現代ではすっかり死語と化していた「半ドン」という言葉が、Twitterを中心としたSNS上でにわかに盛り上がっている様子。
どうやら、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大の影響で学校が長期休校となった影響で、不足した授業時間を土曜日に登校したり、夏休みを短縮することで補おうとする動きに反応した形のようですね。
「半ドン」じたい、歴史の教科書に載っていても不思議じゃないくらい「昭和」の時代を表す言葉の1つですが、それが「復活するかも?」なのですから話題にもなるでしょう。
もちろん、学生側からすれば「土曜半ドン、マジないわ~!」でしょう。
アルバイトの時間も減っちゃいますからね。
かく言う私もここ数年、仕事の関係で土曜日に午前中だけ出勤することが多くなったのを機に、奥さんに「今週も土曜は半ドンだから」と言葉を懐かしむように話すことが増えていました。
ただ正直、「半ドン」の言葉の意味を今一つ理解せずに使っているのではないかと…。
最たるが、半ドンの「ドン」て何?ってこと。
・半ドンって何?意味は?
・半ドンの「ドン」て何?
・半ドンの言葉の由来は地方の方言?
今回の記事は、Twitterでも話題となった「半ドン」という言葉をテーマに取り上げ探っていきますね。
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「半ドン」てどんな意味?!
私の「半ドン歴」は、仕事が忙しくなったここ2年ほどのこと。
独身時代、実家で「半ドン」という言葉を聞いたことはありませんでした。
一方、パートナーである奥さんのお義父さんが勤めていた会社は所謂「大手」企業でしたが、「半ドンの日には、お土産を買って帰ったものだよ」と散々昔ばなしを聞かされました。
仕事を半ドンで上がって、東横のれん街に立ち寄るのがお決まりのコースだったそうです。
半ドン(はんドン)とは、午前中に業務・授業が終了して午後が休みの早期終業のことを指す俗語。午後半休のこと。
ここでいう、午後が休み(半休)となるのは主に「土曜日」で、私が最近使うようになった「半ドン」に抱いていた意味も間違いないようで安心しました。
そんな、現代の若者たちにとって、もはや歴史上の言葉である「半ドン」も、2002年より以前はごく日常的に使われる言葉だったんですよ。
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半ドンの歴史!
日曜日の全休と土曜日の午後を半休「半ドン」とする働き方は、世界的には1850年に立法化されたイギリスの工場法改正を機に広まっていきます。
それから26年後の1876年(明治9年)、日本でも官公庁や一部大手企業を中心に土曜日を半休「半ドン」とする働き方、労働スタイルが導入されていきます。
その後、1980年代になると多くの企業が「週休2日制」を導入しはじめましたが、それまでの約100年間「土曜日の午後を半休とする」働き方・労働スタイルは、「半ドン」という俗語となって広まり使われるようになりました。
学校教育の場の半ドンの歴史!?
学校教育の現場では、いわゆる「ゆとり教育」の一環として、1992年頃から第2土曜日をお休みとする形が取り入れ始められるまでは、毎週土曜日も午前中の授業のために登校していました。
2002年には全国の小中学校で、翌2003年には高校でも完全週休2日制(週5日制)が導入されたのを最後に、土曜日の登校はなくなります。
1992年 : 第2土曜日を休日に
1995年 : 第2・第4土曜日(隔週)を休日に
2002年 : 小中学校で週休2日制(週5日制)が導入
2003年 : 高校で週休2日制(週5日制)が導入
つまり、2002年以降に小学校へ入学(7歳)した方(1995年生まれ以降の方)は、土曜日の「半ドン」授業を経験したことがない年代ということになります。
ただし「半ドン」という言葉じたいは、会社・仕事の働き方・労働スタイルを表して使われることが中心だったので、多くの企業が週休2日制を導入し始めた1980年代を境に、徐々に「終焉」を迎え、いつしか「死語」となっていきます。
というのも、当時の子供たちは土曜日の半日登校を「半ドン」とは呼んでいませんでした。
半ドンとは、お役所勤めや会社員のお父さんたち「大人世代」の間でのみ使われ広まった俗語のようです。
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半ドンの「ドンて何?
半ドンの「半」は、半分を表していることが想像に違わないものの、問題は半ドンの「ドン」。
近頃は復活の兆しが見える「半ドン」ですが、半ドンの「ドン」を丼ぶりの「丼」と捉える若者も多いようです。
ラーメン定食の「半チャーハン」的な、「半丼」のイメージでしょうか(苦笑)。
無理もありません、「半ドン」はおよそ40年以上忘れさられていた死語ですもの。
それでは、今回のメインテーマとなる半ドンの「ドン」て何なのかを探ってっていきましょう!。
調べるほどに色々な説が飛び出してきます。果たしてどれがホンモノでしょう?!。
半ドンの「ドン」はオランダ語の「休日」説!
