梅雨から夏にかけて、雨上がりの公園や生け垣のまわりで、ちょこんと可愛い殻を背負って進むカタツムリを見つける機会が増えますよね。
そんなとき、一緒にお散歩をしている子供たちが「わぁ、カタツムリだ!お家で飼いた〜い!」と、目を輝かせて無邪気に捕まえてくるのは、この季節の風物詩でもあります。
けれど、いざお家にお迎えするとなると、「カタツムリって、毎日何を食べるんだろう?」「アジサイの葉っぱを入れておけばいいのかな?」と、意外と知らない生態や飼い方に戸惑ってしまうパパやママも多いのではないでしょうか。
今回は、カタツムリが喜んで食べる身近な野菜や果物の種類はもちろん、アジサイを食べない意外な理由、そしてお家で安全に長生きさせるための正しい飼い方や注意点を分かりやすくお話ししていきます。
夏休みの自由研究のテーマにもそのまま使える観察ポイントが満載ですので、ぜひ親子で一緒に、カタツムリの不思議な世界を探検してみましょう!
執筆:ちゃむ隊長(運営管理)
さいたま市を拠点に活動する現役タクシードライバー。情報サイト「教えて!知恵袋」を運営しています。8年間の少年サッカー指導(JSPO公認コーチングリーダー)で培った「分かりやすく伝える力」と、日々の乗務で得た「現場の生きた知恵」を、探検家のような視点で発信中です。
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日本に生息するカタツムリの種類!
私たちが普段「カタツムリ」とひと括りに呼んでいる生き物ですが、じつは日本国内だけでも、およそ800種類ものカタツムリが生息しているのをご存知ですか?
まずは、彼らをお迎えする前に知っておきたい、カタツムリという生き物の正体と、私たちの身の回りでよく見かける代表的な種類について触れておきましょう。
カタツムリってそもそも「虫」なの?
子供たちから「カタツムリって、何の虫?」と聞かれたとき、大人の私たちも一瞬「えっ、何の仲間だろう…」と答えに詰まってしまうことがありますよね。
カタツムリを漢字で書くと「蝸牛」と書きますが、昔の人は虫偏(むしへん)を使って「虫」として扱っていました。
しかし、現代の科学では、カブトムシやバッタといった昆虫の仲間とは、体の仕組みが根本から違っていることが分かっています。
実はタコやアサリの親戚!「軟体動物」の仲間
カタツムリの本当の正体は、昆虫ではなく、海のタコやイカ、あるいは潮干狩りでおなじみのアサリやシジミなどと同じ「軟体動物(なんたいどうぶつ)」の仲間です。
大昔に海の中で暮らしていた貝の仲間が、長い年月をかけて陸の上で暮らせるように進化を遂げた姿がカタツムリなのです。
そう考えると、陸上で貝殻を背負ってぬるぬると歩く不思議な姿も、「陸に上がってきた貝なんだな」と合点がいきますよね。
昆虫のような硬い足や羽は持っていませんが、独自の進化で陸地を生き抜いてきた、とてもたくましい生き物なのです。
身近で見かける代表的なカタツムリ
日本にいるたくさんのカタツムリの中から、私たちが公園や庭先で特に目にしやすい代表的な種類をいくつかピックアップしてみましょう。
彼らを見分ける最大のポイントは、背負っている「殻」の大きさや巻き方、模様にあります。
日本で一番よく見る「オナジマイマイ」

私たちが街中で最も目にする機会が多いのが、このオナジマイマイです。北海道の南部から九州まで広く各地に生息しています。
大人の殻の大きさは約2cmほどと、やや小型で可愛らしいカタツムリです。
殻の色は半透明の薄い黄色から茶褐色をしていて、殻のまわりにチョコレート色の細いすじ(帯)が1本クルッと入っているものが多いですが、中にはすじが全くないツルンとした個体もいます。
関東や東北に多い大型種「ミスジマイマイ」

主に関東地方の南西部や中部地方で見かけるのが、ミスジマイマイです。
その名の通り、殻に3本のハッキリとした褐色のすじが入ることが多いのが最大の特徴です。
大人の殻の大きさは3cmほどになり、オナジマイマイと比べると一回り大きくて立派な印象を受ける、存在感のあるカタツムリです。
薄くて半透明な殻を持つ「ウスカワマイマイ」
こちらもオナジマイマイに匹敵するほど、日本全国の幅広い地域でよく見かける種類です。
