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虫はなぜ光に集まるのか?LED照明の光に虫が寄ってこない理由は?

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光に集まる虫

夏を前にしたこの季節、昨年「虫が光に集まる習性」を利用して捕まえた我が家のクワガタ君たちも、冬眠から起きて活動し始めました。

さて、今回のテーマは「虫はなぜ光に集まるのか?」

夏の夜の街灯には、光をたよりに集まってきた虫たちが、グルグルと飛びかっていますよね。

ジ~ッと観察していると、自ら「バチンっ!」と何度もアタックしては、終いにボタっとノックアウトされた虫が落ちてきます。

その虫が、クワガタやカブトムシならラッキーで、子供たちへのいいお土産です(笑)。

逆に、部屋の光に蛾や黄金虫がブンブン集まるのは、マジ勘弁して欲しい。

虫はなぜ光に集まるのでしょう?。同じ光でも、LED照明の光には虫が寄ってこない理由とは?。

今年の夏は、光に集まる虫の姿に思わず「可哀想に」と思ってしまうかもしれませんよ。

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虫はなぜ光に集まるのか?

虫はなぜ光に集まるのでしょう?。

もちろん、世のお父さんたちが繁華街のネオンや赤提灯の灯りに吸い寄せられる理由とは違います(笑)。

虫が光に集まる理由は虫の「本能」にあり、諸説あるなかでも大変興味深いのが2つの勘違いによる理由。

・月の光と勘違いして集まる
・餌があると勘違いして集まる

それぞれの理由を、詳しく探っていきましょう。

 

虫が光に集まるのは「正の走光性」が理由!?

夏の夜、見上げた街灯の光に集まる虫の多くは蛾やウンカ、黄金虫など「夜行性」の虫がほとんどです。

そこに、クワガタやカブトムシが紛れていたらラッキー!。灯りの下で待ち構えていれば、いずれ落ちてくるかもしれません。

そんな、暗い夜を好んで活動する夜行性の虫が光に集まる理由の1つが、虫が本能的にもつ「正の走光性」

街灯など人工の光を「月の光」と勘違いして集まるという説です。

 

虫が本能的にもつ「正の走光性」とは?

走光性(そうこうせい)は走性の一つで、生物が光刺激に反応して移動することである。

走光性のうち、光のある方向に近づくような行動は「正の走光性」、光から離れるような行動は「負の走光性」などともいう。

引用:Wikipedia|走光性

夜行性の虫たちは暗闇を好む習性とはいえ、餌を求めたり、子孫を残すためにパートナーを探すなど、その生息範囲を広げるために遠くへ飛ぶ必要があります。

虫たちが暗い夜空を飛ぶ際に、方向・角度を保つために頼りにしているのが「月の光」

きっと皆さんも経験されていると思いますが、お月様ってどんなに歩いても「ついてくる」ように一定の位置に見えますよね?。

その理由は、地球から遥か遠い月の光はおよそ平行線だから。

スピードの問題ではありません。自転車やクルマでも、数キロ移動するくらいでは見える月の方向や高さは一定で変わらないのです。

虫が本能的にもつ「正の走光性」とは、とくべつ月に行きたい・近づきたいと思ってのことではなく、遠くへ飛びたいときに「月の光」を頼りに方向・角度を保つために利用していること。

もっと詳しくいえば、「保留走性」なるものです。

虫は月の光を左右どちらかの目で追い、「右45°・高さ65°」など数字では表せなくても、感覚的にそんな感じで飛んでいけば、だいたい真っすぐ飛んでいると思っているのです。

そんな虫の本能・感覚を邪魔するものが、街灯など人工的な光の罠なのです。

 

月を頼りに飛んでいたつもりの虫が光に激突!?

月の光と街灯

本来なら、月の光を頼りにすることで方向・角度を保ち平行に飛べるはずの虫も、ひとたび街灯の光を「月の光」と勘違いしてまうと、思わぬ罠に嵌ってしまいます。

月の光と勘違いした街灯の光との距離は近い。

街灯の光に対して、方向や角度を保って飛ぼうと思えば思うほど、光を中心にぐるぐる回ることになる。

虫は距離感を察する能力が低いので、「螺旋」を描くように段々と光に近づき、終いには街灯の光源に「バチンっ!」と激突しまうのです。

「これは月の光じゃない!」

勘違いした街灯の光から逃げたい一心で、まっすぐ飛ぼうと思って目に入る光に平行に飛べば、またまた光源にぐるぐる近づいて「バチンっ!」。

まさに「無限ループ」に嵌ってしまった状態となり、当たりどころが悪ければ、一発ノックアウトで地面へポトリ…。

「飛んで火に入る夏の虫」という有名なことわざは、まさに虫が本能的にもつ「正の走光性」を表しているようです。

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餌があると勘違いして勘違いして光に集まる?

