッコリーの食べ方って、お国によって異なるようです。
例えば、アメリカでは「生食」が一般的だとか。
生ですと、さすがに逃げやすいビタミンCなどの栄養成分を逃がさず、そのまま摂取できそうで効率的な感じがします。
では、日本ではどうでしょうか。
たしかに「私、ブロッコリーは生で食べる」という方の声を聴くときがあります。
しかし、少なくとも私のまわりは、ほとんど見掛けませんでした。
やはりブロッコリーの代表的な調理方法としては、「茹でるか蒸すか」の2種類が多いようです。
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ブロッコリーの栄養素を逃がさない調理法!「茹でるvs蒸す」を栄養成分で比較!
では、ブロッコリーを茹でた場合と蒸した場合、栄養成分はどのように変化するのでしょうか。
ここでは、J-STAGE「無水調理によるブロッコリーのミネラル・ビタミンの変動」の研究の結果をもとにまとめてみました。
その結果は以下の通りです。
ブロッコリーを茹でた場合
鍋で茹でたブロッコリーでは
・ミネラル類の中でもカリウムと亜鉛は50%以下に減少
・ビタミン類は、カロテンの残存率はほぼ100%
・ビタミンB1は58%の減少
・ビタミンB2は35%の減少
・ビタミンCは44%の減少
という結果でした。
ブロッコリーを蒸した場合
無水鍋を使って蒸した場合
・ほとんどのミネラルが90%以上残る
・カリウムと亜鉛も約90%程度残る
・ビタミン類のカロテンやビタミンB1は約100%残る
・ビタミンB2は80%残る
・ビタミンCは94%残る
ちなみに、電子レンジで加熱したブロッコリーは、蒸した場合と同様にミネラル類とビタミン類が多く残るという結果でした。
さらに驚くことに、ビタミンCは蒸した場合を上回り、97%が残る結果となりました。
ブロッコリーの栄養素を逃さない!調理法№1は「蒸す」
このデータを見てみると、ブロッコリーの調理方法は断然「蒸す」に軍配が上がりますね。
私は、家族のカリウムやリンの制限食を作っているため、ブロッコリーはあえて茹でて使っています。
しかし、そのような特別な理由がない場合は、是非「蒸す」調理方法をおすすめいたします。
また、ブロッコリーを蒸して調理すると、約8割のビタミンCが残るだけでなく、今注目を浴びている「スルフォラファン」などの他の大切な成分も生かせることがでるのです。
電子レンジも栄養素を逃がさない効果が大
電子レンジでの加熱の場合、「蒸す」と同等、またはそれ以上に栄養の変化が少ない調理法といえるようです。
電子レンジを使う場合のポイントは「蒸すように加熱」することです。
ビタミンCは水に溶けだしやすいので、電子レンジはそれを最小限に抑えてくれます。
ですから、調理をする場合は、まずブロッコリーを耐熱容器にいれて、少量の水を入れてラップをして、電子レンジで加熱します。
レンジで加熱したブロッコリーは、熱が通っていますので、加熱したブロッコリーを使う場合は、後入れして調理すると栄養をしっかり摂れます。
どうしても茹でたい場合は?
でも、「私は茹でたブロッコリーが好き」という方もいらっしゃるでしょう。
そんな方は、次のようにすると栄養素の流出をより少なくすることが可能です。
・まず、花蕾を小房にカットします。
・茎は、外側の固い皮の部分を剥きます。
・そして、沸騰したお湯の中で90秒ほど茹でます。
この茹で方ですとチョッと固めにはなりますが、栄養素の損失を最小限に抑えられます。
ちなみに、茎の皮は茹でてから手で剥くこともできますよ。
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ブロッコリーの栄養素を逃さない!洗い方&保存方法
では、次に具体的な「ブロッコリーの栄養素を逃さない洗い方&調理法」についてご紹介いたします。
栄養を逃さないブロッコリーの洗い方!
ブロッコリーには撥水性があるので、水で洗うというよりは、水を入れたボウルなどに15~20分程度浸すのがよいかもしれません。
このように水に浸けることで、虫やゴミなどが出やすくなります。
その後、水の中でよく振って水の中に汚れを落とします。
栄養を逃さないブロッコリーの保存方法!