名前が「薄皮(うすかわ)」とつく通り、背負っている殻が非常に薄く、光を当てると半透明に透けて見えるのが特徴です。
殻をよく透かして見てみると、中の体にある黒い斑点模様が見えることもあります。
大きさは2.5cmほどで、畑のキャベツや庭のプランターの裏など、人間の生活圏にとても近い場所にちゃっかり暮らしています。
珍しい左巻きの大型種「ヒダリマキマイマイ」

出典:Wikipedia|ヒダリマキマイマイ|著者:アンガス・デイヴィソンと千葉S
カタツムリの殻を上から眺めたとき、ほとんどの種類は時計回りに渦が巻いている「右巻き」なのですが、世の中には遺伝子の不思議で、反時計回りに巻いている珍しい「左巻き」のカタツムリがいます。
その代表が、このヒダリマキマイマイです。
主に本州の中部、関東、東北地方の山間部や離島に生息しています。大人の殻の大きさは5cmほどにも達する日本最大級の大型カタツムリで、その名が示す通りの見事な左巻きの殻は、存在感抜群です。
もし雨上がりの公園で、殻の渦がいつもと逆を向いている大きなカタツムリを見つけたら、それは大発見のラッキーな出会いかもしれません。
繊細なすじが美しい「コベソマイマイ」
こちらも、ヒダリマキマイマイと同じく左巻きの殻を持つ大型のカタツムリです。主に西日本、特に四国や九州の山間部に多く生息しています。
殻の大きさはヒダリマキマイマイに匹敵する5cmほどですが、コベソマイマイの殻には、細かい赤褐色のすじが繊細な年輪のようにびっしりと刻まれるのが特徴です。
その巻きの数は、最大で6層を超えるものもあり、図鑑のイラストから抜け出してきたような、まさに「理想的なカタツムリ」の姿をしています。

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カタツムリの餌は何?葉っぱや野菜、果物も食べる?
「カタツムリをお家でお迎えしたけれど、一体何をあげたら喜ぶの?」という疑問に対する答えは、ズバリ「私たちが普段キッチンで使っている身近な野菜や果物」です。
カタツムリは主に植物性のものを広く好んで食べる草食寄りの生き物。
毎日のお料理の際に出るちょっとした野菜の切れ端(端材)をプレゼントするだけで、モグモグと美味しそうに食べる愛らしい姿を観察できますよ。
カタツムリが大好きな野菜や果物の一覧

では、具体的にどんな食材を準備してあげればいいのでしょうか。カタツムリたちが大好きな餌を、扱いやすさやメリットと合わせてご紹介します。
水分補給にもなる葉物野菜(キャベツ・レタス)
カタツムリの基本のご飯として、まず用意してあげたいのが「キャベツ」「白菜」「レタス」「チンゲン菜」「ほうれん草」といった身近な葉物野菜です。
これらの野菜はどれもみずみずしく、水分をたっぷりと含んでいるため、乾燥が大敵なカタツムリにとって命綱となる「水分補給」の役割も同時に果たしてくれます。
冷蔵庫に常備されていることが多いので、飼う側としても手軽にサッとあげられるのが嬉しいポイントですね。
カラフルでおすすめな野菜(きゅうり・ニンジン・トマト)
葉物野菜のほかに、カタツムリたちが目の色を変えて集まってくる大好物が、私たちが普段サラダなどで食べるお馴染みの野菜たちです。
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きゅうり:
カタツムリの食いつきが特に良い優秀な食材です。みずみずしくて柔らかい実の部分を、上手に削り取るようにして平らげてしまいます。
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トマト:
真っ赤に熟したトマトも、カタツムリは大のお気に入りです。果肉だけでなく、皮の近くまで綺麗に食べてしまうことがあります。
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ニンジン・カボチャ・パプリカ:
少し硬そうなイメージがあるかもしれませんが、カタツムリはこれらも喜んで食べます。ただ、外側の硬い皮の部分はさすがに齧りづらいので、包丁で剥いた皮の「裏側の柔らかい部分」や、実の端材を少し削いで入れてあげるのが親切です。
