先日、同居する義理の母の喜寿(77歳)のお誕生日に、兄弟従妹でケーキを用意してお祝いすることなったんですね。
ケーキ屋さんへは、次女の旦那という一番立場の弱い私が注文しにいくことになったのですが…(苦笑)
そこで「お誕生日のお祝いで」と注文すれば、当然のように聞かれるわけですよ。
「ろうそくの本数はどうしますか?」
でもさ、 喜寿(77歳)だからって「77本」もろうそくを立てたら…
「ケーキが火事になっちゃうよな~」
なんて妄想しつつも、ケーキ屋さんのお姉さんからのアドバイスで、ことなきを得たんですけどね(笑)。
こんな時、ムクムクと湧いてきた「疑問の虫」を放っておけないのが私の悪い癖です。
・ケーキにろうそくを立てる意味は?
・本数はどうする?何本立てる?
さらにいうと、「♪ハッピーバースデー・トゥー・ユー」の歌のあとに、ろうそくの火を吹き消す理由もね。
「お決まり」すぎて、なぜかチョッと恥ずかしいんですよね(苦笑)。
ということで今回は、ケーキとろうそくにまつわる疑問について、あれこれ探っていきましょう!。
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誕生日ケーキにろうそくを立てる意味は?
よく、こういった一見「西洋的な風習」でも、たとえばバレンタインデーのように「日本ならでは」なものってありますよね。
ですが、こと誕生日ケーキにろうそくを立てるということに関しては、海外由来の風習で間違いなさそうです。
ちなみに、クリスマスケーキにろうそくを立てるのは、「日本ならでは」のようですよ。
海外では、クリスマスケーキにろうそくを立てる習慣はないんですね。
おそらく、ひと昔前まで日本のクリスマスケーキといえば、「クリスマスにはケーキを食べましょう!」の言葉で「不二家」が仕掛けた「いちごの白い生クリームケーキ」であって、誕生日ケーキにろうそくを立てるのとゴッチャになっている感じかもしれませんね。

誕生日ケーキにろうそくを立てる起源は古代ギリシャ時代から!?
お誕生日にケーキを食べるようになった起源を遡ると、なんと紀元前数百年前。
「古代ギリシャ時代」からとされています。
古代ギリシャ人は、月の女神「アルテミス」の誕生を祝うために月の形の丸い「ハニーケーキ」を焼き、アルテミス神殿の祭壇へのお供え物としたのです。
驚くのは、そのとき既にケーキにろうそくの火が灯されていたということ。
ろうそくの火は「月の光」を表し、ろうそくの煙は「天上の神々たち」へ願いを届けてくれるものだと信じられていたのだそうです。
誕生日ケーキにろうそくを立てる風習が広まったのは15世紀のドイツから!
古代ギリシャ時代から始まった「ケーキにろうそくを立てる」ことは、神々への信仰心を形にした「儀式」のようなもので、時代の移りかわりとともに一時期途絶えてしまいました。
しかし、それは15世紀のドイツで「キンダーフェスト」という子供たちの誕生日会で復活します。
誕生日にケーキにろうそくを立ててお祝いする風習が世界的に広まったのも、当時のキンダーフェストが始まりではないかと考えられているのです。
ケーキのろうそくは子供を悪霊から守るためのおまじない!?
古代ギリシャ時代を起源として、15世紀のドイツ「キンダーフェスト」で復活した「ケーキにろうそくを立てる」風習。
当時の人々は、子供の誕生日を狙って「悪霊」がやってくると考えられていました。
誕生日を迎えた子供を守ろうと人々は集まり、ケーキにろうそくを立て1日中灯すことで、その願いを神へ届けていたのです。
そして、誕生日の1日が無事終わった夕食後、そのケーキを集まった皆で分けて食べたそうです。
つまり、誕生日ケーキにろうそくを立てる意味は、誕生日を迎えた子供を悪霊から守るための「おまじない」のようなものが始まりだったのでしょう。
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ケーキに立てるろうそくの本数は何本?
15世紀に復活した「ケーキにろうそくを立てる」風習は、18世紀になると誕生日をお祝いする象徴的なものとなっていきます。
ドイツを代表する文豪ゲーテ(1749年~1832年)が書いた手紙にも、彼が50歳を迎えた誕生日の様子が記された部分があります。
食後のデザートの時間になると、執事長に連れられた豪華に盛装した姫の従者が全員入ってきた。
執事長は大きなケーキを抱えており、ケーキの上には火を灯したカラフルなロウソクが並べられていた。
ロウソクは溶け始めていて、ケーキを焦がしそうだった。
ケーキの上に立てられたロウソクの数が誕生日を示すようだ。
この手紙が、誕生日のケーキとろうそくについて言及した最も古い文書となっているそうです。
でも手紙の通り、ケーキの上に立てられたロウソクの数が誕生日を示すなら、ゲーテ50歳の誕生日をお祝いするケーキに立てられたろうそくの本数は50本にも!。
実際、50本のろうそくに火を灯したら、かなり凄い光景でしょうね。
年の数のろうそくを立てる「アメリカ式」スタイルが誕生!
