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すき焼きの関東風と関西風の違い!作り方の違いの最大のポイントは?

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すき焼き

すき焼きは、老若男女に愛され続ける伝統的な日本料理。

おでんの具で有名な「紀文」が調査を続けている「鍋喫食率(食べた鍋料理の比率)」のデータを見ても、すき焼きは常に上位にランキングされています。

> 紀文・鍋白書データ(2021年調査版)鍋喫食率ランキング(複数回答) <

全国的に「ハレの日」に食べる印象もあるすき焼きですが、その作り方は関東風と関西風でかなりの違いがあるのをご存じでしょうか。

生まれも育ちも埼玉で関東風のすき焼きしか知らなかった筆者は、修学旅行で宿泊した京都で初めて食べた関西風のすき焼きの作り方に、一種のカルチャーショックを覚えたのを覚えています。

これって、すき焼きじゃなくて焼き肉じゃね?!

関東風・関西風も溶き卵に牛肉など具材をつけて食べるスタイルは同じなのですが、その作り方は関東風が割り下で「煮る」感じに対して、関西風は牛脂を使って「焼く」感じと大きく異なるもの。

今回はすき焼きの作り方について、関東風と関西風の違いをあらためて探っていきます。

関東・関西、異なる地方への出張先で、お客様を「すき焼き接待」するビジネスマン必見のお役立ち情報ですよ。

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すき焼きの名前の由来と歴史

ご存じのとおり、すき焼きは牛肉や他の具材(長ネギ・椎茸・春菊・しらたき・焼き豆腐)などを砂糖と醤油、みりんや酒などを調味料に、またそれらをあらかじめ合わせた甘辛い味に仕立てた「割り下」を使って、浅い鉄鍋で煮たり焼いたりして食べる日本独自の料理。

溶き卵につけて食べるのが、すき焼きの一般的な食べ方でしょう。

すき焼きという名前の由来を紐解くと、江戸時代頃に使い古した鋤(すき)と呼ばれる現在のショベルのような農機具を火にかざし、肉や魚、野菜などを焼いて食べたのがはじまりで、「鋤焼き(すきやき)」が「すき焼き」となったという説があります。

鋤(すき)

他に、薄くスライスした肉を意味する「剥身(すきみ)」を焼いて食べることから「剥き焼き」が「すき焼き」となったという説もあります。

 

日本ですき焼きが食べるようになったのは?

日本ですき焼きを食べるようになったのは、江戸時代末期、明治維新の頃から。

それ以前の江戸時庶民の間に、魚介類は食べても牛肉を食べる食文化はありませんでした。

仏教の教えには「動物を殺生して肉を食べるのはいけない」とされていましたし、農作業を中心に牛や馬は大切な労働力であり、家族同様の扱いをしながら生活を共にする牛や馬を「食べると罰が当たる」と信じられていたのです。

庶民の間で牛肉を食べる文化が広まったのは、明治時代初期の「文明開化」以降のこと。すき焼きは、関東では横浜、関西では京都のお店で初めて紹介されたことから広まっていきます。

横浜ではその当時「すき焼き」ではなく「牛鍋(ぎゅうなべ)」という名前でしたが、横浜発の牛鍋が関西へ普及するにつれ、関東・関西の両者とも「すき焼き」と呼ばれるようになっていったのです。

いわば、すき焼きの名前の歴史は京都発の関西にあり、関東の牛鍋が後々すき焼きを名乗るようになった格好なのでしょう。

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関東風と関西風のすき焼きの違い

ここからは、関東風と関西風のすき焼きの違いについて、具体例をあげながら比較する形で見ていきましょう。

 

最大の違いは料理のジャンル!鍋vs焼き肉?

