卵は、今も昔も家庭料理に欠かすことができない万能食材。
とりあえず、卵だけは切らさないようにしている人も多いのではないでしょうか。
家族が多いご家庭はもちろん、一人暮らしの人でも卵が「特売日」となれば、つい多めに買ってしまいますよね。
私の母親から「卵は日持ちするし、倉庫の中に置いていた」と聞くように、その昔は「卵の賞味期限」はあまり気にしていなかったようです。
しかし、現在の卵はほとんど「パック詰め」で売られていて、しっかりと「賞味期限」が表示されていますよね。
かくいう私も、気がつけば「あれ?この卵賞味期限が切れてるよ~」なんてことは多々ありますし(苦笑)、泣く泣く「捨てる」という苦い経験をされてきた人も多いのではないでしょうか?。
そんな時に思うのが、
・賞味期限切れの卵も食べられる?
・卵はいつまで大丈夫?
そこで今回は、「賞味期限切れの卵はいつまで食べられる?」をメインテーマに、賞味期限切れ、もしくは賞味期限が近い卵を無駄にしない「卵の大量消費レシピ」に焦点を当てながら紹介していきます。
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卵の賞味期限とは生で食べられる期限のこと!
「生もの」には「消費期限」が表示されることが多いですが、卵のパッケージに表示されているのは主に「賞味期限」ですよね。
消費期限が表示される基準としては、
概ね5日以内に品質面で著しい品質低下が認められる食品や食材(例としては精肉や刺身、一部日配食品(パン、生菓子、弁当、惣菜など))は、旧来の製造年月日表示に代わって、この消費期限表記が義務付けられている。
そう、卵に表示されるのが「賞味期限」な理由は、生ものでありながら「ある程度保存がきく」もの、短期間で品質低下しないことからなんです。
卵に表示される賞味期限とは、ズバリ「生で美味しく安全に食べられる期限」を意味しているものでした。
農林水産省では、卵の賞味期限について
・夏期(7~9月):採卵後16日以内
・春秋期(4~6月・10~11月):採卵後25日以内
・冬期(12~3月):採卵後57日以内
と設定しています。
参考:農林水産省|特集2 食材まるかじり マルゴトタマゴ(1)
ただし、この賞味期限はいずれも購入後に「冷蔵庫(10℃以下)」で保存した場合の数字です。
また、スーパーなどで扱われる卵の場合、より安全を期して「パック詰めしてから2週間以内」を賞味期限に設定しているケースが多いようです。
賞味期限切れの卵はいつまで食べられる?
それでは、賞味期限が切れた卵は、ズバリ「いつまで食べられる」のでしょうか。
結論を先にいうと、パッケージに表示されている賞味期限を過ぎてした場合も、「しっかり加熱調理をする」ことで、賞味期限から1週間~10日ほど過ぎても食べても大丈夫。
ちなみに、現代では常識といえる10℃以下の「冷蔵庫保存」であれば、およそ1ヶ月は大丈夫という情報もあります。
但し、夏季の場合は、冷蔵庫の開け閉めで庫内の温度も上がりがちなので、冬季より日持ちしないと考えておいた方が無難でしょう。
ちなみに私は、四季を問わず「賞味期限後10日以内」を食べられる目安にしています。
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賞味期限切れの卵が腐っているか?大丈夫か?を見分ける方法!
賞味期限切れの卵でも食べられるのかの最大のポイント、「卵が腐っているか?大丈夫か?」を見分ける方法を2つ紹介しましょう。
卵を殻付き(割らずに)で調べる方法!
塩水を使って卵の鮮度を調べる方法です。
➀水1ℓに対して、食塩を60gほど入れて溶かします。
➁そこに卵を入れるだけ
・底に沈めば「新鮮な卵」
・中間に浮くなら「鮮度が落ちた卵」
・上に浮くなら「腐っている卵」
卵は古くなり鮮度が落ちるほど比重が軽くなることを利用した方法です。
卵を割って調べる方法!
