私たちが旅行の楽しみの1つに「食べること」をあげるように、日本を旅する訪日外国人の方々も日本食を食べることを楽しみに旅行の計画を立てられているようです。
実際に、訪日外国人の旅行支出の約2割が、飲食費に使われているといわれます。
2013年に「和食(washoku)」がユネスコの無形文化遺産に登録されたことを追い風に、日本食が国際的なブームとなるなか、訪日外国人の方々の食の嗜好も以前と比べて多彩に飛んでいるようです。
その昔は、海外で人気を集めていた日本食といえば「SUSHI(寿司)」や「TENPURA(天ぷら)」に代表されていましたが、訪日外国人の方々に今一番人気の日本食とは何だと思いますか?。
今回は「訪日外国人に人気の日本食!寿司・天ぷらじゃない驚きのTOP5とは?!」をお題に、ランキング形式で紹介していきます。
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訪日外国人に人気の日本食TOP5とは?!
2019年(平成28年)には国土交通省観光庁から、インバウンド需要の中心となるアメリカ・中国・韓国・香港・台湾の5カ国からの訪日外国人を対象に実施した「訪日外国人の消費動向」の調査報告がありました。
その報告書にある「最も満足した飲食」、「最も満足した飲食についてその理由」から得たデータに、当サイト独自のポイント付けをし、今回のお題となる訪日外国人に人気の日本食をランキング形式にしてみました。
第1位 : 肉料理
日本が誇るブランド牛は「WAGYU」や「WAGYU BEEF」と呼ばれ、その人気は海外への輸出量が年々増加していることから確かです。
和牛ならではの脂がのったさしの部分の甘さが訪日外国人には堪らないようで、日本を旅する際には和牛のおいしさが味わえる、焼き肉・すき焼き・鉄板焼きなど日本の肉料理を食べることへの期待が大きいようです。
とんかつ
肉料理としては和牛を使った料理だけでなく、サクッとした衣の食感と豚肉のジューシーな脂の味わいを楽しめる「とんかつ」も人気。
訪日外国人、とくに欧米の方々にとって分厚い肉といえば、どーん!と赤身の牛肉ステーキですから、分厚い豚肉を油で揚げて食べることじたい斬新な食体験となるのでしょう。
見た目に反して外はサクサク、中はジューシーな柔らかな食感のとんかつは食べやすく、濃い味のとんかつソースの味にも大満足。
第2位 : ラーメン
日本が誇る和牛など肉料理に次いで、訪日外国人に人気の日本食はラーメン。
2019年に日本で開催されたラグビーW杯の際には、NZ代表オールブラックスのボーデン・バレット選手が新橋のラーメン店で味噌ラーメンを楽しんでいた記事が紹介されていました。
> ラグビーNZ代表オールブラックス 新橋で味噌ラーメンを食す <
お店ごとに個性溢れる味が楽しめる日本のラーメンに、訪日外国人も興味津々。豚骨ラーメンや醤油豚骨、味噌などややこってりした濃い味が好まれるようです。
日本のラーメンは、醤油・塩・味噌・豚骨のほか、つけ麺や油そばなど種類が豊富なので、好きなラーメンを探求する楽しみや、二郎系など話題の人気店であっても割と低価格なのでコスパの良さも人気の理由でしょう。
第3位 : 寿司
生魚を食べる文化がない欧米人でも、日本に来たら「寿司(SUSHI)」という傾向は衰えていません。
ただし、北米で寿司職人をおく日本食レストランであれば握り寿司がメニューに載ることがあっても、いまだ寿司職人をおかないレストランでは巻き寿司を欧米風にオーガナイズされたカルフォルニアロールやアボガドロールが、寿司として提供されています。
訪日外国人のなかでも、日本を旅してはじめて握り寿司を食べたり、日本ならではの多彩な寿司ネタを目にする人の多くが、一様に「こんなにおいしい食べ物はない!」と絶賛します。
訪日外国人に人気の寿司ネタは?
外国人がふらっと回転寿司店へ入ってくるなんてシーンもまったく珍しくない昨今、訪日外国人の方々に人気の寿司ネタは?。
日本を代表する航空会社ANAがwebサイトで紹介する 「 外国人&日本人が好きな寿司ねたランキング TOP10 SUSHI 」 をもとに紹介します。
1位:サーモン
2位:まぐろ
3位:えび
4位:ホタテ
5位:いくら
6位:たこ
7位:鯛
8位:イカ
9位:うに
10位:玉子焼き
訪日外国人に人気の寿司ネタは、1位サーモン、2位まぐろというのは、様々なアンケート調査結果をみてもほぼ共通。
というのも、巻き寿司を欧米風にオーガナイズされた人気のカルフォルニアロールには、寿司ネタにサーモンが使われることが多く、欧米ではサーモンこそが寿司の代名詞と考える人も少なくありません。
結果的に、無難な線でサーモンが1位ではありますが、比較的自国でも食べられるネタということもあり、日本ならではの寿司文化を味わいたいと考える「通な」訪日外国人は、あえてサーモンを注文しない傾向もみられるようです。
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第4位 : 魚料理
訪日外国人に人気の日本食、第4位は魚料理。
日本は世界でも有数の魚介類消費国で、スーパーの鮮魚コーナーには様々な魚介類が並びますし、日本全国からご当地ならでは人気の魚介類が紹介されています。
観光庁からの調査報告書から「最も満足した飲食」に魚料理をあげるのは、とくに中国・香港・台湾からの訪日者に多いことがわかります。
満足した理由(複数回答)の「おいしい」が89%、「新鮮」が71%という結果から、お刺身の盛り合わせがイメージされますが、焼き魚や煮魚、さらに鰻も人気。
中国人は日本の鰻が好き!?
