カメムシの効果的な駆除方法や侵入防止!臭いがついたときの対処法は? | 教えて!知恵袋

カメムシの効果的な駆除方法や侵入防止!臭いがついたときの対処法は?

カメムシ駆除 暮らし

多くの地域で「カメムシ注意報」が発令されるなど、全国的に大量発生しているというカメムシ

カメムシと聞いてまっさきに思い浮かぶのは、手についたら最悪な、洗ってもなかなか落ちない強烈な臭いでしょう。

地味な昆虫ありながらその知名度は高く、わずかな隙間や、洗濯物について家の中へ侵入するなど、目にすればギョッと腰が引ける不快害虫です。

家庭菜園や、庭やベランダでのガーデニングでは、カメムシによる果実や新芽の食害が悩みという方もいらっしゃるでしょう。

今回は、カメムシの種類や生態の特徴、駆除方法や家への侵入防止、臭いがついたときの対処方法などを探っていきます。

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カメムシの種類と生態

カメムシとは、カメムシ目のカメムシ亜目に属する昆虫の総称です。

頭は先端が尖った三角形で前胸部の左右に幅広く、翅に覆われた胴体は後ろにいくにつれ細くなっていくので、全体的に五角形のような形をしています。

カメムシという名前も、その外観が亀の甲羅の形に似ていることに由来しています。

刺激を与えると強烈な臭いを放つ不快害虫で、地方によってはカメムシが放つ臭いの臭さがよく表現されるような別名で呼ばれています。

地方によって違うカメムシの別名(一例)
・ヘコキムシ
・ヘクサムシ
・ヘクソムシ
・ヘッピリムシ
・クサンボ
・クセムシ
・ワックサ

強烈な臭いを放つだけでなく、農作物を荒らすこともあるカメムシは、農業害虫として扱われることも多い虫です。

 

カメムシの産卵時期と脅威の繁殖力

カメムシの寿命はおよそ1年半。前年に生まれ越冬したカメムシは春になると繁殖活動をはじめ、梅雨の前後の時期にあたる5月下旬~8月にかけて産卵します。

1回の産卵数は10~100個で、1シーズン中に何度も産卵を繰り返し、総産卵数は数百個にまで達します。

卵は1週間~10日ほどで孵化し、何度か脱皮を繰り返しながら、およそ1ヶ月という短期間で成虫へと成長していきます。

孵化し新成虫となったカメムシが同シーズンに産卵しはじめるケースも加わるなど、驚異的なスピードでその数を増やしていきます。

 

カメムシの被害

広食性のカメムシは、果樹、マメ科、ナス科、アブラナ科、セリ科などの植物を好みます。

ベランダでも手軽に始められる家庭菜園と人気の、トマト、ピーマン、ナス、オクラ、枝豆、ニンジンなど、果実部分や、新芽、茎葉など柔らかく水分の多い部分にストロー状の口器を刺して養分を吸い取られる形の食害が多く発生します。

春~夏に活発に活動していたカメムシも、気温が下がりだす秋になると、寒いところが苦手なカメムシは、越冬にそなえて暖かな家の周りへと移動してきます。

この時期に家の中へ侵入したカメムシは、そのまま春まで居座ることもあります。

家の中へ侵入してきたカメムシを駆除しようと誤って刺激すれば、強烈な臭いの被害にあうことも少なくありません。

カメムシの放つ臭いは自分がショック死するほど

カメムシは刺激を感じると、6本脚の中脚と後脚の間にある「臭腺開口部」から悪臭を放ちます。

その臭いたるや、「ビンの中にカメムシを入れ、刺激を与えて蓋をする」という実験で、カメムシ自ら放った臭いでショック死してしまうほど強烈なものです。

臭いの主成分は「トランス-2-ヘキセナール」などのアルデヒド類で、草や葉っぱの臭いの主成分でもあり、青臭いにおいが特徴です。

ちなみに、カメムシの臭いを「パクチーの臭いに似ている」という人もいますが、パクチーの和名が「カメムシ草」ですから、カメムシの臭いに似ているのがパクチーです。

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日本に生息する代表的なカメムシ

カメムシの種類はとても多く、世界的には1100種類以上、日本国内でも90種類以上の生息が確認されています。

ここでは、日本に生息する代表的なカメムシの種類の中から、クサギカメムシ、スコットカメムシ、マルカメムシ、ツヤアオカメムシを画像付きで紹介しますが、形態は実に多様で、それぞれ見た目がまったく異なります。

カメムシの種類ごと、色や形、大きさ、好みの植物や発生時期などの違いを掴んでいきましょう。

みなさんを悩ませているカメムシの種類はどれでしょう?。

 