関東風と関西風のすき焼きの最大の違いは、扱われる料理のジャンルにあります。

おでんの具で有名な「紀文」が調査を続けている「鍋喫食率(食べた鍋料理の比率)」のデータでは、すき焼きが常に上位にランキングされる鍋料理であることは記事冒頭で紹介した通りです。

横浜発祥のすき焼きが元々「牛鍋」と呼ばれていたことからも、関東風のすき焼きは「鍋」というジャンルで扱われる料理になります。

関東風のすき焼きの作り方は、「割り下」という砂糖と醤油、みりんや酒などを合わせた調味料を鍋に入れ、一煮立ちさせたところにお肉と野菜など具材を入れてグツグツと煮込んでいくのが特徴。

まさに「牛鍋」を彷彿とさせるスタイルです。

関東風のすき焼きに使われるお肉は一般的には牛肉ですが、主に北海道を中心に豚肉を使う地方もあります。

一方、関西風のすき焼きは「焼く」という工程がポイントになる料理でもあり、関西風のすき焼きは「焼き肉」というジャンルで扱われる料理になります。

関東風と関西風のすき焼きの最大の違いは、作り方による鍋vs焼き肉というジャンルの違いにあります。

 

調味料を使う順番が違う!関西風のすき焼きは作る人の腕前が試される?

関東風と関西風のすき焼きの違い。続く違いは、調味料と調味料を加える使うタイミングの違い。

関東風のすき焼きの作り方は、先に紹介した通りあらかじめ調味料を合わせ作っておいた割り下を鍋に入れ、一煮立ちさせたところにお肉や野菜やしらたき・焼き豆腐などの具材を入れていく鍋スタイルなので、その味は誰が作ってもおよそ一定で安定の美味しさ。

一方の関西風のすき焼きの作り方は、牛脂を溶かした鍋でお肉を焼き、8割程度火が通ったところでお肉の表面を覆うようにたっぷりの砂糖を振りかけます。

さらに醤油を回しかけ、その上に白菜など水分が多い野菜をのせ焼いていきます。

味の濃さは、調味料が煮詰まってきたら酒か水でで調節しますが、野菜の種類や季節によって出る水分も異なるので見極めが難しい。

そこが、関西風のすき焼きは作る人の腕前が試されるといわれる所以です。

 

すき焼きに入れる具材の違い

すき焼きの具材

関東風と関西風のすき焼きの違い。最後は、すき焼きに入れる具材の違い。

すき焼きの主役である牛肉以外に入れる具材といえば、豆腐・ネギ・春菊・しらたき・椎茸・お麩といったあたりが代表的で、このあたりの具材に関しては関東風・関西風に大きな違いはありません。

すき焼きは云わば「ハレの日」の御馳走でもありますから、ニンジンや蒲鉾を加えたり、〆をうどんや雑炊にするなど家庭ごとのアレンジもお楽しみでしょう。

関東風と関西風のすき焼きで、入れる具材の違いをあげるなら、それは白菜。

関西風のすき焼きは、関東風すき焼きのように割り下を入れずに野菜からでる水分で味を整えるので、水分を多く含む冬野菜「白菜」は実にぴったりな具材なのです。

白菜以外では、同様に水分を多く含まれる「玉ねぎ」が入れられることも多いようです。甘味が増して味に深みがでます。

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関東風すき焼きの作り方

関東風のすき焼きは、「文明開化」の明治時代初期に横浜で生まれた「牛鍋」が由来。

だし汁に、酒・みりん・醤油・砂糖を混ぜ合わせた割り下を作り、そこへお肉や野菜など具材を入れて煮込んでいきます。

 

割り下の作り方

関東風のすき焼きの決め手となる「割り下」の味付けは、地方・地域、個人的好みによって様々ですが、一般的に好まれる「甘くて濃い味」の割り下を作る比率は、

醤油1:みりん1:酒1:砂糖0.3

材料(2人分)

酒  :100㏄
みりん:100㏄
醤油 :100㏄
砂糖 :30g

 

関東風すき焼きの作り方

関東すき焼き割り下

関東風のすき焼きの作り方について多くのサイトでは、

・鍋を温め牛脂を溶かします

・長ネギを入れ焼き色がつくまで焼きます

・牛肉を広げるように入れ軽く焼きます

・割り下を材料が浸るくらい入れます

・その他春菊以外の具材を入れて一煮立ちさせます

・食感と香りが大切な春菊は、最後に入れてサッと煮る感じで完成

といった感じで紹介されているでしょう。

春菊の旬の時期は?春菊は生でも食べられる?