グルメな大好物!甘い果物(りんご・バナナ・スイカ)

カタツムリを飼育していると、彼らがかなりの「甘党」であることに驚かされます。
お家でデザートとして食べる「りんご」「バナナ」「スイカ」「桃」「イチゴ」などは、彼らにとって最高のごちそうです。ケースに入れると、濃厚な甘い香りに誘われるようにして、ゆっくりと時間をかけて夢中で食いつきます。
ただし、果物は野菜に比べて非常に糖分が高く、湿度の高いケースの中に一晩放置しておくだけで、すぐにショウジョウバエが集まったり、カビが生えてドロドロに傷んだりしやすいのが難点です。
果物をあげる時は「おやつ」としてごく少量だけお皿に乗せ、食べ残したものは翌朝には必ずピンセットなどで取り除くようにしてくださいね。
【自由研究ネタ】食べた餌の色で「フンの色」が変わる不思議

ここで、子供たちと一緒にカタツムリを飼育するなら絶対に観察してほしい、夏休みの自由研究にもぴったりな面白い生態をご紹介します。
カタツムリにおやつをあげた翌日、ケースの底や壁面をよく見てみてください。
なんと、「食べた餌の色とそのまんま同じ色のフン」が落ちているのを発見できるはずです。
たとえば、緑色のレタスを食べた翌日は綺麗な「緑色のフン」をし、真っ赤なトマトやオレンジ色のニンジンを食べた翌日には、驚くほど鮮やかな「赤やオレンジ色のフン」をします。
なぜこんな不思議なことが起きるのかというと、カタツムリの体には、私たち人間のように食べたものの色(色素)を分解して吸収する仕組みが備わっていないからです。
消化された食べ物がそのままの色彩で通り抜けて出てくるため、このようなカラフルな現象が起きます。
「昨日はニンジンをあげたから、ほら、フンがオレンジ色になってるよ!」なんてお子さんと答え合わせをしながら観察すると、毎日のご飯やりが宝探しのように楽しくなりますよ。
なぜ?カタツムリがアジサイの葉っぱを食べない理由

「梅雨といえばアジサイ、アジサイといえばカタツムリ」という絵の具で描いたようなイメージを、多くの人が持っていますよね。
そのため、良かれと思って公園からアジサイの葉っぱをむしってきて、ケースに入れてあげるパパやママが後を絶ちません。
しかし、実際に飼ってみると分かりますが、カタツムリはアジサイの葉っぱを目の前に置かれても、絶対に口にすることはありません。
アジサイの葉に隠された「天然の毒」の正体
カタツムリがアジサイを素通りするのには、非常に合理的な理由があります。
実は、アジサイの葉や茎、つぼみには、「青酸配糖体(せいさんはいとうたい)」という天然の毒成分が含まれているのです。
もしこれを生き物が口にして体内で消化されると、呼吸困難などを引き起こす強い中毒症状に襲われます。
カタツムリは本能的に「この葉っぱには毒がある」ということを知っているため、絶対に食べようとしないわけですね。
彼らが自然界でアジサイの上に乗っているのは、葉っぱを食べるためではなく、大きな葉の下に隠れて強い雨風をしのいだり、天敵の鳥から身を隠したりするための「雨宿りの場所」として利用しているだけなのです。
【要注意】子供やペットの誤食を防ぐケース管理
カタツムリは賢いので食べませんが、ここで大人が気をつけなければいけないのは、アジサイの毒は「人間やペット(犬や猫)にとっても非常に危険」という点です。
過去には、飲食店で料理の飾りとして添えられていたアジサイの葉を誤って食べたお客さんが、激しい嘔吐やめまいなどの中毒症状を起こしたニュースもありました。
「雰囲気を出すため」と、カタツムリの飼育ケースの中にアジサイの葉を安易に入れておくと、小さなお子さんが悪気なく口に触れてしまったり、お家で放し飼いしているワンちゃんや猫ちゃんが小突いて齧ってしまったりする二次被害のリスクが生まれます。
お家で飼育する際は、アジサイは一切使わず、先ほどご紹介したキャベツやきゅうりなどを敷いて管理するのが、家族みんなにとって一番安全で確実ですよ。
カタツムリは卵の殻やコンクリートも食べる!?
雨上がりに住宅街を歩いていると、家のブロック塀やコンクリートの壁に、カタツムリがじっと張り付いている姿をよく見かけませんか?