クサギカメムシ

クサギカメムシ

本州~四国、九州、沖縄まで広く発生するカメムシで、日本国内で最もポピュラーな種類の1つです。

体長は13~20㎜ほどで、茶色や黒褐色など暗褐色の斑模様が特徴。

クマツヅラ科の落葉樹、クサギ(臭木)につくことが名前の由来ですが、桃や梅、みかんなど果物の他、豆類、野菜も好んで吸汁します。

暖かい地域では1年に2回産卵し、秋には越冬する場所を求めて家の前に移動し室内へ入り込むことがあります。

 

スコットカメムシ

スコットカメムシ

体長は9~11㎜ほどで、全体的に暗褐色で銅のような光沢があり、背中の中心に白い模様があること、後翅が腹部より長く突き出ているのが特徴です。

イギリスのカメムシ学者スコット氏の名前が名前の由来で、やや冷涼な環境を好むことから、主な生息地域は北海道~本州です。

都市部よりも山地に多く、シナノキ・ミズナラ・ヤマハンノキなどさまざまな樹木につき、越冬を前に家の周りに大移動してきます。

 

マルカメムシ

マルカメムシ

体長は5㎜前後と小さく、その名のとおり丸い形で光沢のある暗褐色が特徴です。

枝豆や小豆などマメ科の植物を好み、葉や茎に卵を産みつけます。

 

ツヤアオカメムシ

アオカメムシ

体長は14~17㎜。その名のとおりツヤのある緑色が特徴で、他のよく見る緑色のミナミアオカメムシやアオクサカメムシとは、緑の鮮やかさとツヤで見分けられます。

柑橘類の他、桃、梨、柿の実を好み、吸汁された果実は商品価値を無くすなど、果樹園では甚大な被害を被ります。

 

洗濯物にカメムシがつく理由

ベランダや庭先に干した洗濯物に、カメムシやカメムシの卵がついていた経験はありませんか?。

洗濯物にカメムシがつくのは、洗濯物の色と温度が関係しています。

カメムシは白や薄い色など、白っぽい色、明るい色を好む傾向があるので、シーツやタオル、ワイシャツなど白く明るい色の洗濯物を干していると寄りつきやすくなります。

また、寒さが苦手なカメムシは暖かな場所を求めます。

ベランダなど陽当たりのいい場所に干された洗濯物はほっこり暖か、カメムシにとって最高に居心地のいい場所なのです。

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カメムシを安全に駆除する方法

ベランダや家の中へ侵入したり、洗濯物についたカメムシを駆除するときに一番重要なのは、カメムシから強烈な臭いを放たれないようにすることです。

カメムシの臭いが手や服についたら、なかなか落ちてくれません。

間違っても叩いたり、掃除機で吸い込むなどカメムシを刺激しないようにしましょう。

 

ティッシュで覆うように捕獲する

用意するのは、ふんわりと重ねた数枚のティッシュとビニール袋。

カメムシが刺激で驚かないよう、ふんわりとしたティッシュで優しく覆うように捕獲したら、ティッシュごとビニール袋に入れて入口をしっかり結びます。

ふんわりと覆ったティッシュの中で、カメムシがモゾモゾ動くかもしれませんが、驚いて手を離さないように注意してください。

 

ガムテープを使って駆除

カメムシを粘着テープで捕獲

カメムシにガムテープなど粘着テープを貼り付ける方法は、素手に触れることなくそのまま丸めて捨てられます。

大切なのは貼り付けてから、テープを丸め包み込むまでのスピード。

ゆっくり行うと、刺激に驚いたカメムシから臭いを放たれる可能性があります。

ビニール袋に入れて入口をしっかり結んで捨てれば、漏れてくる臭いも防ぎます。

 

ペットボトルを利用したカメムシ捕獲器で駆除

ペットボトルで作るカメムシ捕獲器

カメムシに触るなんて絶対に嫌だという方は、ペットボトルを利用したカメムシ捕獲器を作っておくと便利です。

 

ペットボトルを利用したカメムシ捕獲機の作り方

準備するもの
・空のペットボトル(500ml)
・ビニールテープ
・カッター
・台所用中性洗剤
作り方
➀ペットボトルの上から1/4くらいの所(平らな部分)をカッターで水平に1周切り離します➁キャップを外した飲み口を逆さにして差し込みテープで止めます➂台所用中性洗剤を数㎝入れて完成