おすすめは「卵を割って調べる方法」。卵の変化がとてもわかりやすいです。
食べられる卵の基本形は、「卵を割ったときに、卵黄が適度に盛り上がり、卵白と卵黄の境がはっきりしている」こと。
さらに加えて「嗅いでも匂いがしない」ければ、生で食べても大丈夫な卵の目安になります。
卵を割ったときの「鮮度が落ちた卵の状態」をまとめると、
➀卵黄と卵白の境目がなく、混じり合ったような状態
➁異臭がする
➂黄身がすぐに崩れる
などが挙げられます。卵が腐っているか?大丈夫か?を見分ける参考にしてみて下さい。
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卵を長持ちさせる正しい保存方法!
スーパーなどお店で売られている卵は「常温」のコーナーに置かれていますよね。
実際には、直射日光を避ける・風通しのいい場所などいくつかの条件はありますが、それらをクリアすれば季節に関係なく、卵の保存は「常温保存」でまったく問題ありません。
卵は尖った方を下にして保存
卵をより鮮度を保って保存するなら、「殻の尖った方を下にして」というのが正解です。
なぜなら、卵の丸い方には「気室」と呼ばれる空気の入った部分があるので、尖った方を下に保存することで、卵の卵黄が浮いてきても丸い方の気室によって殻に触れて傷つくことがなく、劣化を防ぐことが期待されるのが1つ。
さらに、卵の殻は尖った方が厚みがあって、丈夫で割れにくいという利点があります。
パック詰めの卵を見てみてください。みな尖った方を下にして並べられていますよ。
卵は冷蔵庫のドアポケットに保存しない!
卵は冷蔵庫のドアポケットに保存しないといわれても…
「うちの冷蔵庫にはドアポケットに卵コーナーがあるけど?」という人が多いですよね。
「取り出しやすさ」を重視した卵専用のトレイがレイアウトされているからだと思いますが、実はドアポケットは卵の保存には向いていないんです。
ドアの開け閉めが多ければ、振動で卵にヒビが入る可能性もありますし、もっとも温度変化が大きいスペースでもあります。
温度変化が大きいと、卵の表面に結露が生じやすくもなります。
卵の殻にはいわば呼吸をするような「気孔」と呼ばれる無数の穴があいていて、結露によって雑菌を含んだ水分が卵の中に入る危険性も否定できません。
スーパーなどで卵が常温の環境で売られている理由でもあります。
卵は、ドアポケットの卵専用トレイを使わず、パックのまま冷蔵庫の奥の方に「尖った方を下向きで」保存することをおすすめします。
賞味期限切れの卵も加熱すれば食べても大丈夫!
鶏卵の3000個に1個は、サルモネラ菌が含まれるモノがあるといわれます。
しかし、その卵でさえも含まれるサルモネラ菌の数は「数十個程度」といわれますので、新鮮な卵であればサルモネラ菌による食中毒の心配はおよそありません。
なぜなら、卵の卵白の部分には「リゾチーム」という殺菌効果をもつ酵素が存在しているので、サルモネラ菌が増殖しにくい環境でもあるからです。
しかし、卵の鮮度が落ち卵黄膜が破れことで、先に紹介したような「卵黄と卵白の境目がなく、混じり合ったような状態」となると、卵白内にサルモネラ菌が増殖しやすくなり、食中毒になる危険性が高まります。
卵の賞味期限は「生で美味しく安全に食べられる期限」を意味するものですから、賞味期限を過ぎた卵も食べられますが、加熱調理するのがベターです。
加熱の目安は「75℃で1分以上」
これだけで、サルモネラ菌は死滅します。
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賞味期限が近い卵の大量消費レシピを紹介!
ここからは、私も実践する「賞味期限が近い卵を大量消費できるレシピ」を3つご紹介します。
基本は「いつでも・簡単」にできることです。
卵の大量レシピ➀:ゆで卵や煮卵
卵料理というと、真っ先に思い浮かんだのが「ゆで卵」でした(苦笑)。進化系で「煮卵」もいいですね。
それこそ、何個でも「大量」に消費できる簡単料理です。
ゆで卵の作り方!
