ヒック!… ヒック!…
みなさんは、大事な場面で「しゃっくり」が出て困った経験ありませんか。
私は在職中、社内プレゼン中に起こったものだから大変な思いをしました。
そんな時に限って、しゃっくりはなかなか止まってくれないんですよね。
ホント冷や汗ものでしたよ(苦笑)。
この「しゃっくり」を、「ひゃっくり」と言う人もいます。
私の友人がそうで、はじめて聞いたときは「この人何言ってんだろう?」と思ったものです。
しゃっくりとひゃっくり、どっちが正しいのでしょう。
みなさんは、どっちで派ですか?。
違いは「方言」と聞いたこともあります。
そこで今回は、「しゃっくりとひゃっくり、どっちが正しい?違いは方言?!」をお題に、言葉の違いを探っていきます。
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しゃっくりとひゃっくり、どっちが正しい?!
よく「しゃっくりが出た」という言葉を聞きますが、「ひゃっくり」と言う人もいますよね。
私はずっと「しゃっくり」が正しいと思っていましたが、しゃっくりとひゃっくり、どっちが正しいのでしょう。
辞書的には「しゃっくり」が正しい?
今回は3つの辞典(事典)、スーパー大辞林3.0・広辞苑・Wikipediaを用いて「しゃっくり」を調べてみました。
スーパー大辞林3.0でしゃっくりとは?
「しゃっくり」吃逆(名)
横隔膜の不随意性性の痙攣のため吸気時に正門が突然開いて特殊な音声が出る状態。
吃逆(きつぎゃく)しゃくり、さくり
広辞苑でしゃっくりとは?
しゃっくり【噦り・吃逆】
横隔膜の不時の収縮によって、空気が急に吸い込まれる時に発する特殊の音声。さくり。しゃくり。
Wikipediaでしゃっくりとは?
しゃっくり(噦り、吃逆、呃逆)とは、横隔膜(または、他の呼吸補助筋)の強直性痙攣および、声帯が閉じて「ヒック」という音が発生することが一定間隔で繰り返される現象
それでは「ひゃっくりは?」というと、残念ながらこれらの辞書・事典には載っていませんでした。
辞書・事典では「しゃっくり」という単語しか意味が紹介されていないことからして、「しゃっくりとひゃっくり、どっちが正しい?」と問われれば「しゃっくり」となるのでしょうね。
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ひゃっくりも間違いではない!?
ひゃっくりとは、元はしゃっくりの方言だったようです。
これは「小学館の日本方言辞典」や、「甲州弁研究」などWebサイトにも載っていて、ひゃっくりはとは「一部の地域で使われている方言、特に山梨県で多く使われている方言(甲州弁)」と紹介されています。
しかし、ひゃっくりは山梨県以外にも、秋田・福島など東北地方、さらには東京でも多く使われています。
ひゃっくりは方言ではありますが、言葉としては正しく間違いではありません。
しゃっくりと言われるようになった由来は?
しゃっくりは、平安時代の宮中医官・丹波康頼(912-995)が著した医学書とされる『医心方(いしんぼう)』の中にも記載されているたいへん古い言葉です。
しゃっくりと言われる由来、それは「噦噎(さくり)」。
「噦噎」には「声を引き入れるような泣き声で泣くこと」という意味があります。
「しゃくりあげて泣く」という言葉、聞いたことがあると思います。
つまり「しゃっくり」とは、「しゃくりあげて泣く」という言葉が由来となっている言葉なんですね。
ちなみに医学用語でしゃっくりは、「吃逆(きつぎゃく)」と呼ばれています。
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ひゃっくりと言われるようになった由来は?
それでは、「ひゃっくり」はどうでしょう。
実は、ひゃっくりと言われるようになった由来には、有力な3つの説があります。
1.山梨県周辺の方言で、しゃっくりをひゃっくりと呼んでいる
2.しゃっくりが起きた時に出る「ヒック」の声が、いつしか「ひゃっくり」と言う名に変わっていった
3.しゃっくりがずっと止まることなく、100回以上出続けると言われ、「百(ひゃく)しゃっくり」が「ひゃっくり」と言われるようになった
ひゃっくり以外にもあった、しゃっくりの面白い言い方!
先に「ひゃっくり」は甲州弁(山梨県)と言いましたが、調べてみると地域によって様々なしゃっくりの言い方があることがわかりました。
ここでは、私の独断で選んだ「ひゃっくり」以外の面白い言い方を紹介しましょう。
・ぎっくり:(宮城、長野、静岡、島根、広島、愛媛、長崎、大分)
・ぎっくん:長野、長崎
・げくり、けっくり、げっくり:青森、岩手、山形、福島、茨城、栃木、埼玉、千葉、島根、愛媛、長崎
・あくしょ:(岩手県)
・ぎーちゃー:(鹿児島県)
「あくしょ」や「ぎーちゃー」ともなると、本当に「しゃっくりが由来なのか?」と私は疑問に感じてしまいますが、みなさんはいかがでしょう。
まとめ
このように見てくると、「しゃっくり」は標準語で「ひゃっくり」は方言という違いでいいかもしれません。
どちらも正しい言葉であり、どっちもしっかり使える言葉ということです。
日本語というものは、本当に面白いものですね。
これを機会に、いろいろ方言を調べてみてはいかがでしょうか。
きっと面白い発見があるかもしれません。
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