カメムシなどの昆虫は、腹部や胸部などの側面にある気門(きもん)という小さな穴から空気を取り入れ呼吸しています。

台所用中性洗剤がその穴を塞ぐことで、カメムシを窒息死させることができるという仕組みです。

捕まえ方
➀カメムシを刺激しないよう下からそっとカメムシ捕獲器を忍ばせ、フチでカメムシの脚をすくうようにします
➁ペットボトルの傾斜に脚を滑らせ、逆さにした飲み口から底に落ちていきます

捕獲し終えたカメムシ捕獲器に、ラップで密閉することで万が一の臭い対策になります。

空の牛乳パックでも、ペットボトル同様のカメムシ捕獲器が作れます。

作り方も牛乳パックの上部を全開にして、底に台所用中性洗剤を数㎝入れておくだけ。

カメムシの脚を牛乳パックのフチですくい、中に落ちたら牛乳パックの上部を閉じればOKです。

 

凍結殺虫剤で駆除

-85℃といった、超冷気でカメムシが臭いを放つ前に瞬時に動きを止めて駆除する「凍結殺虫剤」が市販されています。

驚かさないようにゆっくり近づき、吹き飛ばさないよう、カメムシの背中に対しなるべく垂直に吹き付けます。

殺虫成分は入っていないので、殺虫剤特有の臭いやベタツキもなく、洗濯物や布団についたカメムシの駆除に向いています。

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カメムシの発生予防と家の中への侵入防止

普段は山林や畑などで活動しているカメムシも、ときにベランダの網戸や壁、洗濯物についたりすることもあります。

気温が下がりだす秋になると、寒いところが苦手なカメムシは、越冬に備え家の周りに移動し、家の中へと侵入するチャンスを狙います。

一度カメムシを大量発生させてしまうと完全に駆除するのは難しく、まずは家の中への侵入を防ぐのが一番の対策になるでしょう。

カメムシの主な侵入経路
・網戸やサッシの隙間
・エアコンのドレンホース
・給排気口
・干している洗濯物

 

定期的に除草する

カメムシは、草木や植物が茂っている環境を好み繁殖します。

庭や畑の雑草を定期的に除草したり、枯れ葉などの落ち葉を取り除いたりすることはカメムシの発生を元から断つことに繋がります。

卵を産みつける草木がなければ、カメムシの数が増えることはありません。

 

網戸やサッシの隙間なくす

カメムシは体が平たい種類が多く、僅か2㎜程度の隙間があれば家の中へ侵入してきます。

玄関のドアや窓を開けっぱなしにしないことはもちろんのこと、窓と窓枠、網戸どうしの合わせ目の隙間を、隙間テープでなくすことはカメムシの侵入防止に効果的です。

隙間テープなどの隙間対策用品は、ホームセンターのほかダイソーなど100均ショップでも購入できます。

 

エアコンのドレンホースを塞ぐ

エアコンから出た結露水を溜めずに排出するためのドレンホースですが、中はジメジメ暗くて狭く、カメムシ以外にもコバエ、ゴキブリ、ナメクジなどが家の中へ侵入する経路になるケースがあります。

エアコンのドレンホース用防虫キャップで、ホース先端からカメムシが侵入することを防ぎましょう。

特別な工事も必要なく、ドレンホースの先に差し込むだけなので簡単に取り付け可能です。

 

市販の忌避剤で防ぐ

カメムシが嫌がる成分が含まれた忌避剤(キヒザイ)も、カメムシの寄りつき防止に有効です。

ドラッグストアやホームセンターの虫除けグッズコーナーにはカメムシ用の忌避剤もありますので、物干し竿や窓や網戸など設置場所に応じたタイプを購入しましょう。

忌避剤の効果期間(1~2ヶ月程度)が切れる前の買い替えが大切です。

 

ハッカ油で作るミントスプレーで防ぐ

ハッカ油で作るミントスプレー

カメムシはミントなどハーブ系の香りを嫌うことから、ベランダや庭先に、鉢植えのミントなどを栽培するのも有効です。

ミントは、生命力や繁殖力がとても強いので育てやすいですよ。

また、ハッカ油を薄めたミントスプレーを網戸や窓に吹きかけるのも、忌避剤として効果的です。

ハッカ油はドラッグストアなどで手軽に購入できます。ハッカソウを水蒸気蒸留させた精油で、自然由来なので安心です。

 

ミントスプレーの作り方

準備するもの(100ml分)
・スプレー容器
・ハッカ油:20滴
・無水エタノール:10ml
・精製水:90ml

精製水がなければ水道水でも問題はありません。

スプレー容器は100均で購入できるものでOKですが、PP(ポリプロピレン)またはPE(ポリエチレン)製のものを選びます。

PS(ポリスチレン)製は、ハッカ油を入れると溶けてしまいます。

作り方
➀スプレー容器に無水エタノール10mlを入れ、ハッカ油を20滴垂らしよく混ぜます
➁精製水90mlを加え振り混ぜて完成

 

ミントスプレーの使い方

カメムシの侵入経路になる網戸や窓枠、給排気口周辺に吹きかけます。

使い古しのタオルなどに染み込ませるように吹きかけ、ベランダや窓に近くにぶら下げておくのも効果的です。

ハッカ油で作るミントスプレーの効果は1~2時間程度と短いので、こまめに吹きかけるといいでしょう。

 

木酢液スプレーで対策!