「あんなにザラザラして硬そうな場所で、一体何をしているんだろう?」と不思議に思ったことがある方も多いはず。
じつは彼ら、ただそこで雨宿りをしたり休んだりしているわけではありません。なんと、「コンクリートの壁をガリガリと齧って食べている」真っ最中なのです。
「そんな硬くて栄養のなさそうなものを食べて、お腹を壊さないの!?」と驚いてしまいますが、じつはこれ、カタツムリが命を繋ぎ、美しく成長していくために絶対に欠かせない必須の食事なのです。
なぜ?殻を大きく頑丈にするためのカルシウム補給

カタツムリは生まれたときから小さな殻を背負っており、体が大きくなるにつれて、その背中の殻も一緒に大きく、そして分厚く成長させていきます。
この頑丈なマイホーム(殻)を作り上げるための主成分となるのが、「カルシウム」です。
しかし、彼らが普段食べているキャベツやきゅうりといった野菜だけでは、殻を育てるのに十分な量のカルシウムを摂取することができません。
そのため、自然界に生きるカタツムリたちは、住宅街のブロック塀やコンクリートの壁に這い上がり、そこに含まれる炭酸カルシウムを齧り取ることで、効率よく栄養を補給しているのです。
お家で飼育する際も、このカルシウム補給を忘れてはいけません。
一番手軽でおすすめなのは、お料理の時に余った「卵の殻」をよく洗ってケースに入れてあげることです。
そのほか、お味噌汁や酒蒸しなどで使った「アサリやシジミの貝殻」を綺麗に洗って入れてあげるだけでも、カタツムリにとっては立派なカルシウムのごちそうになりますよ。
カルシウムが不足すると起きる「共食い」のリスク
「ただの栄養補給なら、たまにあげるくらいでいいのかな?」と思ってしまうかもしれませんが、カタツムリのカルシウム不足は、飼育下において絶対に避けなければならない重大なトラブルを引き起こします。
もしケースの中が慢性的なカルシウム不足に陥ると、カタツムリたちは命の危機を感じ、とんでもない行動に出始めます。
なんと、同じケースの中で一緒に暮らしている「仲間の殻」をガリガリと齧って食べ始める、悲しい共食いが始まってしまうのです。
最悪の場合、殻をボロボロに齧られた仲間が弱って死んでしまうこともあります。
「みんなで仲良く暮らしてほしい」と思って一つのケースに集めたのに、そんな悲劇は絶対に見たくないですよね。
カタツムリを複数匹で一緒に飼うときは、ケースの片隅に必ず「いつでもカルシウムが摂れる卵の殻」を常備しておくことが、共食いを防ぐための鉄則であり、一番の優しさになります。
ガシガシ削り取る!1万本以上あるヤスリのような歯「歯舌」

それにしても、あんなにぬるぬるとした柔らかい体で、どうやって硬い卵の殻やコンクリート、アサリの貝殻まで平気で食べることができるのでしょうか。
その秘密は、カタツムリの口の中を顕微鏡でのぞくと見えてくる、驚異のディテールにあります。
カタツムリの口には、人間のようないわゆる「顎の歯」はありません。その代わりに、「歯舌(しぜつ)」と呼ばれる、細かなトゲがびっしりと並んだリボン状の舌を持っています。
そのトゲの数は、なんと小さな口の中に1万本以上!まさに、口の中に「超高性能な金属ヤスリ」を隠し持っているような状態です。
カタツムリはこの1万本以上のヤスリを前後に激しく動かし、目の前にある硬い卵の殻やコンクリートの表面を、粉のようにガシガシと力強く削り取って飲み込んでいきます。
彼らは夜行性なので、夜になって部屋の電気を消し、静まり返ったリビングで飼育ケースの近くに耳を澄ませてみてください。
運が良ければ、カタツムリが卵の殻にしっかりとしがみつき、「シャリ…シャリ…」「ガシ、ガシ…」と、硬い殻をヤスリで一心不乱に削り取っている、リアルな食事が部屋に小さく響くのを聴くことができます。
この音を初めて生で聴いたときは、その小さな体のどこにそんなパワーがあるのかと、大人でもゾクゾクするような感動を味わえますよ。

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カタツムリの正しい飼い方と必要なモノ!