日本では夏の土用の丑の日に鰻を食べる習慣がありますが、近年、中国でも鰻のおいしさに人気が高まり、日本を訪れた際に本場日本のおいしい鰻を食べたいというニーズが増えています。
中国の人気SNS「Weibo」では、日本の「食べログ」から発信された「百名店うなぎ2019」を紹介した投稿が話題となるなど、鰻のおすすめ店がまとめられている情報が中国人の方々に非常に喜ばれているようです。
その他、中国最大の口コミアプリ「小紅書(RED)」にも、おすすめの鰻店を紹介する記事が多く投稿されています。投稿に対する反応も多いことからも、中国人の方々が日本の鰻に注目していることが見て取れます。
第5位 : から揚げ・カレー・お好み焼き・焼きそばなど
第5位はデータ上は「その他の日本食」となりますが、その内訳は恐らく日本を代表するB級グルメの数々なのでしょう。
唐揚げやカレーライス、関西風や広島風のお好み焼き、秋田の横手焼きそばや静岡の富士宮焼きそば、もちろんご飯と味噌汁とおかずを組み合わせる定食物など、等身大の飾らない日本食にも関心が高まっています。
実際、日本が誇るB級グルメはパンチが効いた濃い味付けが特徴的なものが多いので、訪日外国人にウケがいいのかもしれません。
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訪日外国人で好き嫌いが分かれる食べ物!
ここでは、訪日外国人の中でも好き嫌いが分かれる代表的な日本食を取り上げてみましょう。
魚介類のお刺身
先の訪日外国人に人気の日本食、第3位に寿司を紹介したばかりですが、外国人の中には生ものを食べたがらない方も多いということです。
欧米では火を通さない生ものを食べる食文化は、あまり一般的ではありませんでしたが、昨今はカルパッチョ発祥の地イタリアでさえも、生の牛ヒレ肉に代えて、まぐろの赤身やカツオの刺身を使った和風のカルパッチョがよく食べられるようになりました。
とはいえ、火が通っていない刺身に「食当たりが怖い」と拒否反応を示しす方も少なくありません。
ちなみに、日本では「卵掛けご飯(TGK)」などで生卵を食べますが、一般的に海外では卵は火を通して食べるものであり、生卵を食べる食文化がな理由も同様です。
お寿司の場合は、かっぱ巻きや玉子、ボイルした海老やたこ、焼きあなごなど熱を通したネタも多々ありますから大丈夫かもしれません。
海外からのお客様を料亭で接待する際、見た目も華やかな「お刺身の船盛り」を注文したくもなりますが、お刺身など生の魚介類を食べられるかどうか確認してからオーダーするのがベストでしょう。
納豆
日本では、朝食に欠かさず食べるという人も多い納豆ですが、納豆独特の匂いや味、ネバネバした食感など、納豆は訪日外国人から敬遠されてしまいがちです。
日本国内でも、昔から関西地方ではあまり馴染みのない食べ物とされますからね。
そんな訪日外国人に嫌われがちな納豆ですが、先の東京オリンピック2020出場したカヌーのスペイン代表ダビド・リョレンテ選手が自身のTikTokに、選手村で納豆を食べるシーンを投稿し話題となっていました。
日本人にはお馴染みの丸いパックの納豆を手にとり、器用に箸を使って混ぜ混ぜ、ネバネバさせてます。
ダビド・リョレンテ選手は動画内で、「納豆は大豆、発酵食品、健康的なプロバイオティクス」そして「食べるのに手こずる」との説明を加えています。
@d.llorenteeWhat I eat for breakfast in the Olympic Village. #olympicvillage #villaolimpica #olympics #tokyo2020 #fu #nutrition #natto #espirituolimpico #fypシ♬ Fake – The Tech Thieves
朝食に納豆を食べると、血糖値の上昇が緩やかになり満腹感も持続するので、ランチをつい食べ過ぎてしまう方はダイエットに最適なんですけどね。
食文化の違い、味や食感の好みはどうしようもありません。
一般的に日本食は訪日外国人には人気ですし、日本食を楽しみに来日されている方も多いですが、日本人が好きな食べものがすべて訪日外国人に受け入れられるわけではないということです。
まとめ
国土交通省観光庁が実施した、インバウンド需要の中心となるアメリカ・中国・韓国・香港・台湾の5カ国からの訪日外国人を対象に実施した「訪日外国人の消費動向」の調査報告のデータから、当サイト独自のポイント付けをし、今回のお題となる訪日外国人に人気の日本食をランキング形式にしてみました。
日本代表のような存在の寿司も、ランキング第3位とまだまだ人気は劣りませんが、肉料理やラーメンが上位であることから、より大衆的な日本食が好まれるように変化してきていることがわかります。
とくに、訪日外国人の間で人気急上昇なのが「ラーメン」でした。
お店ごとに個性溢れる味が楽しめる日本のラーメンに、訪日外国人も興味津々。醤油・塩・味噌・豚骨の他、つけ麺や油そばなど種類が豊富なので、好きなラーメンを探求する楽しみや、話題の人気店でも割と低価格なのでコスパの良さも人気の理由でしょうね。
訪日外国人は、2019年には3,188万人に達し、インバウンド需要とされる消費額は4.8兆円拡大していましたが、2020年からのコロナ禍で観光業・飲食業に於けるインバウンド需要は壊滅的(ほぼゼロ)に至りました。
コロナ禍が世界的に収束した後は、必ずや多くの外国人が訪日されることになるでしょう。
おいしい日本食を通じて、如何に多くの外国人の皆さんをおもてなしできるのか。日本全地域の飲食業界の本気度が試される機会になりそうですね。
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