カメムシ駆除スプレー

カメムシが嫌う臭いとして、昔から伝わる「木酢液(もくさくえき)」をスプレーするのも効果的です。

木酢液とは、木炭を焼いて作るくときに発生した煙の成分を冷やして液体にしたもの。

液体の色は黄褐色や赤褐色で、燻製のような香りがするのが特徴です。

その昔「木酢液」は農薬でしたが、薬効が認められないことから、現在は「農薬的に使用できるもの」として販売されています。

木酢液は、ホームセンターの園芸コーナーやドラッグストアで購入することができますが、原液タイプと予め希釈されたタイプのものがあるので、商品のラベル表記に注意してください。

木酢液スプレーの作り方

木酢液が原液タイプならば、300倍~1000倍に薄めます。

作り方の目安としては、2ℓのペットボトルに対して小さじ1杯(5ml)程度です。

 

木酢液スプレーの使い方

薄めた木酢液を霧吹きに入れ、網戸や窓枠などに散布しますが、特徴的な香りが気になる方は少量づつ試してみましょう。

ベランダや庭でガーデニングを楽しまれている方は、草花の葉の表面から裏側、茎の部分にも散布していきます。

木酢液には、カメムシ駆除・対策だけでなく、草花の代謝が上がり生育が良くなる効果も期待できます。

匂い移りがあるので、洗濯物を干す場所に近い場所への散布は避けた方がいいかもしれませんね。

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カメムシの臭いが手や服についたときの対処法

カメムシを駆除する際、誤ってカメムシを刺激してしまい強烈な臭いを放たれてしまうこともあると思います。

カメムシの臭いの主成分は「トランス-2-ヘキセナール」などのアルデヒド類。

親油性・揮発性の物質で油に溶けやすく水にとけにくい「頑固な油汚れ」のようなものなので、水や石鹸、洗剤で洗ってもなかなか落ちてくれません。

 

手についたカメムシの臭いにはオリーブオイル

手についたカメムシの臭い

カメムシの臭いは水では落とせませんが、油をつけて擦れば溶けだし取れるので、オリーブオイルで落とすのが効果的です。

手のひらにオリーブオイルを数滴垂らして擦り洗いしたあと、食器用中性洗剤で洗うとよく落ちます。

食器用中性洗剤で手を洗ったあとは、ハンドソープや石鹸で洗いましょう。

メイクを落とすクレンジングオイルと食器用中性洗剤の組み合わせも、同様に効果があります。

 

服についたカメムシの臭いには界面活性剤入りの洗剤

服についたカメムシの臭いは、界面活性剤入りの洗濯洗剤で洗い、天気のいい日であれば天日干しで乾燥させるのが効果的です。

(界面活性剤は界面活性剤フリーを謳う特別なものでなければ大体の洗剤に入っています)

乾燥させたあと、スチームアイロンで熱を加えると、臭い成分が揮発されてさらに落ちやすくなります。

 

まとめ

今回は、カメムシの駆除方法や家の中への侵入防止を中心に、カメムシの種類・生態の特徴、臭いがついたときの対処法などを探ってきました。

カメムシを駆除するときに重要なのは、カメムシを刺激して強烈な臭いを放たれないように、慎重な動作とスピード感も必要です。(もたもたしてるとヤラレます)

カメムシに触るなんて絶対に嫌だという方は、ペットボトルを利用したカメムシ捕獲器を作っておくと便利です。

家の中への侵入防止には、定期的な除草や落ち葉を取り除くなどカメムシが好む環境を作らないことで発生源を断ち、網戸や窓、エアドレンホースなどカメムシの侵入経路を徹底的に塞ぎましょう。

カメムシの臭いが手についたときは、オリーブオイルや食器用中性洗剤で手を洗いましょう。

服についた臭いは、界面活性剤入りの洗濯洗剤で洗い、天気のいい日であれば天日干しで乾燥させ、乾燥させたあとスチームアイロンで熱を加えると、臭い成分が揮発されてさらに落ちやすくなります。

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