例えば、会社のお局様から「お子さんは?」などと尋ねられたとき、「1番上の子が女の子で、下に男の子が2人」なんて答えれば、
「あらっ、一姫二太郎じゃないの。いいわね~!」
なんて言われますが、一姫二太郎の正しい意味や、一姫二太郎だとなぜいいのかってご存じでしょうか?。
「1番上の子が女の子で、下に男の子が2人」
このお子さんの兄弟構成は、正しく一姫二太郎ではあるのですが、どちらともとれる2つの意味が隠されていますよね。
➀1人目が女の子(姫)で、2人目が男の子(太郎)という意味
➁女の子(姫)が1人で、男の子(太郎)が2人という意味
どちらが、一姫二太郎の正しい意味だと思いますか?。
また「一姫二太郎三なすび」なんていう、子供を「なすび」に例えた、昨今ではネット上で炎上しそうな表現がなされる言葉もあったりします。
・一姫二太郎の正しい意味!
・一姫二太郎はなぜいいのか?
・一姫二太郎三なすびとは?
一姫二太郎について、あらためて探っていきましょう。
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一姫二太郎の正しい意味!
一姫二太郎はなぜいいのか?を問う前に、まずは一姫二太郎の正しい意味を確認しておきましょう。
一姫二太郎の意味!正しい言葉の使い方
正直いいますが、私は元々「一姫二太郎」という言葉の意味を、女の子が1人で男の子が2人の兄弟構成を指すものだと思っていました。
女の子は可愛いけれどお嫁に行ってしまうので、男の子が2人いれば後継ぎの心配もないと言い伝えられてきた言葉だと思い込んでいたんです。
ところが、一姫二太郎という言葉は「初産は女の子で、男の子は2人目が理想的」という意味が正しい使い方だったのです。
私と同様に、一姫二太郎を間違った意味で捉えている人は多いようで、平成12年に文化庁が行った世論調査では3割以上のも人々が「子供は女の子1人、男の子2人が理想的」という意味と思っていたという結果でした。
昔からの言い伝えのような言葉ですから、若者なら間違っても仕方がないと思いきや、50代の人でも約4割の人が「子供は女の子1人、男の子2人が理想的」という間違った意味で捉えていたといいます。
無理もありません、「一姫二太郎」という言葉のイメージからすると、その意味が「女の子が1人で男の子が2人」と思うのも不思議ではありません。
次は、一姫二太郎の「太郎」にの意味について。
一姫二太郎の「太郎」は男の子という意味ではない!?
一姫二太郎の「太郎」の部分を「男の子」とイメージしてしまうのが、間違った意味に捉えてしまう原因です。
太郎とは、古くは平安時代中期の書物「源氏物語」でも登場し、長男を意味する言葉なのです。
男兄弟が続けば、長男は太郎で、次男は次郎(二郎)、三郎・四郎・五郎となるもので、昭和の時代の頃までは実際によく付けられていた名前ですよね。
一姫二太郎の「二」の部分を「2人」と解釈してしまうと、太郎が2人、つまり「長男が2人」という意味になってしまうのでやはり間違い。
むろん、双子でも戸籍法で生まれた順番で長男・次男が決まるので、長男が2人はあり得ません。
ただし、冒頭で紹介したような「1番上の子が女の子で、下に男の子が2人」の構成を一姫二太郎と呼ぶのは決して間違いではありません。
なぜなら、一姫二太郎とはあくまで初産の子と2人目の子の性別構成を表す言葉で、3人目が男の子か女の子かまでは問わないのです。
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一姫二太郎はなぜいいのか?
一姫二太郎の正しい意味は、初産は女の子で、男の子は2人目以降が理想的というもの。
そんな一姫二太郎はなぜいいのしょう?。
女の子は育てやすいといわれる
一般的に女の子は男の子と比べて大人しくて、夜泣きが少なく、病気になりにくいとされ、昔から育てやすいといわれています。
男の子の方が、なぜか発熱することが多いのだとか。医療が進んでいない昔、高熱は命に係わることでしたので、初産で女の子で子育てを経験し、慣れた2人目以降に男の子が生まれる「一姫二太郎」が理想とされたのです。
私の経験上からも、夜泣きが少ないことは、初めての子育てでは間違いなく大変助かるポイントです。
初産の子が女の子だとママの経験が子育てに生かせる!
