青りんごは、レモンやグレープフルーツにはない、独特な甘酸っぱさが特徴的な果物ですよね。
食べれば美味しいのですが、フルーツとして青りんごを食べる機会が多いかというとそうでもなく、食卓に並ぶのはやはり赤いりんごが多いのではないでしょうか。
青りんごは、キャンディとかサワーとかの青りんご味などで楽しむ感じがします。
しかし、どうしてフルーツのりんごといえば赤いりんごで、青りんごではないのでしょうか。
味や食感も違うような感じがしますよね。
青りんごの方がシャキシャキしていて、赤いりんごはしっとりしてる?。
でも、それは購買者だからそう感じるだけなのでしょうか。
農家の方は、もっと味や食感に違いを感じているのでしょうか。
本当のところ、青りんごと赤いりんごの違いは何なのでしょう。
「りんごが赤くなると医者が減る」といいますが、青りんごと赤いりんごに、栄養やカロリーの違いはあるのでしょうか。
今回は、青りんごと赤いりんごの違いについて詳しく見ていきましょう。
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りんごを色の違いで区別するのは日本人だけ?!
改めて考えてみましょう!。
どうしてりんごは、赤だの青だのと色で呼び名を分けるのでしょうか。
青いバナナをわざわざ青バナナとは呼ばないし、緑がかったパイナップルを青パイナップルとは呼びませんよね。
それなのに青りんごだけは、わざわざ「青りんご」と呼んで赤いりんごと区別しています。
どうして?
その答えを、NHK番組のチコちゃん風にいうなら
「りんごは赤いから~」
日本人は、りんご=赤(紅)と捉えている方が非常に多いですね。
わたしを含め日本人のほとんどの方は、“りんごの絵を描いて下さい”と言われたら「赤い」りんごを描くのではないでしょうか。
それは日本人のアイデンティティであり、決して悪い事ではありません。
戦後日本の第一流行歌も、「赤いりんごに くちびるよせて~♪」でしたね。
ご存知ですか?
題名は、「リンゴの唄」。
歌詞に、青りんごは出てきません。つまり、日本では「りんごは赤い」のです。
「りんご1個」と果物屋の主人に言って、「青りんご1個」が袋に入っていたら日本人は怒っちゃいます。
日本人は、わざわざ赤いりんご以外のりんごについては「青りんご」と呼んで区別しなければ、青だか赤だか分からなくて困っちゃうんですね。
ちなみに、欧米や東南アジアではりんご=赤(紅)ではありませんから、「りんごが欲しい」といった時に、赤いりんごが出てきても青りんごが出てきても何とも思いません。
赤いりんごと青りんごの作られ方の違い
どんなりんごも、若い実のうちは赤色ではなく緑のような色をしています。
バナナや柿も、若いうちは緑色をしていますよね。
この緑は、葉っぱの緑と同じなんです。
秋になると葉が茶色く枯れたり、葉緑素がなくなり紅葉するように
りんごからも、葉緑素である緑が消えていきます。
その代わりに、太陽の光が当たると増えていく色素「アントシアン」が増えるのですが、このアントシアンが赤い色素のだからこそ、りんごが赤くなるのです。
では、日光に当たらなかったりんごを「青りんご」というのかいうとそうでもありません。
もちろん、若い実のうちに出荷されたものを「青りんご」と呼ぶ事もありますが、
王林など、日光にあてても赤くなる時には熟しすぎてしまうような、青いうちが最も美味しいりんごを「青りんご」と呼んでいます。
また、「サンふじ」と「ふじ」、「サンつがる」と「つがる」のように「サン」がついている方がより赤々としているという、「太陽への当て方」によって色が違うりんごもありますね。
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青りんごと赤いりんご、味や食感・栄養やカロリーの違いは?
太陽の当て方で色が変わるだけなら、味や品質はそう変わりがないんじゃないの?と結論付けてはいけませんよ。
たかが太陽。されど太陽。
良い面もあれば、悪さをする面もあるんです。
味や食感の違いは?
一概に青りんごだから赤いりんごだからと、色だけで区別が出来るものではありませんが、
先にご案内した「ふじ」のように同じ両親を持つ品種の場合には、赤いりんごの方が甘くてしっとり、青りんごの方がシャキシャキ、甘みのないスッキリした味だといえるでしょう。
つがるは「青りんご」のゴールデンデリシャスと赤いりんごの紅玉を親に持つため、赤味が強いものは(それをサンつがるといいます)紅玉の甘さに匹敵し、赤味が弱い時は(それをつがると言います)ほのかな甘みと青りんごのシャキっと感がありますね。
ちなみに、王林は「りんごの中の王様」の名のとおり、青りんごながら相当に甘いです。
シナノゴールド(これはもう、青りんごというか黄色ですが)も、甘くて美味しい青りんごの代表ですね。
栄養やカロリーに違いはあるの?
葉緑素という色素が強い状態が青りんごで、アントシアンという色素が強い状態が赤いりんごなのですが、色素の違いだけでは栄養やカロリーに影響はありません。
しかしながら、徹底的に異なるのが、青りんごには「アシトシアン」が無いということです。
アントシアンを含む、アシトシアニンには高血圧の予防、視力の改善の効果があると言われています。
赤いりんごの皮は果肉に比べ約4倍のアントシアンが含まれているので、その効果を期待するのであれば、皮も一緒に食べて下さいね。
> りんごは皮ごと食べるといい?りんごの皮に含まれる栄養素と注意点 <
しかしながら、青りんごも負けてはいませんよ!。
青りんごには赤いりんごには無い、「プロシアニジン」が含まれています。
プロシアニジンは脂肪の燃焼を促進し、蓄積を抑えるポリフェノールの一種で、いわゆるダイエット効果に繋がる成分なんです。
赤いりんごにも青い時期には含まれているのですが、赤くなる過程でアントシアニンに変化し、プロシアニジンは無くなってしまいます。
まとめ
こんなにも青りんごや赤いりんごについて調べてみた結果。
結局は赤だの青だの選り好みせず、農家の方が一生懸命作られるものであれば、少々の見た目なんか気にせず食べるのが一番いいんだろうな~という結論に至りました(苦笑)。
欧米の市場に並ぶりんごは、赤っぽいものもあれば緑っぽいものもゴチャゴチャになって売っていますものね。
りんご=赤(紅)から、いつか日本は脱却する日が来るのでしょうか?。
そのとき、日本の子供たちはりんごの絵を何色で描くのでしょうね。
楽しみです(笑)。
わたしは一足お先に、今日からりんごに対する「赤色」の固定観念から脱却してみたいと思います!。
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