お寿司屋さんで人気なメニューの1つ「いくらの軍艦巻き」。「いくら」は大人も子供も大好きですからね~。
また、お寿司屋さんのネタとしては、あまり馴染みのない「筋子」というものもあります。「いくら」も「筋子」も、どちらも同じように赤く「プチプチ」とした食感が特徴です。
あくまで個人的な感じですが、わたしの実家での「筋子」の扱いは朝食のおかずで、「いくら」は夕食で時折「手巻き寿司」の具になるような贅沢品の1つでした。
いくらと筋子の違いって、何なんでしょう。
たしか、いくらも筋子も同じ鮭や鱒の卵だったと思いますが、作り方に違いがあるのでしょうか?。
また、いくらと筋子ではお値段もだいぶ違いますよね。
今回は「いくらと筋子の違い」をメインテーマに、作り方やお値段の違いについてなど、子供たちにも説明できるように「わかりやすく」紹介していきたいと思います。
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いくらと筋子の違いは?!
いくらも筋子も「スーパーの鮮魚コーナー」で並ぶように扱われてますが、見た目もお値段もかなり違います。
同じ「鮭」の卵なんですけどね。
この、いくらと筋子の違いは、大きく分けると3つ。
・鮭から卵を取り出すタイミング
・鮭から卵を取り出す方法
・お値段
それぞれが、見た目や味、食感や栄養はもちろん、最終的にはお値段の違いにかかわってきます。
1つ1つ、そう「子供に説明」できるように、わかりやすく見ていきましょう!。
鮭から卵を取り出すタイミングの違い?!
いくらも筋子も、ご存知の通りどちらも「鮭の卵」。
その呼ばれ方、名前の違いの1つは、鮭から卵を取り出すタイミングの違いにあります。
・いくら : 鮭が産卵する直前のタイミング
・筋子 : 鮭の卵が成熟する前のタイミング
その違いは、卵1粒ごとの大きさを比べれば歴然!。
いくらは1粒1粒が大きく独立していますが、筋子はまだまだ小さい粒も多いですよね。
取り出すタイミングの違いは食感の違いにも?!
いくらと筋子の違いは「鮭から卵を取り出すタイミングの違い」で、食感にも違いがあります。
いくらは産卵直前のタイミングで取り出した卵なので、卵は十分に成熟し、表面を被う皮も厚くなりプリプリ・プチプチとした食感が強くなります。
一方の筋子はまだ卵が未熟なタイミングで取り出されるので、皮も薄く柔らかな食感となります。
実はこの食感は好みがわかれる点で、いくら特有のプリプリ・プチプチの触感が苦手という方も少なくありません。
味じたいは同じ鮭の卵とあって「殆ど」同じなので、あえて筋子を選ばれるという方もいらっしゃるようです。
鮭から卵を取り出す方法の違い?!
同じ「鮭の卵」のいくらと筋子。
なのに、いくらは1粒1粒が独立してるのに対して、筋子は「卵巣膜」で覆われてまとまったままの状態です。
筋子という呼ばれ方・名前も、卵が筋のようにか塊っている様子から来ています。
このいくらと筋子の「見た目」の大きな違いの理由は、鮭から卵を取り出す方法の違いにあります。
・いくら : 鮭のお腹から1粒1粒卵を押し出すようにして取り出す
・筋子 : 鮭をさばいて卵巣から塊りのまま取り出す
この卵の取り出し方の違いが、いくらと筋子の見た目の違いに「そのまま」つながっているのです。
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いくらと筋子のお値段の違い!
いくらと筋子は、スーパーの鮮魚コーナーやお魚屋さんで並ぶように売られていますが、そのお値段はまったく別物。
同じ鮭の卵でありながら、いくらの方が圧倒的にお高く、筋子の方がややお手軽なものとなっています。
やや雑学的なことをいうと、「いくら」ってロシア語なんですって!。
でも、そのロシアでは「いくら」とは特別「鮭の卵」でなく、魚の卵であれば「いくら」。
日本での「いくら」は、鮭と鱒(マス)の卵に限定されたものになります。
また「筋子」の場合は、種類によって呼び方を分けることがあります。
・紅鮭の卵を「ベニコ」
・銀鮭の卵を「ギンコ」
・鱒の卵を「マスコ」
・トラウトサーモンの卵を「トラウトコ」
なかでも、スーパーの鮮魚コーナーに並ぶ「筋子」は、アラスカ産の紅鮭の卵「ベニコ」が多く出回っているようです。
いくらと筋子のお値段の違いは?!