ドイツの子供たちの誕生日会「キンダーフェスト」で復活した「ケーキにろうそくを立てる」風習は、19世紀にはアメリカへと伝わりました。
いよいよ、誕生日ケーキの上に子供の年の数と同じ本数のろうそくを立てる「アメリカ式」スタイルの誕生です。
現在、私たちが当たり前のように思っている、お誕生日ケーキに年の数だけろうそくを立ててお祝いするスタイルは、19世紀のアメリカで誕生したものだったんですね!。
というか…、
お誕生日にケーキでお祝いする風習も、年の数の本数のろうそくを立てることも、先の大戦後にアメリカの「GHQ」によって日本にもたらされたものなのだとか…。
やっぱり、アメリカ文化の影響って大きいんですね。
でも…、
何歳になっても誕生日ケーキに「年の数」の本数ろうそくを立てるのって、もはや「日本式」なんでしょうね。
今回、私が注文しにいくことになった、義理の母の喜寿(77歳)のお誕生日のお祝いのケーキもそうです。
子供なら、多くても20本がいいところですものね?。
喜寿のお祝いで77本じゃ、「ゲーテの手紙」のシーン以上に、まるで火事ですよ。
誕生日ケーキのろくそくの本数は何本立てる?
実際、20歳(はたち)の誕生日を迎えるまでは、先に紹介した通り「年の数」の本数のろうそくを立てるのも、年齢・成長を「実感」できていいかもしれません。
丸いケーキに、ぐるりと一周ろうそくが灯るのも素敵です!。
まぁ、それは私が思う1つの案であって、
・10の位は長い(太い)ろうそく
・1の位は短い(細い)ろうそく
で年の数を表すパターンが主流になっているそうです。
また、あらかじめ数字を模った「ナンバーキャンドル」を立てる方も増えてきているのだとか。
ナンバーキャンドルなら、100歳以上のお誕生日でも3本で済みますしね。
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ケーキに立てられたろうそくを一息で吹き消す理由は?
「♪ハッピーバースデー・トゥ・ユー」の歌のあと、ろうそくの火を一息で吹き消そうと必死に頑張るシーンが目に浮かびます。
ふぅ~、ふっ、ふ~!
実際、全然一息じゃ消せてなかったりしますけど…(苦笑)。
誕生日ケーキに立てられたろうそくの火を吹き消すという、これもアメリカ式のスタイル。
一息でろうそくの火を吹き消す理由は、願いが叶うといわれているから。
だから、みんな必死に一息で消そうとするわけです。
それじゃあ、「ろうそくの本数」は少ない方がいいかもしれませんね。
とくに高齢の方のお誕生日会では。
99歳のお誕生日では、ろうそくの長さや太さの違いで表しても「18本」も立てることになり、一息で消すことは難しいでしょう。
願いを叶えるためにも、ナンバーキャンドルを使うのがいいかもしれませんね。
まとめ
誕生日ケーキにろうそくを立てるのは、古く古代ギリシャ時代が起源とされ、15世紀のドイツ「キンダーフェスト」という子供たちの誕生日会で復活したものでした。
それでも当時の意味は、誕生日を迎えた子供を魔物から守る「おまじない」のようなもの。
私たちが思い描く誕生日ケーキとろうそくの関係、年の数だけろうそくを立て「♪ハッピーバースデー・トゥ・ユー」の歌のあと、一息でろうそくの火を吹き消すスタイルは、19世紀に誕生した「アメリカ式スタイル」だったんですね。
ところで、冒頭で紹介した義理の母の喜寿(77歳)を祝うお誕生日ケーキのお使いですが。
「ろうそくの本数はどうしますか?」
に、私は思わず「77本」を頭に浮かべ、ケーキが火事になる姿を妄想してしまったわけですけど、
・長いろうそく7本
・短いろうそく7本
の組み合わせで77歳を表すという、ケーキ屋さんのお姉さんのアドバイスで難を逃れました(笑)。
それでも、「ろうそくの火を一息で消すと願いが叶う」ことに関しては、計14本のろうそくは喜寿の義理の母にはちょっと厳しかった様子です。
正直、二息にも見えたのはご愛敬。なんとか頑張って消していましたよ(笑)。
高齢になるほど、ケーキに立てるろうそくは「ナンバーキャンドル」がおすすめになるかもしれませんね。
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