半ドンの「ドン」て何?
最も有力視されている説は、江戸時代末期に海外との貿易の中心地であった長崎から。
オランダ語で「日曜日」や「休日」を意味す「zondag(ゾンターク・ゾンダッヒ・ゾンダハ)」という言葉が訛って伝わった「ドンタク」を縮めて「ドン」となったというもの。
「ドンタク」は、九州・博多の有名なお祭り「博多どんたく」の語源でもあります。
午後半休=半分ドンタク、それを縮めて「半ドン」とは、なるほど確かに。
半ドンの「ドン」は正午の午砲(空砲)説!
明治時代から太平洋戦争中にかけ、まだまだ時計が普及していない庶民に「時間の意識づけ」を目的に、正午に空砲が打たれていました。
正午を告げる砲なので、「午砲(ごほう)」とも呼ばれます。
正午を告げる午砲の「ドン!」が聞こえると、「お昼ご飯だ」「休憩だ」と時間を掴むことができたのです。
土曜日は午前中のみの半日仕事、「ドン!」と午砲が聞こえれば仕事はおしまいということから「半ドン」と呼ばれるようになったという説です。
半ドンの「ドン」は半分休みの土曜日「半土」説!
これは、チョッと無理のある説かとも思えますが…。
平日の半分の時間で仕事が終わる「土曜日」ということで、半分休みの土曜日を略して「半土(はんど)」。
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半ドンて地方の方言?!
半ドンの意味・歴史から始まり、メインテーマである半ドンの「ドン」って何なのかなど、その由来をだいぶ掴んでいただけたと思います。
それでも、本家・知恵袋サイトを覗くと意外な質問がありました。
「半ドンは方言ですか?」
質問者は20代後半で、会社の同僚との会話の中で「半ドン」という言葉を使ったら、「半ドンて何?」となったことから一部の地方でしか通じない「方言」なのかな…と思ったとのことです。
ちなみに、「半ドンは方言ではない」というのが大方の意見です。
先にも紹介したように、半ドンの「ドン」は、オランダ語の休日「zondag(ゾンターク)」が訛って「ドンタク」と伝わり、「ドン」はその短縮形だとする説がもっとも有力です。
九州・博多の有名なお祭り「博多どんたく」も同様にオランダ語の休日「zondag(ゾンターク)」が語源ですから、けして九州北部地方の「方言」という訳ではないとの見解です。
逆に、半ドンを知ってる人や半ドンを使っていた人の分布をみれば「ほぼ全国的」なものであり、その差は「地域」ではなく「年代」によるもの。
やはり、半ドンは「方言」ではなく、時代背景の影響が大きい「俗語」の位置づけなのでしょう。
半ドンを知っているかは父親の仕事も影響してる!?
先の、「半ドンてどんな意味?!」の部分でも紹介したように、私が「半ドン」を使うようになったのは、現在の奥さんと結婚したのちのこと。
義理のお父さんから、「昔は、半ドンの帰りにさぁ…」と昔ばなしを聞かされて覚えました。
義理のお父さんは、某大手「製造業」に勤務していましたし、まさに半ドンの土曜半休から「週休2日制」の移りかわりを実体験された年代です。
一方、私の父は自動車のディーラーに勤めていたので平日がお休み。もちろん、半ドンで半休の日などまったくありませんでした。
当時の子供たちは、土曜日に午前中だけ登校するスタイルを「半ドン」とは呼んでいませんでしたが、その後大人になった現在「半ドン」を知ってる・知らない、使っている・使わないのラインは、父親の仕事・職場環境も大きく影響しているのではないでしょうか。
まとめ
今回は、Twitterを中心にSNS上でもにわかに話題となっている「半ドン」という言葉をテーマに取り上げ探ってみました。
・半ドンの意味は?
・半ドンの「ドン」て何?
・半ドンて地方の方言?
半ドンって何?とちょっと調べてみたかった皆さんに、少しばかりお役に立てたでしょうか。
半ドンの「ドン」が、オランダ語のオランダ語の休日「zondag(ゾンターク)」が訛って「ドンタク」を縮めた言葉だったというのは、なるほど私も勉強になりました(苦笑)。
九州・博多の有名なお祭り「博多どんたく」の「どんたく」の意味も知れて、すっきりした感じです。
近年は、ほぼ死語と化した「半ドン」。私もプライベート限定でしか使わない言葉になっていました。
今年は新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大の影響もあって、主に学生たちの間で思わぬ「復活」をみせた「半ドン」。
だけど、まだチョッと恥ずかしさもあるので…。
私は、若い社員も多い職場で使うのは「もう少し様子をみてから」にしようかなと思います(苦笑)。
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