いくらと筋子のお値段を比べると、圧倒的にいくらの方がお高い。その違いは?というと、先に紹介したように「1粒1粒ていねいに押し出す」取り出し方、つまり「お手間」の違いによることも大きいのはたしかです。
でもその理由は「お手間」代だけではありません。卵の出来・栄養の豊富さの違いによる部分も、お値段の違いに大きく関わっています。
筋子は「鮭の卵が成熟する前のタイミング」で卵を取り出しているので、卵がまだまだ未熟な状態なため、栄養価もいくらと比べて低く、また粒の大きさも不揃い。
一方のいくらは「鮭が産卵する直前のタイミング」で取り出しているので、卵にしっかり栄養が乗り、粒も大きく揃っています。
そして、いくら特有の「プリプリ」とした食感が堪らないという方も多い。
栄養価・見た目・食感と勝る「いくら」が「筋子」よりお高いのも当然のようですね。
「生筋子」をいくらのような1粒1粒にする方法!
新鮮な「生筋子」が手に入ったら、一手間掛けて、卵が1粒1粒わかれた「いくら」のように食べる方法があります。
一般的には、生筋子をお湯を使ってほぐす方法が用いられます。
お湯に漬けて膜(卵巣膜)を取る方法!
1.大きめのボウルに「40℃前後」のお湯を張ります。
2.金ざるに「生筋子」を入れ、ボウルに漬けます。
3.木ヘラや木のスプーンで、生筋子の滑らすように動かし膜を取っていきます。
4.上手く取れない部分は、手で剥がしていくといい。
5.金ざるをボウルから上げ、ボウルの水を変えながら、膜のくずを取り除きます。
※一度お湯に漬けたことで少し「白っぽく」なりますが、時間とともに赤色に戻るので心配ありません。
お湯を使わず膜を取る方法!
お湯を使って膜を取り除くのが一般的ではありますが、手間が掛かったり、お湯温度が高過ぎると白っぽくなったまま赤色に戻らないという失敗もつきもの。
そんなときは、水を張ったボウルに、生筋子の薄皮が下になるように持って入れ、両手の親指を卵の間に滑らすように動かしていくだけでも取ることが出来ます。
また少々荒ワザにも思えますが、小さな泡だて器を使う方法や、焼き網の上でゴリゴリと取り除く方法もあります。
ただこの「お湯を使わない」方法は、生筋子の卵の粒が硬くなる「9月下旬以降」に流通しはじめたものに使えるもので、それ以前(9月初旬)ころの生筋子だと、卵がやわらかく潰れやすくなってしまいます。
まとめ
今回は、いくらと筋子の違いについて、色々な角度から見てきました。
いくらも筋子も、同じ鮭や鱒の卵なんですけどね。
その違いをまとめると、3つの大きな違いがありました。
1.鮭から卵を取り出すタイミングが違いました。いくらは「産卵する直前」、筋子は「卵が成熟する前」。
2.鮭から卵を取り出す方法が違いました。いくらは1粒1粒ていねいに押し出し、筋子はお腹をさばいて塊りのまま取り出します。
3.お値段は、いくらの方が圧倒的に高く、筋子の方が安い。
またそのお値段の違いは、卵1粒1粒をていねいに押し出して取る「お手間」代だけでなく、見た目や食感、栄養価の違いも大きく関わるものとおわかり頂けたのではないでしょうか。
子供にわかりやすく説明するなら、
1.卵1粒1粒の大きさの違い
2.1粒1粒わかれているか塊りか
3.いくらの方が大きくて栄養万点!
といった感じが、わかりやすいかもしれませんね。
さいごに、「生筋子をいくらのような1粒1粒にする方法」も紹介しました。
いくらも筋子も同じ鮭や鱒の卵ですから、基本的に味は「ほとんど」一緒。お手間代も掛かっている高いいくらより、安くても新鮮な生筋子に一手間掛けて楽しむというのも「あり」ですよね。
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