・鍋に水を入れ卵を入れて15分程度しっかり煮ます。
・煮終わったら、冷水につけて熱を冷まして出来上がりです。
※煮卵を作るときは、鍋に、水やしょうゆや酒、みりんなどをお好みで味付けした煮汁に殻をむいたゆで卵を入れて煮ます。
ちなみに、ゆで卵自体は生卵より日持ちがしません。
なので、サラダやタルタルソース、お弁当のおかずなどにどんどん使って、作ってから2~3日の間に消費するようにしましょう。
また、煮卵は時間をかけて味をしみ込ませることで美味しさがアップします。
卵の大量消費レシピ➁:厚焼き玉子・だし巻き玉子
次によく作るのが「厚焼き玉子」と「だし巻き玉子」です。
子供たちも大好きで、古い卵を大量に消費するのに大活躍してくれます。
ここでは、「厚焼き玉子」の作り方を紹介したいと思います。
厚焼き玉子の作り方!
・卵パン(厚焼き玉子用)にサラダ油などをひきます。
・ボールに卵を6~8個入れて、そこに砂糖やみりんなどお好みの味付けをしてよく撹拌します。
・油を敷いた卵パンを、熱してボールの卵を流し込みます。
(2回に分けて流し込むと形が整いやすいです)
・焦がさないように火加減を調整しながら、液をかき混ぜながら形を整えていきます。
・卵パンで形が整ったら蓋をして、弱火で蒸して出来上がりです。
※ちなみに、だし巻き玉子の場合、私はだし汁に「だしの素」を使って味を調えています。
紹介した作り方なら、ガッツリ分厚い、食べ応えのある厚焼き玉子が出来上がりますよ。
食卓にもお弁当のおかずにも大活躍です!。
だし巻き玉子の場合は、だし汁を入れますのでふわふわ感満載に。
だし巻き卵のときは、だし汁が加わる分、卵の量を減らしてくださいね。
また、洋風に「オムレツ」や「オムライス」として卵を使えば、これまた大量消費することができますよ。
この場合、一人分の目安は卵2個です。
卵の大量消費レシピ➂:パンプリン
卵を使ったデザートにプリンがありますが、我が家では、古い卵と余ったパンを使った「パンプリン」を作っています。
準備するもの
・卵3~5個
・硬くなったパン(食パンなら1~3枚)
・砂糖(お好み)
・シナモン(適宜)
・レモン汁(少々)
・牛乳(100ml程度)
・グラタン皿等耐熱器(深めのもの)
パンプリンの作り方
・パンは細かくちぎってボールに入れます。
・次にボールに準備した材料を入れてよく混ぜます。
・卵、パン、牛乳の量は、グラタン皿等耐熱器の大きさによって変えてください。
・材料が少し硬めのどろっとした感じになったら、グラタン皿(耐熱器)に入れます。
・我が家では、オーブンレンジの「グラタン機能」で焼きます。
・時々チェックして、焼き加減が不足している場合は、そのまま追加でオーブンレンジ機能または、オーブン機能で焼き上げます。
・材料が熱で膨れ上がり、表面に焦げ目が少しできたら出来上がりです。
パンプリンというと聞きなじみのない方もいらっしゃると思います。
パンプリンは、一般的なプルプルっとしたプリンと違って、パンが入っているので固めのプリンとなります。
食感が違うことに驚かれる方もいらっしゃいますが、はちみつやジャムやホイップクリーム、チョコレートやフルーツソースなどをかけると、甘くて美味しい満足感たっぷりのデザートです。
リンゴのある時期は、煮たリンゴを入れて「リンゴのパンプリン」にしたりしています。
甘さの強い果物を一緒に入れるときは、お砂糖の量を減らすといいかもしれませんね。
まとめ
今、日本では「食品ロス」の問題が広まっています。
食の安全のために、「賞味期限」や「消費期限」が定められているのですが、ついつい買いこんでしまって、消費できない食品も少なくないと思います。
その点、卵は賞味期限が切れでも、しっかり加熱調理することで美味しく食べられる優れものです。
卵の賞味期限が切れても、「しまった!」と嘆くのではく、折角だから「たくさん卵が使える一品を作ろう!」とポジティブに考えて、最後まで美味しく召し上がって下さいね。
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