ただし、筆者はウェザーニュースさんが紹介されていた東京都港区の「分とく山(わけとくやま)」の総料理長:野﨑洋光(のざきひろみつ)さんがおすすめするすき焼きの作り方と、甘辛ダレの割り下を推します。

 

筆者おすすめ関東風のすき焼きの作り方

具材を煮込む関東風のすき焼きの作り方は、具材を入れる順番が重要なのだとか。

しらたきを最初に入れ、よく炒めて」余分な水分を飛ばします。そのあと、焼き豆腐を入れてしらたきと絡めます。

割り下を加えたら、火を強めアルコール分を飛ばします。

そこへ牛肉やネギ、椎茸を入れて煮込み、頃合いを見て最後に春菊を加えましょう。

参考:ウェザーニュース|すき焼きがおいしい時期、割り下を作る時の黄金比とは

多くのサイトで紹介されている「鍋を温め牛脂を溶かしたら牛肉を広げて入れ焼いていく」に対し、お肉は一度に入れずに、少しづつ入れていくのがポイント。

これぞ正しく、我が家のすき焼きの作り方・食べ方で、お肉のうま味が引き出され、野菜など他の具材も美味しくいただけます。

 

甘辛ダレ割り下の黄金比!

先の関東風すき焼きの作り方、割り下の作り方で紹介したように、一般的に好まれるこっくりと甘く濃い味のすき焼きの割り下の調味料の比率は、

醤油1:みりん1:酒1:砂糖0.3

さらに今回筆者が推すのは、「分とく山」総料理長:野﨑洋光さんおすすめの、バランスがとれた甘辛味の割り下の黄金比率は、

甘辛く煮こまれたすき焼きの具材と溶き卵のマッチングは絶妙です。

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関西風すき焼きの作り方

関西風すき焼き

関西風のすき焼きは、ジャンルとしては「焼き肉」の扱いになるように、割り下を使わず牛脂を溶かした鍋でお肉を焼き、砂糖と醤油、酒などを加え味付けします。

そこに、ネギや春菊、しらたきや椎茸などを加えて楽しみます。

 

関西風すき焼きの作り方

・鍋を温め牛脂を溶かします

・牛肉を広げて焼き、火が通ってきたら裏返し

・8割ほど焼けたら、お肉の表面を覆うほど砂糖を掛け入れ

・醤油、酒を加えます

・牛肉を鍋の端に寄せ、水気の出やすい白菜や玉ねぎを入れます

・その他の野菜や豆腐などの具材を入れ具材から出る水分で一煮立ちさせたら完成

ということで、味付けに割り下を使う関東風のすき焼きに対し、関西風のすき焼きは入れる野菜の種類や量で出る水分に応じて味を調整するので、
作る人次第、鍋奉行の腕前が試されるのです。

 

まとめ

すき焼き溶き卵

今回は、老若男女に愛され続ける伝統的な日本料理「すき焼き」について、関東風と関西風の作り方の違いを比較しながら紹介してきました。

関東風のすき焼きは「鍋」に、関西風のすき焼きは「焼き肉」にカテゴリーされるように、料理のジャンルからして違うとさえいわれます。

しかし、一般的に紹介されている作り方を見ると、ポイントは割り下を使うか否かであり、あまり大きな違いが見られないのが実情。

筆者個人としては、横浜発祥の「牛鍋」に始まる関東風のすき焼きは「鍋」ですから、ウェザーニュースさんが紹介されていた東京都港区の「分とく山(わけとくやま)」の総料理長:野﨑洋光(のざきひろみつ)さんがおすすめする「お肉は一度に入れずに少しづつ入れていく」スタイルこそ、本来の関東風すき焼きの作り方なのではないかと考えます。

参考:ウェザーニュース|すき焼きがおいしい時期、割り下を作る時の黄金比とは

割り下を使わない関西風のすき焼きは、作る人、鍋奉行次第で味が決まります。

もしや、関東のビジネスマンが関西のお客様をすき焼きで接待するのは至難の業かもしれませんね。

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