先日、カタツムリの餌や飼い方の注意点をテーマにした記事を紹介しました。
カタツムリの餌は何?葉っぱの種類は?野菜も食べる?飼い方と注意点!
カタツムリの種類を見分けるポイントは、殻の大きさや巻き方、色や模様と紹介したのですが、殻をよく観察すると殻の形や年輪のような線で「大人のカタツムリなのか子供のカタツムリなのか」、つまりカタツムリの成長度合いもわかります。
カタツムリは別名「でんでんむし」と呼ばれることもありますが、実はカタツムリは「虫」ではなく「貝」の仲間「陸貝」に分類される生き物で、生涯を通じて背中に渦巻状の殻を背負います。
貝の殻を背負った姿が似ているヤドカリは、カラダの成長とともに大きな殻を探して引越していきますが、カタツムリと殻の大きさの関係はどうなっているのでしょう。
カタツムリは調べるほどに、かなり不思議な生態の生き物であることがわかります。
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殻も一緒に成長する?年輪でわかるカタツムリの年齢
みなさんは、カタツムリを見て雄と雌の違いがわかりますか?。
いいえ、わからなくて当然です。
というのも、カタツムリは、1匹の体の中に雄と雌両方の役割を備える「雌雄同体(しゆうどうたい)」の生き物。
大人のカタツムリが2匹いれば、お互いの雄と雌とを交わせる形で交尾し、それぞれが産卵し子孫を繋いでいくのです。
カタツムリは生まれつき殻を背負っている
カタツムリは、その象徴ともいえる渦巻き状の殻を最初から背負って生まれてきます。
卵の殻を破って生まれたカタツムリの赤ちゃんの大きさは全長約2㎜、殻の渦巻きは1巻半ほどです。
殻の成長にはカルシウムも必要
カタツムリと殻の関係は、生まれながら一心同体。
海のヤドカリは自身の体の成長に合わせて、より大きな貝殻を探し引っ越ししていきますが、カタツムリの殻は体の一部で離れることはできません。
自身から分泌される石灰分(カルシウム)で作られ一緒に成長していきます。
餌も葉っぱや野菜、果物だけでなくカルシウムを含んだものを求めます。
カタツムリは「歯舌(しぜつ)」と呼ばれるヤスリ状の歯を持ち、家のブロック塀などコンクリートを細かな歯を使い「舐めるように」削りながら食べることでカルシウムを摂取しているといいます。
カタツムリを飼育する場合は、カルシウムがしっかり摂れるよう、餌は葉っぱや野菜・果物類だけでなく、卵の殻やアサリの貝殻なども加えるのがポイントです。
カタツムリの殻にも年輪がある
カタツムリの寿命は種類によって異なりますが、オナジマイマイなど多くみられるカタツムリの寿命は一般的に2~3年ほど、やや大型のカタツムリの種類なら、3年~5年は生きるのが普通です。
初夏や梅雨の時期ならではというイメージが強いカタツムリですが、気温が下がる時期には「冬眠」をして冬を越える(越冬)ことで何年も生き続けているのです。
カタツムリの殻をよく観察すると、殻の渦巻きに対して直角に色の濃いスジ状の線が見つかることがあります。
殻の渦巻きに対して直角にあるこのスジ状の線こそが、樹木でいうところの年輪のようなもので、カタツムリが何回越冬(冬眠)したかがわかるポイントになるものです。
生まれたばかりのカタツムリの赤ちゃんの殻の渦巻きは1巻半ほどで、気温が下がり冬眠する時期まで、殻は成長していきます。
殻には成長するごとに成長線が現れますが、成長がゆっくりになる冬眠時期の成長線は間隔が詰まり、濃いスジ状の線となって見えるようになるのです。
つまり、殻の渦巻きに対し直角に表れる濃いスジ状の線の数は越冬(冬眠)した回数であり、見つけたカタツムリが何歳なのかがわかるポイントになります。
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殻の形や年輪で大人か子供かを判断
見つけたカタツムリが大人か子供かを判断するポイントは、年輪のような成長線が濃く詰まったスジ状の線の数と、カタツムリの殻の入り口の形。
上の写真を見ると、殻の入り口が少し肉厚になって、反り返る形になっているのがわかりますか?。
カタツムリは成長とともに、殻の入り口がラッパ状に反り返っていきます。
これが大人のカタツムリの証拠です。逆に、反り返っていない場合はまだ子供です。
まとめ
カタツムリは、殻を背負って生まれ、殻とともに成長していく神秘的な生き物です。
ヤドカリのように、段々と大きな殻へ引越しすることはありません。
殻の渦巻きに対し直角に表れるスジ状の線は、年齢を知ることができる年輪のようなもの。
また、殻の入り口の形から、カタツムリが大人なのか、まだ子供なのかを見分けることができます。
別記事 >カタツムリの餌は何!葉っぱの種類は?野菜も食べる?飼い方と注意点!<では、カタツムリを飼育する上で、餌や越冬について紹介しています。
夏休みの自由研究のテーマにも使える内容だと思います。親子で一緒に、カタツムリを飼ってみては如何でしょうか?。
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