近年は「イクメン」なパパが増えているとはいえ、子育ての中心はやっぱりママ。
女の子と男の子とでは、成長過程で体の仕組みや気持ちの面も含めて違いがあり、異性だと分かりづらい点があることは否めません。
その点、初産の子が女の子だと、ママが自身の経験と重ねながら一緒に成長していけるという点が大きなメリットになり得るのです。
初産が跡取りとなる男の子でなかったことへの慰めの意味?
その昔、とくに武家社会では、最初の出産は家督を相続する(跡取りとなる)男の子の誕生が強く望まれていました。
初産の子が男の子か女の子か、その確率は今も昔も半々ですが、お嫁さんに掛かるそのプレッシャーは大変なものだったに違いありません。
その気持ちの救いになるのが、一姫二太郎の言葉だったのではないでしょうか。
初産は女の子の方が「育てやすくていい」も含めた慰めであり、いざ家督相続する大切な男の子が生まれたときに、育児経験が生かされるという意味合いも含まれているものでしょう。
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一姫二太郎三なすびとは?!
一姫二太郎三なすび
一姫二太郎が女の子と男の子が生まれるといい順番を意味する言葉であるなら、3番目の子どもを「なすび」呼ばわりとはこれ如何に?。
なすびの他にも、
一姫二太郎三太郎
一姫二太郎三かぼちゃ
などなど、3番目の子は「どうでもいい感」が匂ってきます。
初夢「一富士二鷹三なすび」に掛けた言葉?
ここで取り上げた「一姫二太郎三なすび」という言葉の出どころはいうと、小説家・筒井康隆氏が夕刊フジに連載したエッセイ「狂気の沙汰も金次第」(のちに単行本が新潮社から出版)の一文といわれていますが、単に「一富士二鷹三なすび」に掛けた言葉で、とくに意味があって用いたものではないといいます。
三番目の子どもに対して「三なすび」との表現が如何なものかと思う反面、初夢で見ると縁起がいい3番目となるなすび(茄子)は徳川家康もその初物を好んだことや、物事を成す(なす)など縁起物とされてることからして、決して悪意がある表現ではない感じもします。
一姫二太郎三なすび
3人目の子どもは「物事を成す」となれば、素晴らしいではありませんか!?。
3番目の子は茄子でも瓜でも南瓜だっていい?!
一姫二太郎という言葉の意味が、1番目(初産)は育てやすい女の子で、跡取りとなる男の子は2番目が理想というものであり、3人目はというと茄子でも瓜でも南瓜でも何でもいい!。
一姫二太郎三かぼちゃ
もはや2人の子育を経験した後、3人目は男の子でも女の子でも大丈夫!、何でもゴザレ的な意味も含めた一姫二太郎三なすびであり、一姫二太郎三かぼちゃなのでしょう。
まとめ
今回はタイトル「一姫二太郎の正しい意味!なぜいいのか?一姫二太郎三なすびとは?」について、大きく3つのテーマに分けて探ってきました。
・一姫二太郎の正しい意味!
・一姫二太郎はなぜいいのか?
・一姫二太郎三なすびとは?
正直、私と同じように一姫二太郎とは子どもの兄弟構成が「女の子が1人で男の子が2人」という意味だと思っていた方も多かったのではありませんか?。
一姫二太郎の正しい意味は、初産は女の子で男の子は2人目が理想的というものでしたね。
2つ目のテーマ「一姫二太郎はなぜいいのか?」についても、
・女の子は育てやすい
・女の子だとママの経験が子育てに生かせる
・初産が跡取りとなる男の子でなかったことへの慰め
など理由としてあげられました。
とくに跡取りとなる男の子が望まれる武家社会で、最初の子が男の子でなかったときの慰めという意味が大きかったのではと思えました。
2人のお子さんを育て、3人目の子どもを指す「三なすび」には茄子でも瓜でも南瓜など、どうでもいいという感じも否めませんが、あまり深く考えないようにしましょうよ。
もはや2人の子育を経験した後、3人目は男の子でも女の子でも大丈夫ということで。
現在は医療も発達していますし、ネット検索すれば様々な育児のノウハウの情報が得られます。
一姫二太郎ならぬ、逆の一太郎二姫だってまったく問題ありませんし、「子どもを授かれた喜び」それだけでいいのではないでしょうか。
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