生の場合、表面をふき取ってビニール袋に入れたあと、ブロッコリーは立てた状態で保存します。
冷蔵室でも、野菜室でもOKです。
それでも2~3日のうちに食べるようにした方が、栄養分をしっかり摂れ、ブロッコリーの効果・効能が期待できます。
冷凍保存をする場合は、茹でるなど調理してから保存してください。
ちなみに、解凍したブロッコリーの食感は落ちてしまうので、料理に使うときは注意してくださいね。
ブロッコリーの効果・効能を逃さない食べ方!
それではここで、我が家で実践している「ブロッコリーの効果・効能を逃さない食べ方」として、私のおすすめレシピをご紹介いたします。
栄養を丸ごと!ブロッコリーのポタージュ
ブロッコリーの栄養を丸ごと逃がず食べるのに、私的にはこれが1番と思っているのが「ブロッコリーのポタージュ」。
時々作っているレシピです。
材料 (2人分)
・ブロッコリー1/2株
・玉ねぎ1/4個
・バター適量
・水1/2カップ
・牛乳1/2カップ
・コンソメ(顆粒)または洋風だし小さじ1/3
・生クリーム1/4カップ
・塩こしょう適量
作り方
1.ブロッコリーは、茎も含めて全部細かく切りわけます。
2.玉ねぎは薄切りにします。
3.鍋にバターと玉ねぎを入れて、しんなりするまで炒めます。
4.3にブロッコリーと水を入れて柔らかくなるまで煮ます。
5.4をミキサーにかけ撹拌して鍋に戻します。
6.牛乳とコンソメを加えて混ぜ、弱火で加熱します。
7.生クリームと塩こしょうで味を整えます。
電子レンジで加熱したブロッコリーのツナマヨあえ
みんな大好き「ツナマヨネーズ」をブロッコリーと和えます。
色々なところで活躍できる一品ですが、超簡単にできますので、ブロッコリーを多めに購入した時は、私はいつも作っているレシピです。
材料
・ブロッコリー1株
・ツナ1缶
・マヨネーズ適量
・胡椒 適量
作り方
1.ブロッコリーを小さめにカットして、電子レンジで蒸して冷ましておきます。
2.ツナの油分や水分をしっかり切っておきます。
3.ボウルに、冷ましたブロッコリーとツナ・マヨネーズ・胡椒を入れて、混ぜ合わせて出来上がり!。
この一品、ご飯のおかずやサンドイッチの具、お酒のつまみなど、色々な場面で活躍してくれますよ。
子供が喜ぶメニューですが、この中にからしやワサビを入れると大人味に変身です。
ブロッコリーこぼれ話
ブロッコリーは、アメリカ人との関係がかなり密なようです。
アメリカでブロッコリーといえば国民食のような存在のようで、健康の象徴としてとらえられているようです。
例えば、ジョージ・H・W・ブッシュさん(第41代大統領)は、ブロッコリーが大嫌い!。
どうも、子供時代に無理やり食べさせられた「苦い経験」から来たようです。
日本でいえば、「ピーマン嫌い」というところでしょうか。
しかし、大統領になった後に「ブロッコリー嫌い」をカミングアウトしてしまったから、さあ大変!。
ブロッコリー農家から、これでもかとブロッコリーを大量に送りつけられるという騒動が勃発しました(苦笑)。
さすがアメリカ!。やることが大きいですね(笑)。
また、ブロッコリーはブーケとして利用されたようです。
結婚式では、新婦がブーケトスをおこないますが、ブロッコリーのブーケトスは、新郎が実施するらしいです。
幸せの象徴という意味をもつ「ブロッコリー」
これを、独身男性たちに向かってトスして、無事にブロッコリーをキャッチできた人が次の花婿となるというものです。
でも、個人的に思うのですが…。
ブロッコリーって硬いですよね?。
「あれが頭に当たったら痛いだろうなぁ」なんて考えてしまいました。
まとめ
今回は、ブロッコリーに含まれる栄養素や、その効果・効能を色々と調べて驚かされました。
ブロッコリーって、まさに「スーパーフード」なんですね!。
私的には、家事事情で茹でるため、ブロッコリーには「面倒だ」というイメージがありましたが、近年の「ブロッコリースプラウト」のCМを見ては、その素晴らしい効果・効能を聞くにつれて、今以上に積極的に摂ってみたいと思いました。
野菜はどのようなものでも、茹でるとどうしても栄養成分が減少してしまいますが、今は電子レンジという強い味方があります。
是非、調理器具を上手に利用して、より栄養を損なわないブロッコリー料理に挑戦してみたいと思っています。
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