カタツムリが何を食べるのかが分かったところで、ここからは実際にお家にお迎えして、毎日快適に過ごしてもらうための具体的な飼育セットの作り方を見ていきましょう。
「特別な道具がたくさん必要なのかな?」と身構える必要はありません。
基本的にはホームセンターや100円ショップで揃うものばかりですが、ちょっとした選び方のコツや便利グッズを使うだけで、毎日の観察やお掃除の手間がガラリと楽になりますよ。
飼育ケース(脱走防止とコバエシャッターの活用)
カタツムリを飼う上で、何よりもまず用意しなければならないのが、蓋(ふた)がキッチリと閉まるプラスチック製の昆虫飼育ケースです。
カタツムリは、ガラスやプラスチックのツルツルとした壁面でも、お腹の粘液を使って驚くほど器用に、そして平気で垂直に登っていきます。
ほんの少しの隙間や、蓋が甘いプラスチックケースを使っていると、夜の間にジワジワと這い上がって蓋を押し開け、翌朝には「ケースが空っぽで、部屋のどこかへ脱走してしまった!」なんて大惨事になりかねません。
ケースを選ぶときは、必ずロック式のしっかりした蓋がついているものを選びましょう。
そこでおすすめなのが、カブトムシやクワガタの飼育でも圧倒的な人気を誇る「コバエシャッター」という飼育ケースです。
このケースは、蓋の通気孔が非常に細かく設計されているため、カタツムリの小さな子供が隙間から脱走するのを完璧に防いでくれます。
さらに、湿気がこもりすぎず、かつ乾燥もしにくい絶妙な環境をキープできるうえ、その名の通り「嫌なコバエの侵入」を完全にシャットアウトしてくれるため、リビングに置いても清潔で匂わず、ママからも大好評の優秀なアイテムです。
霧吹き(肺呼吸を守るための絶妙な水加減)
カタツムリは体が水分で満たされており、乾燥にとにかく弱い生き物ですので、毎日の「霧吹き」による水分補給が欠かせません。
朝と夜の1日1〜2回を目安に、ケースの内壁や中に置いた葉っぱに向けて、シュッと霧吹きをしてあげましょう。
ただし、ここで大人が知っておくべき大切なポイントがあります。実はカタツムリ、私たちと同じように「肺」で呼吸をしている生き物なのです。
「湿り気が大好きだから」と、ケースの底に水が溜まるほどビショビショにスプレーしてしまうと、カタツムリは肺呼吸ができずに溺れて死んでしまいます。
霧吹きをするときは、カタツムリの体に直接強い水圧で吹きかけるのは避け、ケースの壁や天井に向けて細かな霧を優しくまとわせるような、絶妙な水加減を意識してあげてくださいね。
土や水苔(日常のお手入れを簡単にする植木鉢スタイル)
カタツムリが暮らす自然環境に近づけるためには、ケースの底に土を敷いてあげるのが理想的に思えますよね。
しかし、実際に飼ってみると分かりますが、カタツムリは野菜をたくさん食べるぶん、毎日驚くほど大量のフンをします。
ケースの底一面に直接土を敷き詰めてしまうと、この大量のフンを取り除くお掃除が、信じられないほど大変になってしまうのです。