花と蝶

私たちは、街灯や部屋の灯りを眩しいとは思っても、そこに「紫外線」の有無を感じることはないでしょう。

しかし、虫の多くは紫外線の有無を感じる能力に長けています。

そう、虫が光に集まるもう1つの理由は「餌への欲求」です。

花は、受粉のために蜜を吸いにくる虫の働きを利用しますが、より多くの虫が集まるように、花は太陽光から吸収した紫外線を放ち自分の存在をアピールしています。

逆にいえば、虫は花が放つ紫外線を頼りに、餌となる蜜を求め飛び回るのです。

そんな紫外線は、花からだけではなく街灯や部屋の光(蛍光灯)からも多く放たれています。

つまり、街灯や部屋の光に虫が集まるのは「正の走光性」だけでなく、そこに餌となる蜜を出す花があると勘違いしていることも理由の1つなのです。

 

虫が光に集まる習性を利用した「誘蛾灯」の仕組み

誘蛾灯

町の商店街では、お魚屋さんやお肉屋さんなど生鮮食品を扱う店舗の軒先に、青白い光を放ち紫外線を発生させ、蛾などを集め駆除する「誘蛾灯(ゆうがとう)」目にします。

誘蛾灯は、蛾やウンカ、黄金虫など夜行性の虫の習性を利用し、誘い集めて高圧電流で駆除します。

虫が光に集まる理由の「正の走光性」に加え、餌となる蜜を出す花が放つ紫外線と勘違いして集まることを上手く利用したもの。

家庭用の誘蛾灯も、多くは光に集まる虫を高圧電流で駆除するタイプがですが、集まる虫を捕虫器に取り込むタイプのものもあります。

屋内専用の電撃殺虫器。虫を光で誘いこみ、高圧電流で退治するタイプです。

付属のチェーンで壁などに吊り下げて使うほか、床に置いても使えます。


紫色のUV光源で蚊や害虫をおびき寄せ、高圧電流で瞬時に撃退!。

殺虫灯&ガーデンライトの1台2役で使えます。ソーラー充電式なので電気代0円!。

設置は置く・吊るす・地面に挿すなど自在。自動センサーで、暗くなると点灯し明るくなると消灯するのが特徴です。

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LED照明の光に虫が寄ってこない理由は?

先に「誘蛾灯」なる、虫が光に集まる習性を利用する駆除方法を紹介しましたが、それを逆手にとって、家の室内を「LED照明」にすることで虫が寄ってこなくなるといわれます。

その理由は、LED照明が発する光に含まれる紫外線は、蛍光灯の約200分の1しかないから。

ならば、部屋の灯りをすべてLED照明にすれば、虫が寄らない快適空間になるのか?。

たしかに、黄金虫・カメムシ・蛾・ハエ・アブラムシ・スズメバチ・蝉・カマキリ・カミキリムシなどには効果があるとされます。

しかし残念ながら、夏の安眠を「プ~ンっ」と邪魔する蚊やゴキブリには「正の走光性」も紫外線への感受性もないので、蚊取り線香やリキッドなど専用の虫よけグッズを使った対策が効果的です。

 

まとめ

虫はなぜ光に集まるのか?。その理由は、夜行性の虫の習性である「正の走光性」「勘違い」にあります。

・街灯などの光を「月の光」と勘違いして「正の走光性」の習性で集まる

・街灯などの光が放つ「紫外線」に、餌となる蜜を出す花があると勘違いして集まる

夜道などを照らす街灯などの光に集まりブンブン飛び回っている虫は、いずれかの勘違いをして光に近寄り「逃げるに逃げられない」無限ループに嵌ってしまった状態だったのですね。

どうやら、今年の夏は光に集まる虫の姿に「可哀想に…」と思ってしまうかもしれません。

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