そこで、手軽に綺麗に観察を楽しみたいパパやママにおすすめしたいのが、「園芸用の水苔(みずごけ)」を水で湿らせて、ケースの底に薄く敷いてあげるスタイルです。
これなら見た目もみずみずしく風情が出ますし、汚れた部分だけをつまんでポイと捨てられるので、日々のお手入れが一気に楽になります。
また、もし「やっぱり土の中に潜る姿を見せてあげたい」「卵を産むかもしれないから土を入れたい」という場合は、小さなプラスチックのミニ植木鉢やガラスの小瓶を用意し、その中にだけ腐葉土や昆虫用のクワガタマットを入れて、ケースの片隅にゴトッと置いてあげる方法が賢い選択です。
日常の生活エリアと、土のエリアをすっきりと分けてあげることで、フンのお掃除の手間を最小限に抑えつつ、カタツムリにとっても快適なマイホームを作ってあげることができますよ。
木の枝や流木(隠れ家と上り下りの観察に)
ケースの中に、公園などで拾ってきた適度な太さの木の枝を1〜2本入れておくと、カタツムリがゆっくりと枝を上り下りする立体的なアクションを間近で観察できるようになります。
また、枝の陰はカタツムリにとって、日中の強い光を遮ってじっと休むための大切な「隠れ家」にもなります。
ただし、近所の公園や林で拾ってきた枝をそのままケースに入れてしまうと、目に見えない小さな虫やカビの胞子がくっついていて、ケースの中で大繁殖してしまうことがあります。
もし外の枝を使う場合は、一度水洗いした後に、電子レンジで数十秒ほどしっかりと加熱処理(熱消毒)をして、よく冷ましてから使ってあげるのが安心です。
「電子レンジで枝をチンするのは、ちょっと抵抗があるな…」という場合は、アクアリウム(熱帯魚)や爬虫類ショップで販売されている、すでにしっかりと乾燥・殺菌処理が施された「天然の流木」を購入して入れるのが一番手軽で安全です。
お店で売られている流木は、一つひとつが波に揉まれた複雑で味わい深い形をしているため、ケースに入れるだけでまるで小さな大自然を切り取ったような、非常におしゃれなインテリア風の飼育ケースが完成しますよ。
平らなお皿(餌を傷ませないためのお手入れの工夫)
最後に用意しておきたいのが、キャベツやきゅうりといった毎日のご飯を乗せるための「餌皿」です。
「お皿なんて使わずに、土や水苔の上に直接野菜を置いちゃダメなの?」と思うかもしれませんが、みずみずしいお野菜を濡れた水苔の上に直置きすると、ケース内の湿度であっという間に野菜の切り口が傷み、ドロドロに腐ってケース全体が嫌な匂いに包まれてしまいます。
これを防ぐために、プラスチック製や陶器製の、できるだけ底が平らで浅い小皿を一つ用意してあげましょう。
お皿の上に野菜や卵の殻をまとめて乗せる習慣をつけておけば、毎朝「食べ残した古いご飯」をお皿ごとサッと取り出して洗うだけで済むため、ケースの中をいつでもピカピカに、衛生的に保ち続けることができるようになります。
カタツムリを飼うときの注意点!
お家に快適な飼育ケースが完成したら、いよいよ楽しい観察ライフの始まりですが、最後に大人が絶対に知っておかなければならない、とても大切な注意点があります。
それは、ネットの検索画面でもよく目にする「カタツムリが持っている寄生虫」についてです。
ここを曖昧にしたままお子さんに触らせるのは不安ですが、正しい知識と、我が家での「簡単なルール」さえ決めておけば、過度に怖がる必要はまったくありませんよ。
絶対に知っておきたい「寄生虫」のリスクと正しい対策
カタツムリには、ほぼ100%に近い確率で「広東住血線虫(カントンジュウケツセンチュウ)」という寄生虫が潜んでいるといわれています。
この寄生虫が万が一、人間の口から体内に入ってしまうと、激しい頭痛や発熱、最悪の場合は脳膜炎などを引き起こす危険性があるのは事実です。
これだけを聞くと「えっ、そんなに危ないなら、やっぱり子供にカタツムリなんて飼わせない方がいいのかな…」と、お迎えするのを躊躇してしまうかもしれませんよね。
ネットの情報を過度に恐れなくてもいい理由
しかし、ネットに溢れる過激な警告に、必要以上に怯えすぎることはありません。
なぜなら、大自然の屋外に生きている生き物は、カタツムリに限らずみんな何かしらの寄生虫や菌を持っているのが当たり前だからです。
夏に子供たちが泥だらけになって捕まえるザリガニやカエル、草むらを元気に跳ね回るバッタやカブトムシにだって、人間にとって良くない菌や寄生虫はたくさん存在しています。
カタツムリの寄生虫は、触っただけで皮膚から体内に侵入してくるような恐ろしい特殊能力はありません。
トラブルが起きる原因はいつも共通していて、「カタツムリや、その粘液がくっついた手を、洗わないまま口に入れてしまうこと」だけです。
つまり、口に入りさえしなければ、体に害が及ぶことは絶対にないわけですね。
【ちゃむ隊長の約束】触った後は必ず石鹸で手を洗おう
だからこそ、我が子と一緒にカタツムリを飼育するときは、たった一つのシンプルな「ちゃむ隊長との約束」を徹底してください。
それは、「カタツムリの体や、飼育ケースの中を触った後は、何があっても絶対に、すぐ石鹸で綺麗に手を洗うこと」です。
これさえ守れれば、寄生虫のリスクは完璧に防ぐことができます。
また、まだ手洗いが上手にできない小さなお子さんが観察する場合は、大人がピンセットや割り箸、大きめの落ち葉などを使ってカタツムリを移動させてあげて、子供の手で直接粘液に触れさせない工夫をしてあげるのも良い方法です。
「危ないから触るな!」と大自然の教材を遠ざけてしまうのではなく、「触ったらしっかり手を洗う」という衛生の基本を、飼育を通じて子供たちに学んでもらう。
それこそが、親子で生き物を飼うことの、本当に価値のある大きな学びになりますよ。
カタツムリの餌は「少し大きめ」が食べやすい

小さなカタツムリに野菜をあげるとき、「口が小さいから、細かくみじん切りにしてあげた方が食べやすいのかな?」と、親切心から細かく刻んで入れてあげるパパやママがよくいます。
しかし、じつはこれ、カタツムリにとってはむしろ逆効果で、非常に食べづらい状態になってしまいます。
先ほどお話しした通り、カタツムリは食べ物を「噛みちぎる」のではなく、1万本以上のヤスリのような歯(歯舌)を使って、表面を「ガリガリと削り取る」ようにして食べ進めていきます。
そのため、餌が小さくバラバラになっていると、自分の体で餌を押さえることができず、削り取ろうとするたびに餌が逃げて動いてしまうのです。
カタツムリにとっては、自分の体よりも一回り大きなキャベツの葉や、厚めにスライスしたきゅうりのように、どっしりと安定した大きめの餌の方が、その上に自分の体をしっかりと乗せて固定できるため、とてもスムーズに食事を楽しむことができます。
「餌は小さくせず、豪快に大きめのままお皿に乗せてあげる」のが、彼らに対する正しいご飯の出し方ですよ。
もしも殻が割れてしまったら?修復のためのケア
子供たちがケースをのぞき込んだり、お掃除のためにカタツムリを手に乗せたりしているとき、うっかり手が滑って机やフローリングの床にコトッと落としてしまうことがあります。
「あ!殻にヒビが入っちゃった… 死んじゃうの!?」と、子供たちが半泣きになって絶望してしまう、飼育中によくあるハプニングです。
しかし、ここで大人が焦って諦めてはいけません。カタツムリの殻には、私たちが想像する以上のたくましい生命力が隠されています。
内側の膜が無事なら自分で治せる!
カタツムリの殻は、人間の爪や髪の毛と同じような成分でできており、実は「内側にある外套膜(がいとうまく)という薄い膜さえ傷ついていなければ、自分で殻を修復して元通りに直すことができる」のです。
もし殻に少しヒビが入ったり、先端がほんの少し欠けたりした程度であれば、カタツムリは自分の体から粘液を出し、内側から新しい殻の成分をジワジワと分泌して、数日から1週間ほどで見事に傷口を塞いでしまいます。
復活をサポートするための「緊急カルシウム補給」
殻のトラブルが起きたとき、飼い主である私たちがしてあげられる最大のサポートは、ケースの中にいつも以上の「カルシウム」を準備してあげることです。
殻を大急ぎで大修理している最中のカタツムリは、信じられないほどの量のカルシウムを体の中で消費しています。
いつも入れている卵の殻のほかに、新しいアサリの貝殻を追加してあげるなど、ケース内のカルシウムを切らさないように徹底してください。
また、殻が割れている間はいつも以上に体の水分が外へ逃げやすく、乾燥のリスクが高まっています。ケースの霧吹きの回数を少し増やして、優しく潤いを保ってあげましょう。
ただし、殻が粉々に砕けてしまって中の柔らかい体が大きく露出している場合や、内側の内臓まで傷ついてしまっている場合は、残念ながら助けるのが難しくなります。
そうならないためにも、子供たちがカタツムリを触るときは、できるだけ床に近い低い姿勢で優しく扱わせるように、大人が優しく声をかけて見守ってあげてくださいね。
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カタツムリの寿命は?冬になったら冬眠する?
お家での正しいお世話の仕方が分かると、次に気になってくるのが「カタツムリって、一体どれくらい長生きしてくれるの?」という寿命のこと、そして「寒くなってきたらどうなるの?」という季節の乗り越え方ですよね。
小さな体に秘められた意外な寿命の長さと、日本の厳しい冬を乗り切るための不思議な「冬眠」の生態についてお話しします。
殻の大きさに比例する?カタツムリの寿命
昆虫の多くは、夏に成虫になると数週間から数ヶ月でその短い一生を終えますが、軟体動物であるカタツムリの寿命は、私たちの想像以上にずっと長生きです。
公園などで最もよく見かける「オナジマイマイ」や「ウスカワマイマイ」といった比較的小さなカタツムリでも、お家で大切に飼育してあげると、平均して2〜3年ほど生きてくれます。
夏が終わったら終わりではなく、次の年も、その次の年も、家族の一員として長く一緒に過ごすことができるのです。
じつはカタツムリの寿命は、「背負っている殻の大きさに比例する」という非常に面白い特徴を持っています。
殻の大きな種類ほど長生きする傾向があり、本州の山間部などに暮らす5cm級の大型カタツムリ「ヒダリマキマイマイ」や「コベソマイマイ」などになると、なんと5〜10年近くも生きることがあります。
小さな命ではありますが、長く付き合うことになるからこそ、日々の環境をしっかりと整えて愛情深く育ててあげたいものですね。
寒さを乗り切る!カタツムリを上手に冬眠させる方法
カタツムリは元々、暖かくみずみずしい季節が大好きな生き物です。そのため、気温が下がり始める秋の終わりになると、彼らは日本の厳しい寒さを乗り切るために「冬眠(とうみん)」の準備を始めます。
自然界のカタツムリたちは、秋の間にたくさんの野菜や落ち葉を食べて体に栄養を蓄え、冷たい風の当たらない石の下や落ち葉の裏、土の中に深く潜り込んで冬眠に入ります。
冬眠中のカタツムリを観察してみると、殻の入り口に「エピフラグマ」と呼ばれる白い膜をぴったりと張って、完全にフタをしているのが分かります。
これは、自分の体から出した粘液を乾かして作った即席のドアのようなもので、これによって冬の冷たい外気をシャットアウトし、大切な殻の中の水分がカラカラに乾燥してしまうのを防いでいるのです。この状態で、じっと春が来るのを待ち続けます。
冬眠中のケースの置き場所と乾燥対策
お家の飼育ケースの中でカタツムリが冬眠に入ったとき、大人が最も気をつけなければならないのが「冬のケースの置き場所」です。
「寒いとかわいそうだから、暖房がよく効いた暖かいリビングに置いてあげよう」と、親切心から部屋の中にケースを入れてしまうパパやママがとても多いのですが、実はこれがカタツムリの命を縮める一番のNG行動になってしまいます。
暖房の効いた部屋に置くと、室温の高さからカタツムリは「あ、春が来たのかな?」と勘違いして、冬眠から目覚めてしまいます。
しかし、夜になって暖房が切れると部屋は一気に冷え込むため、慌ててまた冬眠に入る…ということを何度も繰り返すことになるのです。
これでは、目覚めるたびに無駄な体力を激しく消耗してしまい、春が来る前に力尽きて死んでしまいます。
カタツムリを上手に冬眠させるためには、冬の間はあえて「暖房が絶対に入らない、家の中で一番寒くて静かな場所(玄関や廊下、物置など)」にケースを置いてあげるのが正解です。
冬眠中もカタツムリはゆっくりと呼吸をしていますので、ケースの中が完全にカラカラにならないよう、1週間に1回程度、蓋を開けて壁面に軽めの霧吹きをして適度な潤いを補給してあげてください。
そのまま寒さをしっかりと経験させてあげれば、桜が咲く温かい春の訪れとともに、自分で白い膜を破って、元気いっぱいにまた這い出してきてくれますよ。
まとめ
雨上がりのきらきらした世界から、子供たちが小さな手に乗せてお家へ連れて帰ってくるカタツムリ。
一見すると、毎日何を考えているのか分からない、ぬるぬるとした不思議な生き物ですが、その小さな殻の中には、私たちが驚くような面白い生態やたくましい生命力がぎゅっと詰まっています。
最後に、今回お話ししたカタツムリの飼育で大切なポイントをもう一度おさらいしておきましょう。
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ご飯は身近な野菜や果物でOK:
キャベツやきゅうりが大好物。果物は傷みやすいのでおやつ程度に。 -
フンの色が変わるお楽しみ:
食べた餌の色がそのままフンとして出てくるので、自由研究の最高の観察ネタになります。 -
アジサイの葉は絶対に入れない:
天然の毒(青酸配糖体)が含まれており、子供やペットにとっても危険なためケース管理に注意しましょう。 -
卵の殻は命綱:
1万本以上のヤスリの歯(歯舌)で削り取ってカルシウムを補給します。不足すると共食いの原因になるので常備が鉄則です。 -
触ったら必ず石鹸で手を洗う:
寄生虫のリスクを完璧に防ぐため、我が家での絶対の約束にしてください。 -
冬眠は寒くて静かな場所で:
暖房の効いたリビングを避け、玄関や廊下でじっくり冬を越させましょう。
カタツムリは、お家にある野菜の切れ端や卵の殻を使って、今日からでもすぐに飼育を始められる身近な大自然の教材です。
大切に育ててあげれば、2年から3年もの長い間、可愛い姿を見せて癒やしてくれますよ。
ぜひ今年の夏は、お家の中に小さな飼育ケースを準備して、親子で一緒にカタツムリの不思議で愛らしい世界をじっくりと観察してみてくださいね!
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